第4回 議事録
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開催日時:平成15年2月26日(水) 19:00~21:20
開催場所:大森西区民センター
議事次第
- 委員継続・座長選出
- 「内川の昔と今」講演(「内川をよみがえらせる会」代表:増田氏)
- 行政からの報告および意見交換
- 川づくりの視点についての議論
- 今後の進め方
議事概要
1.委員継続・座長選出
- 委員については、辞退者を除き継続となりました。座長は、大森西地区連合会会長が選出されました。
2.「内川の昔と今」講演
- 本連絡会委員で「内川をよみがえらせる会」代表の増田氏より、スライドを使いながら、内川の歴史についてご講演いただきました。
3.行政からの報告および意見交換
(1)内川の緊急工事について
以前から大きく変状していた内川橋~新橋間左岸側の約100mの護岸について、1月17日竣工で都が工事を行った。設計に当たり、環境護岸による整備再開に支障とならないもの、限られた予算で即効果のある構造を着眼点とした。
護岸の前面に押さえを設置し、背面の通路部分の土を幅1m×深さ1mほど軽石に置き換え背面土圧の低減を図った。前面押さえの基礎として、河床に長さ3.2m×径15cmの松丸太杭を1mピッチで2列打設した。川側に約1.3mの出幅があるが、河床に厚さ50cmのフトン籠を4段重ね、既設護岸とフトン籠の間をセメント混合の固化泥土で密着させた。最も危険な24mの区間を、この工法で応急処置を行った。その他護岸の目地にずれが発生している箇所では、頭部を鋼材で強制的にボルトで押さえ、締め付け補強を行った。
この工事により、これ以上の変状を防止できると考えている。
(2)今後の整備予定
厳しい財政状況の中、環境護岸整備が休止しているが検討は行っている。
平成7年阪神大震災を受け、液状化の危険性の高い地域に対し、緊急耐震対策事業を一生懸命行っている。現在最も力を入れているのが江東ゼロメートル地帯である。その他、中川、隅田川、旧江戸川で緊急的に行い、目標年次の来年でほぼ終了する予定である。
水門もなく、地盤が最も低い地域を優先的に事業対象としてきたが、ある程度目処がついたので、液状化の恐れのある地域や護岸が非常に老朽化している所など、次の対象地域を整理している。耐震対策なので護岸を固めて崩壊を防止するのが目的であるが、遊歩道など環境的なことも検討していきたい。
新橋上流から内川橋間の老朽化護岸について、7月5日に大田区長から建設局長宛に要望書が提出された。財政上厳しい中でも、地域の防災上・治水上から、早期改修を要望する内容である。現在、要望書に対する処置を検討中である。
- (都民委員)
- 3年前に流域連絡会が発足して100mほどやって、その後進展が見られない。河川周辺の住民の生命と財産を守り、環境を改善するという無駄のない事業であるから、緊急に予算を取って工事して欲しい。
- (都民委員)
- 平成9年の大田区、住民、東京都3者共同による環境整備プランでは、「生き物、利用、地域性、安全性に配慮した整備」をしようという4つのスローガンを出している。今後どういうプランの基に進展させるのか、具体的に説明して欲しい。また、行政側のスタッフがいつも変わっていて、全然進歩発展がない。
- (行政委員)
- 年次割りの計画といっても、予算の問題があり明確には言えない。緊急耐震事業が来年度で終了するので、その先で内川の検討をしていく。第一回定例会の中で、都としては積極的に取り組んでいくと回答している。
- (都民委員)
- 緊急工事を行った区間の他にも亀裂が多々あり、潮の干満によってその亀裂から土砂が吸い出され、側道が地盤沈下を起こし遊歩道が波を打っている。家屋にも影響があると思われるため、是非検討して欲しい。
(3)第3回連絡会における質問への回答
[1]西馬込二号幹線と馬込幹線の縦断及び地盤の状況について
前回質問のあったこの項目について説明を行った。
[2]アンケート結果
川づくりの視点(7項目)について、意見交換の優先順位をアンケートした。
7つの視点の優先順位(H14.8実施アンケート結果)
順位 | 視点No. | 視点 | 得点数 |
