第9回議事録要旨
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開催日時: 平成20年2月21日(木)
開催場所: 綾瀬川・芝川等浄化導水施設
連絡会内容: 浄化導水施設の視察
当日の工程
12:40 : 竹ノ塚東口集合 浄化導水施設に向けて出発
13:30 : 浄化導水施設にて説明を受け視察
15:00 : 放流口視察
15:30 : 現場を出発
16:10 : 竹ノ塚東口解散
1. 往路のバスの中で(事務局)
- 当日の行程及び浄化導水施設の概要説明
- 車中、浄化導水施設の解説ビデオと荒川放水についてのビデオを鑑賞
2. 座長の挨拶
皆さん、本日もお忙しい中、流域連絡会に参加いただきまして誠にありがとうございます。
今日は、浄化導水施設の見学ということで、国土交通省荒川下流河川事務所のご協力をいただきまして、施設のほうを見学していただきます。
川をきれいにするには、下水道整備が1番といわれています。下水道整備を行うことで確かに川はきれいになるのですが、一方で生活水として河川水がどんどん使われ、河川に放流されないため、平常水がだんだん少なくなり、相対的に水質が悪くなってしまうということがあります。
これに対する対策として、浄化導水という比較的水量の大きい河川から、きれいな水を人為的に小さい川の上流のほうに持っていき、放流することで浄化を図るといったような事が行われています。
今日見ていただく施設は埼玉高速鉄道のシールドトンネルの線路下のデットスペースを利用し、そこに荒川からポンプアップした水を流す導水管を通して、上流の方から毛長川等に水を流すことにより河川の水質を良くする、と言うような施設でございます。
日本では比較的新しい試みだと思うので、是非ご見学いただいて、今後、毛長川の河川をどうしていこうかと、ということで色々考えていただきたいと思いまして企画いたしました。
本日は事故の無いように、なにか不都合なことがございましたら事務局の方へおっしゃってください。
それでは、半日ですがよろしくお願いします。
3. 現場説明(浄化導水施設)
説明概要
- 荒川の取水口から水を取り込み、導水機場のポンプより埼玉高速鉄道川口元郷駅~浦和美園駅~国道463号線と経て綾瀬川と芝川に導水している。
- 導水量は毎秒約3トン。タンクローリー車にして一日に約二万台分。
- 川口元郷~浦和美園駅の約12キロ区間が埼玉高速鉄道との共同区間となり、地下鉄のトンネルを敷設する際に線路下のデットスペースに敷設された。
- 共同で行うことでコスト縮減や工期短縮、騒音、振動の低減がなされ、土木学会賞を受賞した。
- 導水機場には除塵機などのゴミを取る施設があり毎秒1.5トンのポンプ2台で毎秒3トンの水を導水している。
- 導水の分配は綾瀬川毎秒1.17トン、芝川毎秒1.11トン、伝右川毎秒0.6トン、毛長川毎秒0.12トン。
- 綾瀬川は国土交通省直轄162河川の中でもワースト1とされるほど水質が悪く、高度経済成長期の昭和40代に最悪の数値を示しているが、その後清流ルネッサンスの前身である河川懇談会が設立され、そのころから徐々に回復してきている。しかし、基準値をクリアしておらず、更なる水質の改善が望まれる。
- 導水を行うことで、綾瀬川、芝川の水量を確保し、それに伴う希釈効果により水質改善を手助けする。
- ルネッサンスの目標値、BOD5mg/lに対して現状5.2mg/lとなっているところを、導水で水量を増やすことでBODを約4mg/l程度まで低減できると予想される。
- 水質調査の結果より、導水量と水質改善効果を見極め、取水のパターンを決める作業を行っており、平成20年度中に決定する。
施設の状況
4. 現場見学状況写真
主な質問・感想事項
委員:この施設の完成はいつですか?
職員:平成15年ごろに一度仮完成しているのですが、故障等もあり、正式には平成17年になります。
委員:浄化導水施設というのは日本でここだけですか?
職員:日本で初めてはこの綾瀬川になります。もう一つは菖蒲川、笹目川にここよりも規模が小さいものがあります。
委員:ランニングコストは年間どれくらいなのでしょうか?
職員:電気代だけで一億、人件費などでも約一億かかっています。もう少し導水量を減らしてランニングコストを下げることを今、検討しているところです。