第4回議事録
- 更新日
第4回 新中川流域連絡会概要
- 1.日時
- 平成17年5月11日(水)
- 2.場所
- 江東治水事務所 1階 A・B会議室
- 3.時間
- 午後2時 ~ 午後4時30分
- 4.出席者
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住民委員
渡井茂、西田征人
団体委員
長門治雄、新村秀男、佐藤正兵
行政委員
竹下(葛飾区)、海老沢(江戸川区)、熊本、岡上(河川部)、大野(五建)、湯本(治水)
事務局
吉岡、上方(以上治水) - 5.次第
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- (1)座長あいさつ
- (2)配布資料の説明
- (3)17年度工事予定箇所について
- (4)新中川について(都民委員の意見発表)
- (5)その他
- (6)閉会
議事録【要旨】
(1)座長あいさつ
流域連絡会開会のあいさつがあった。
(2)配付資料の説明
事務局より手元配布資料の確認と説明があった。
(3)17年度工事箇所について
17年度工事予定箇所(新中川低水護岸整備工事(その39))について事務局より説明があった。
17年度工事予定箇所に関する質疑
- 団体委員:
- 旧中川や荒川のような、なるべく水に近づける構造にはできないか。
- 事務局:
- 洪水河川ということで柵等を無くすのは難しい。ここは橋脚があるため、親水的には馴染まないということで通路的な形を考えた。
- 団体委員:
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奥戸新橋の下が下がるということだが、スリットの深さどのくらいになるか。
また、新金線の西側が今整備されているが、新金線の下がどうなるのか、奥戸新橋の下側も含めてどういう構造になるのか。 - 事務局:
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整備された所は柵の下端がちょうど2.5mなので、橋の下はこれより20cm位下がる形になる。その前後を擦り付ける形になる。
高さが取れるので、一応通常通り人が通れるような形になる。車止めや注意喚起の柵等はしなくてもいいと思う。 - 住民委員:
- こちらはもう設計に入っているのか。
- 事務局:
- 今もう入っている。形はほぼ決めており、工事発注に向けて今作業中である。
- 住民委員:
- 一部に階段を作れば水辺に近づくことができると思う。安全上の問題も絡んでくるだろうが、少し考慮してやられた方が、全体的にも水に親しめるのではないか。
- 事務局:
- これから修正するはかなり難しい。今回の箇所は非常に狭いので、もう少し広い他の所で検討したい。
- 行政委員:
-
前回、事務局が新中川の整備の考え方を示したが、全体の中で、可能なものについては親水的なゾーニングをある程度考えている。
今回の箇所は河川の断面がぎりぎりになので、洪水を流すことを優先している。川幅に余裕のある所では、できるだけ工夫していきたい。 - 団体委員:
- 鋼矢板を打っていないため干潟が出る場所が幾つかある。子供が遊べると同時に生き物にとっても水が出たり入ったりする干潟は、すごく大事な場所だ。整備後、水が引いた時に人が降りられる場所が少しでもあれば川の遊びができるので、そういった工夫はできないか。
- 事務局:
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橋脚の幅が邪魔になっているので、通常の通路と比べると、遊べる空間が少なく、さらに転落防止の柵を含めると非常に幅が狭い。
もう少し広ければよいが、今回は橋の下なので、通路的な発想で考えた。 - 団体委員:
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今、補強工事をやる場合、必ず幅広護岸で下に根固めをした上にコンクリートを塗って、敷物を敷くという護岸にしている。
こういった工事はたくさん残っていると思うが、可能な限り水に親しめるようにしていただきたいというのが全体的な要望である。 - 事務局:
- 自然に親しめるということは確かに必要だ、今後、考慮しながら設計を考えていきたい。
(4)都民委員の意見発表
- 住民委員:
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新中川の現状を見たところ、特に下流には環境に配慮した状況が見え、思ったより現状は良い状態であると思った。しかし、護岸はほとんど垂直護岸なので、もう少し工夫すればいいと思う。
今後の整備には、自然に近づけるよう配慮し、地域の人たちが親しみを感じる河川になることを望む。
具体的には、今井水門付近のように護岸の景観を配慮すれば、もっと河川に親しみを感じてくるのではないかと思う。また、高水敷でいろいろな使い方ができるようにして、そのことを何かの形でPRされたらいいのではないか。
さらに、コンクリートの上を緑化し、NPOや地域の方に草刈りや管理等を協力してもらえれば、そのことがまた、河川に関心を持ってもらうことになる。
他には、地震災害時に川の交通機関として利用できるように整備したり、「風の通り道」を利用して、堤防上などに風力発電を作ったりして、川をうまく利用することで色々な環境問題も解決できるのではないか。そのことによって、一般の人が新中川に違った感覚を受けるようになると思う。
また、川が多いこの地域はヒートアイランド現象が和らげられていると思う。このような、地域に川があることのメリットをPRするべきだ。そして、治水事務所が中心になって川を利用した環境保全のための学校などを作って、河川が自然観察の場になれば河川に親しみがわくと思う。 - 住民委員:
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河川の構造に関して、今は高水敷を広くとる考え方で統一されているということだが、水際と接する所を多く作ることは、様々な生物にとっても重要なので、工夫をしていただきたい。
