神田川上流懇談会議事録 第4回(通算15回)
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開催日時 平成20年7月1日(木)13:00~16:00
開催場所 善福寺川取水施設会議室
平成20年7月1日(木)の午後1時より、善福寺川取水施設において第4回神田川上流懇談会を開催し、情報提供と意見交換等が行われました。 当日は、「平成20年度の神田川水系の河川事業」、「神田川に係る各区市と都の事業計画等について」、「その他(済美公園の整備について)、(降雨時の下水道の水質について)」などについて情報提供し、その後、質疑応答及び意見交換を行いました。
- はじめに行政委員の変更にともない、委員の紹介がありました。新宿区はみどり土木部道路課という名称に変わり、田中課長が新しく行政委員となりました。また、豊島区では道路整備課が当懇談会の担当課となり、西澤委員が新しく行政委員となりました。
- 続いて、「平成二〇年度の神田川水系の河川事業」について事務局から説明がありました。
神田川等の主な河川事業は、通常事業、環状七号線地下調節池事業及び河川激甚災害対策特別緊急事業の三種類の事業を行っており、今年度は合計12箇所を予定しています。(図-1)。
都民委員からのご質問やご意見及び行政委員の説明などを紹介します。
中野新橋あたりのところは沿川を歩けませんが、今回の工事で管理用通路を整備できるのですか。
今回の工事で両岸それぞれ3mの管理用通路を整備する予定です。
通常事業と激特事業はどのような違いがあるのでしょうか。
通常事業は各年度、国の補助での整備であり、いつまでにという期限はありません。一方激特事業は平成二十一年度までに整備を完了させなければなりません。
神田川の水質について、このままでよいのか、治水対策が優先なのか、どのように行政が考えているか聞きたい。
神田川の流域では雨水と汚水を合わせて流す合流式下水道です。この下水道では大雨時に汚水が計画量の3倍になると雨水で薄められて河川に出てきます。この件については今後のテーマとして情報提供してまいります。
水質に関してですが、濁水がひどくなっており、それは激特工事が原因になっているのですか。
水質への配慮は当然しておりますが、河道が狭い範囲の中でやりますので、どうしても一部が濁水となってしまいます。ただし、コンクリートなどの材料が混ざったような濁水ではありません。
三鷹市は見事な洪水ハザードマップを各戸配布しましたが、通常一般にこれをどう読むかよくわからないと思います。是非、その利用の仕方について広報活動的なことをやっていただくと、よいと思います。
続いて、神田川等に係る各区市のほうから事業計画の説明がありました。
- 武蔵野市からは、下水管の合流改善、浸透施設の設置、雨水貯留施設の設置等の説明がありました。
- 三鷹市からは、全市的に合流改善の取り組み、貯留浸透施設の設置、雨水浸透ますの設置の説明がありました。
- 杉並区からは、河川激特事業が善福寺で進められていること、都と連携して浸水対策を実施している説明がありました。また、災害に強い建物づくりの支援ということで、高床式の建物に対する助成、あるいは防水に対する設置助成を始めています。
- 中野区からは、区独自での川沿いの整備事業はしておりませんが、管理用通路のデザイン照明の設置工事について説明がありました。
- 豊島区からは、管理用通路の管理と、神田川の警報装置が昭和50年代、護岸拡幅整備のときに設置されているため、その取替工事について説明がありました。また、管理用通路に大型バイクが違法駐車をしていましたので、その対応について説明がありました。
- 新宿区からは、浸水対策としてホームページに水位、雨量情報を、携帯サイトに区民の方へ情報公開をしていること、職員の呼び出しだしの体制等について説明がありました。また、「アユが喜ぶ川づくり」、「水辺とまちの散歩道整備」の説明がありました。
- 文京区からは、地元小学校での花壇の緑化等の説明がありました。
以上について、都民委員からのご質問やご意見及び行政委員の説明などを紹介します。
遊歩道が整備されてきて散歩をする方もたくさんいます。ただ、主要な道路のところで、信号がかなり離れたところで、信号無視をして渡る方がいます、危険なので対策はないのでしょうか。
信号自体は、交通管理者ということで、警察になります。そういう箇所については信号に従って頂く以外、手立てがないと思います。また、遊歩道を所管している自治体としては、こういった声をうけて、警視庁や都道であれば東京都、区道であれば区の担当に伝えることはやっておりますが、必ずしも叶うといったことは難しいのが事実です。
武蔵野市や三鷹市は、浸水対策の一つとして貯留浸透ますを進めているとのことですが、区部のほうでもそのような取り組みは行っているのでしょうか。
都だけではなく、区も含めて全国的にやっています。例えば神田川は600立方メートルを浸透、貯留する目標があり、それに従って指導をしていきます。その他に個別の住宅は、例えば建てかえるときに、一部助成を活用して、浸透ますを設置していただいています。これにより、下水道への負担もかなり違っています。
鋼管杭で護岸工事をして、仕上げをこれからやるという話ですが、護岸自体を浸透式護岸にするという計画はありますか。
護岸で浸透させるということは、護岸への影響を考えると、基本的に無理だと思います。土の所に鋼管を打つと、地下水を遮断するんじゃないかということがありますが、鋼管杭と杭の間は空間があり、そこに土が崩れるのを防ぐために鉄を入れ、そこに空隙を設けた水抜き穴で対応しています。
神田川沿いの桜の木について、苦情もあると思うのですが、反り上げるような剪定の仕方をやっています。桜の木としては本来の姿じゃないので、もうちょっと剪定の仕方に気を遣ってほしいなということを常々思っています。
続いて、「済美公園の整備」について事務局から説明がありました。
済美公園から川に近づけるような整備を話し合うために開催されたワークショップの結果が報告されました。
以上について、都民委員からのご質問やご意見及び行政委員の説明などを紹介します。
洪水後の清掃とそれまでの時間はどのくらいかかりますか。
たとえば水位があがると、その都度清掃を入れる必要がありますので、体制はこれから検討します。なるべく早く洪水後の掃除を入れるようにする予定です。
ワンドが入り組んだところに汚物が沈澱して、雨があると必ず汚物が沈澱します。そういうところをどう片付けるかが心配になります。
ワークショップの中でも、とりわけ清掃、水が上がった後の清掃が焦点となりました。杉並区だけに任せるのではなくて、地元としても考えていく必要があるので、河川管理者、区を含めながら意見を頂きたいと考えています。最初は杉並区にお願いせざるを得ませんが、少しずつ地元を入れて、最後には地元主体でやっていければ一番良いかなと思っています。
- 最後に、降雨時の下水道の水質について、水質データを測定しただけで評価することは困難ですので、何らかの形で一定の整備が評価できるような形が見えてきましたら、公表も考えていきたいと説明がありました。
- 第5回の懇談会は10月から11月ごろを予定しています。