---|---|---|---|
1 | 5 | 平常時の水環境 | 55点 |
2 | 2 | 川とのふれあい | 21点 |
3 | 3 | 自然環境 | 15点 |
4 | 4 | 地震・災害時の対応 | 12点 |
5 | 1 | 洪水時の対策 | 10点 |
6 | 7 | 流域の資産 | 7点 |
7 | 6 | 維持管理 | 5点 |
[3]内川の下水道分流化について
東京都では、合流式の区域が約8割ある。
分流式では2本下水管が必要だが合流式では1本で済むため、ライフラインが多数道路下に収容されている区域では合流式が比較的容易で、そのため急速に下水道整備ができた。
メリットは、初期雨水の路面の汚濁をそのまま処理場に送れることである。
デメリットは、強い降雨で下水が処理しきれなかった場合、一部を河川に放流せざるを得ないことである。
分流式は、雨水は河川に、汚水は処理場に別々に排水できるが、初期雨水で道路の汚濁がそのまま河川に流入するデメリットがある。
合流式を分流式に変える問題は、まず下水管が1本から2本に増えるため、ライフライン移設が必要となる箇所がある。
また、合流式は生活雑排水を1本の接続管で取っているが、分流式では生活雑排水と庭や屋根の降雨は別々の接続管で付け替える必要である。
莫大な事業費と工期がかかり、実施は大変難しい。
したがって、合流式の改善対策を行っている。オイルフェンス、ろ過スクリーン等の設置以外に、処理場への送水管と川への放流管を接続するマンホールの中に越流堰があり、その嵩上げにより河川への放流量を減少させる対策を取っている。
4.川づくりの視点についての議論
アンケート結果に基づき、平常時の水環境、自然環境、川とのふれあいの順に議論が進められました。
(1) 平常時の水環境
- (行政委員)
- 大田区で日常的な維持管理を行っている。堆積ヘドロの除去は通常年2回であるが、今年度は夏場に緊急的に1回増やし計3回行った。浮遊物の処理は年24回(月2回)ゴミを収拾撤去している。接触酸化法による水質浄化を図るため、浄化施設として曝気装置を設置している。
(2) 自然環境
- (都民委員)
-
潮の干満では水の動きが悪く、ヘドロがあまり動かないのは問題だと思う。下流部ではプランクトンを始め、魚介類や水鳥の生息が増え、時折カワセミも見かける。水質が非常に良くなっているのは事実である。また、休止している多自然型改修が進行すれば、かなり自然の回復が可能と思われる。4、5年前から釣りを楽しめる川となっている。
そういった川を中心に町の活性化も図れると考えるので、何とか予算を確保して整備を進めて欲しい。
(3) 川とのふれあい
- (座長)
- 行政側の予算は難しいが、行政と地域、子供たちが一緒になって催し物を実施できる良い方法はないだろうか。
- (都民委員)
-
地域で資金集めを実施したらどうか。
町会の予算でハゼ釣りなど、子供を遊ばせることをやっている。
内川の上流部は水がすごくきれいで、ボラや1mくらいのスズキ、手長エビ、カモもいる。
しかし、ヘドロやフェンスがあって子供が水に入って遊べない状況がある。ヘドロの除去、護岸整備を早く実施して欲しい。環境が変われば、アイデアも出ているし地域住民も本腰を入れると思う。 - (行政委員)
- 予算が付かない中、都から具体的な話が出たのは評価できる。区も都に任せるだけではなく、例えば都が国に予算要望に行くときは一緒に行って地元の窮状を報告したり、河川整備計画等も一緒に出席している。地元自治体としても声を上げているので、理解いただきたい。この地域は学校活用の問題や大森ふるさとの浜辺など色々な問題でホットな場所となっている。それを内川にも広げて取り組み、行政もサポートしたい。
- (座長)
- 12月半ばに6つの自治会の共催により、親と子供約700人が集まり昔の餅つきを体験するイベントを行った。内川についても、小学校の校長先生から沿川ハイキングの提案が出ている。子供に内川の勉強をしてもらえるよう、学校中心となって内川まつりができれば良いと思う。
5.閉会
事務局から、東京都建設局のホームページの紹介、次回第5回開催は夏から秋口を予定している旨の報告があり、閉会となりました。