新中川にもいくつか整備してあるが、そういった工夫は小規模で適切でないとかえって環境が悪くなる。大きな規模でそっくり作ってやることが大事だと思う。例えば、一定の規模で高水敷に法を付けて、水の出入りができるように一段低い面を作ってやれば、河川の干満に併せて、水位の変化が現れてくる。
また、カニやエビ、小魚などの生き物がいる場所は、整備が進み少なくなっているが、子供たちが集まり、遊び場になっていて、ニーズが高い。こういった思い出は大人になっても生きていくので、自然とふれ合える場所が身近に必要ではないか。
それから、暫定整備においてヨシを伐根しないで工事をしているので、高水敷が広くてもヨシが生えてきて長靴が切れたりする。草刈のとき、伐根をしておかないと利用が劣る。
また、せっかく整備してあるのに、ホームレスが橋の下にいるために利用できないという問題もあるので、強力的に対応にしてもらいたい。
他には、新中川のフェスティバルなどもあるので、今後ソフト面でもバックアップしていくことが必要だ。 - 団体委員:
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現状の新中川について、河川敷と堤防等を利用して散策やジョギングの可能な道が作られているが、車道を横断しなければ通れない所が数カ所ある。
それから堤防と水面がつながる所が少ない。
整備に対する要望として、新中川の道を一部人道橋を利用してでも往復15キロを早急に繋いで頂きたい。また、ボートに関して、奥戸の三和橋辺りに自動車交通に全く支障のない艇庫をつくれるような場所や八剣橋下の岸壁にボートの上げ下ろしに適した所があるので、是非参考にして頂きたい。
ちょっと飛躍しすぎかもしれないが、小型船で埼玉県八潮、三郷、吉川から新中川を通って平井、浦安方面まで運行するようにすれば効果があると思う。さらに、葛西公園を経由して荒川河口から中川、七曲がりを通って回遊、運行すれば一層利用価値がある。 - 団体委員:
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新中川そのものが治水上の問題で直線的な川になってできたというのは認識しているが、上流の水門等が整備されたので、現在治水上の問題はなくなったと思う。河川敷を有効に利用するために高水敷の整備がなされてきたのであれば、地域の方々に広く開放できるような形にして頂きたい。三和橋が完成したら、三和橋から高水敷にそのまま下りて、地域全体で使えるような公園とか、グラウンド等々にして頂きたいというのが地域の声である。
葛飾区側は江戸川区よりも整備が遅れているので、水が出入りできる地域を、場所ごと地区ごとに色々な形のものを作って頂きたいと思う。水の出入りが出来て干潟になれば、自然が再生されて、カニやエビなどが出てくる。それと共に子供たちも川の中に入って遊ぶことができる。
江戸川区では包括占用制度を利用して、いろいろ対応されている。葛飾区でも今回9丁目の整備がされるので、包括占用制度を利用して、子供会など地域でしっかり管理運営したいと思う。
それから河川敷が橋で寸断されているので、橋の上の車道を渡らずに、全て橋の下を通れる形に整備して頂くことが強い要望である。そうすれば、ホームレスもいなくなる。
新中川は人が作った素晴らしい川なので、橋からの景観にも配慮して、水辺で子供たちが遊べるような構造にして頂ければよい。 - 団体委員:
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(スライドを使って説明)
新中川は現在、ほとんどが鋼矢板の垂直護岸に整備され、自然がなくなっている。残された数少ない干潟には、汽水域の魚やカニ、昆虫など多種多様な生物が生息し、そこは子供たちのかけがえのない遊び場になっている。
また、干潟は新中川フェスタや学校の野外学習などでも活用されている。新中川に近い南小岩小学校や鹿骨小学校では環境学習の一環として川遊びの他にゴミ拾い、水質調査などを行い、文化祭などで発表している。
今後は子供たちが安全に自然を体験できる水辺を見つけ、それを増やす努力が必要である。新中川については、垂直護岸を自然な形に戻すことが求められる。
川を本来の自然の姿に戻すためには、市民、行政、自治体等が協力し、力を合わせることが必要だと思う。
(5)その他
- 行政委員:
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東京都で秋に向けて中川・綾瀬川圏域整備計画を取りまとめているが、江戸川区としても、皆さんのご意見を具体的に新中川の利用促進に結びつけていきたいということで今、新中川河川利用促進計画というものを進めている。
今後、流域連絡会の皆さんのご意見、或いは他の方々からのご意見を集約して新中川の具体的な利用促進に向けての作業を進めていきたいと思うので今後ともご協力をお願いする。 - 行政委員:
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江戸川区で利用促進計画の話があったが、東京都の河川整備計画を紹介したい。今おられる委員の方々やホームページ等で頂いた意見を、学識経験者の方々の意見も含めて、今集約している。その後、整備計画の修正を図り、関係者間で調整し、江戸川区、葛飾区を含めて意見の照会をして、秋に国に申請する予定である。
江戸川区の河川利用促進計画は既にこちらと意見の調整を図っているので、作業を進めていかれても構わない。
次回の第5回新中川流域連絡会の開催のご案内
1)日時 平成17年8月3日(水) 午後2時~4時30分
2)場所 東京都江東治水事務所(東京都第五建設事務所 合同庁舎)1階 A・B会議室
3)議題 都民委員の意見発表に対する行政側の見解説明
(6)閉会
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