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東部低地帯といわれる低地は、沖積層と呼ばれる軟弱な土砂が厚く堆積した地域で、ここには隅田川、荒川、中川などの大きな河川とそれらの支川・派川が縦横に流れています。 元来低地帯であったことに加え、明治期から昭和40年代頃まで産業の発展に伴い地下水の汲み上げが行われ地盤沈下が進行した結果、高潮、洪水、大地震等の自然災害に対する危険性が高い地域となっています。
都はこうした水害から守るために、高潮防御施設の整備、江東内部河川の整備、スーパー堤防等の整備、耐震対策などの各事業を実施しています。整備に際しては、テラスの連続化など人々が集い、にぎわいが生まれる水辺空間の創出に努めています。
河川施設の地震・津波対策
東部低地帯では、大地震による損傷で堤防や水門が浸水を防ぐ機能を失った場合、津波や高潮などによる浸水被害が生じる可能性があります。平成7年1月の阪神淡路大震災や平成23年3月の東日本大震災を踏まえ、堤防や水門などの耐震・耐水対策を進めています。
高潮防御施設の整備
主に隅田川以東に広がる東部低地帯を伊勢湾台風級の高潮から守るため、堤防の整備を進めています。このうち、隅田川等の主要河川については防潮堤等が概成しています。
今後、気候変動による海面上昇や台風の強大化により風水害リスクの高まりが懸念されることから、「気候変動を踏まえた河川施設のあり方」(令和5年12月)を策定し、0.6mの海面上昇と930hPaに強大化した伊勢湾台風級の台風がもたらす高潮の対応を整備目標に掲げ、将来必要となる堤防高等の整理を行いました。
スーパー堤防・緩傾斜型堤防の整備
隅田川等の主要河川については、大地震に対する安全性と水辺環境の向上を図るため、スーパー堤防や緩傾斜型堤防の整備を進めています。整備にあたっては、沿川の再開発事業等のまちづくりと一体的に事業を行うとともに、先行してテラスを整備し、ジョギングや水辺の散策など、広く都民の方に親しまれています。
江東内部河川の整備
荒川と隅田川に囲まれた特に地盤の低い江東三角地帯を大地震による護岸損壊に伴う水害から守るため、江東内部河川のうち、西側の河川では耐震護岸の整備を進め、平常水位を低下させている東側の河川では、河川環境にも配慮した河道整備を進めています。
隅田川を中心とした水辺空間のにぎわい創出
人々が集い、にぎわいが生まれる魅力的な水辺空間を創出するため、隅田川を軸として、橋梁から川沿いへのアクセス向上、橋梁によるテラスの連続化、夜間照明の整備など、東京湾・ベイエリアと都心を結ぶ水辺の動線を強化するとともに、両国などのエリアで重点的な施策を展開しています。
なお、区市町村や民間企業等と連携した水辺空間のオープン化については、「河川空間のオープン化」のページをご覧ください。
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