渋谷川・古川流域
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渋谷川・古川流域の概要
渋谷川・古川はJR渋谷駅前の新渋谷橋を上流端とし、渋谷区、港区内を流下してJR浜松町付近で東京湾に注ぐ二級河川です。流域面積は22.8km2、総延長は6.8kmであり、渋谷区と港区の区界である天現寺橋を境に、上流2.4kmが渋谷川、下流4.4kmが古川と呼ばれています。
沿川は、都市化の影響を受けて、ビルや家屋が川岸まで密集しています。また、古川においては、ほとんどの区間が首都高速道路により河川上空を覆われています。
沿川は、都市化の影響を受けて、ビルや家屋が川岸まで密集しています。また、古川においては、ほとんどの区間が首都高速道路により河川上空を覆われています。
渋谷川
過去の水害
渋谷川・古川流域は、台風や大雨によって過去幾度か水害に見舞われてきています。
とくに、古川橋付近では溢水による被害発生が多くなっています。
渋谷川・古川流域における主な被害
・昭和33年 9 月 狩野川台風
・平成11年 8 月 集中豪雨
・平成16年10月 台風22号
過去の水害に関する詳細は以下をご参照ください。
○過去の水害記録~浸水実績図~
とくに、古川橋付近では溢水による被害発生が多くなっています。
渋谷川・古川流域における主な被害
・昭和33年 9 月 狩野川台風
・平成11年 8 月 集中豪雨
・平成16年10月 台風22号
過去の水害に関する詳細は以下をご参照ください。
○過去の水害記録~浸水実績図~
台風22号による麻布十番駅の浸水状況(平成16年10月9日)
渋谷川・古川の主な水害
年月日 | 原因 | 浸水面積 | 被害棟数 | 雨量 観測所 |
日雨量又は 総雨量 |
時間最大 雨量 |
|
床下 | 床上 | ||||||
昭和33年9月 | 狩野川台風 | (21,103ha) | (464,030) | 東京 | 444mm | 76mm | |
昭和53年4月6日 | 集中豪雨 | 0.3ha | 15 | 0 | 港南 | 46mm | 26mm |
昭和54年3月24日 | 集中豪雨 | 0.2ha | 10 | 0 | 港南 | 56mm | 19mm |
昭和57年9月12日 | 台風18号 | 4.6ha | 321 | 16 | 上目黒 | 161mm | 50mm |
昭和57年11月30日 | 集中豪雨 | 12.0ha | 371 | 6 | 新宿 | 82mm | 50mm |
昭和62年7月25日 | 集中豪雨 | 1.9ha | 70 | 5 | 新宿 | 64mm | 60mm |
平成元年8月1日 | 集中豪雨 | 0.7ha | 66 | 2 | 上目黒 | 191mm | 62mm |
平成5年8月27日 | 台風11号 | 2.5ha | 11 | 0 | 高浜 | 297mm | 47mm |
平成9年8月23日 | 集中豪雨 | 0.3ha | 5 | 11 | 渋谷 | 84mm | 52mm |
平成11年8月29日 | 集中豪雨 | 15.6ha | 334 | 293 | 高浜 | 125mm | 115mm |
平成12年7月3日 | 集中豪雨 | 1.1ha | 35 | 10 | 高浜 | 44mm | 43mm |
平成12年7月4日 | 集中豪雨 | 1.9ha | 161 | 60 | 中央 | 88mm | 84mm |
平成16年10月9日 | 台風22号 | 0.6ha | 20 | 15 | 中央 | 279mm | 70mm |
平成16年10月20日 | 台風23号 | 0.6ha | 32 | 14 | 中央 | 201mm | 31mm |
平成17年5月23日 | 集中豪雨 | 0.5ha | 12 | 1 | 中央 | 52mm | 52mm |
平成17年9月11日 | 集中豪雨 | 0.4ha | 16 | 15 | 上目黒 | 86mm | 58mm |
平成22年9月8日 | 台風9号 | 0.2ha | 3 | 17 | 三田 | 106mm | 74mm |
平成25年10月15日 | 台風26号 | 0.1ha | 0 | 11 | 三田 | 213mm | 38mm |
平成26年6月29日 | 集中豪雨 | 1.6ha | 25 | 73 | 駒場 | 67mm | 50mm |
整備目標・内容
渋谷川・古川流域は、様々な都市機能が集積する首都東京を支える基盤として、洪水や高潮などによる災害から都民の生命や財産などを守る大きな役割を担っています。
洪水対策
渋谷川・古川流域では、年超過確率1/20規模(1時間あたり75mm)の降雨に対応することを目標としています。
洪水対策としては主に(1)護岸整備、(2)河床掘削、(3)調節池の整備を行い、下図に示す各河川の計画流量の確保を目指します。
洪水対策としては主に(1)護岸整備、(2)河床掘削、(3)調節池の整備を行い、下図に示す各河川の計画流量の確保を目指します。
流量配分図
護岸整備・河床掘削
渋谷川・古川では、1時間あたり50mmの降雨により生じる洪水を安全に流すため、護岸整備(橋梁の架け替えを含む)及び河床掘削を行っています。また、可能な箇所では管理用通路の整備を行います。なお、渋谷川では、護岸整備・河床掘削ともに完了しています。
なお、古川の護岸整備に当たっては、可能な限り現況位置での整備を行うこととしていますが、沿川はビルや家屋が川岸まで密集しているほか、河川上空が首都高速道路により覆われていることから、施工が困難な箇所では護岸を前出しして整備を行っています。
なお、古川の護岸整備に当たっては、可能な限り現況位置での整備を行うこととしていますが、沿川はビルや家屋が川岸まで密集しているほか、河川上空が首都高速道路により覆われていることから、施工が困難な箇所では護岸を前出しして整備を行っています。
護岸整備による標準断面図
護岸整備事例
調節池の整備
渋谷川・古川流域では、年超過確率1/20(1時間あたり75mm)規模の降雨により生じる降雨に対処するため、河道を補完する調節池の整備を行っています。、
古川では、首都高の橋脚やマンションの隣接などにより、河道拡幅による整備が困難であることから、容量約135,000m3にも及ぶ大規模な調節池を平成29年度に完成させています。現在は、新並木橋~渋谷橋付近において、容量約220,000m3の新たな調節池の整備を計画しています。
古川では、首都高の橋脚やマンションの隣接などにより、河道拡幅による整備が困難であることから、容量約135,000m3にも及ぶ大規模な調節池を平成29年度に完成させています。現在は、新並木橋~渋谷橋付近において、容量約220,000m3の新たな調節池の整備を計画しています。
古川地下調節池(平成29年度完成)
取水口(養老橋下流右岸)
高潮対策
高潮による災害発生の防止又は軽減に対しては、昭和34年に国内で最大の高潮被害をもたらした伊勢湾台風と同規模の台風が東京湾に最も被害をもたらすコースで進んだ時に発生する高潮(A.P.+4.6m)に対して、安全であることを目標に防潮堤の整備や河床掘削を実施しています。
古川では、河口から赤羽橋間が高潮事業区間となっており、現在一部区間を除き防潮堤が完成しています。
古川では、河口から赤羽橋間が高潮事業区間となっており、現在一部区間を除き防潮堤が完成しています。
整備状況
渋谷川・古川流域では、現在以下の箇所で事業を行っています。
渋谷川・古川河川整備状況図
護岸工事写真(五の橋付近)
調節池工事写真(古川地下調節池)
河川の安全度達成率・護岸整備率
渋谷川及び古川では、護岸整備や調節池整備を着実に推進し、令和3年度末時点の「河川の安全度達成率」及び「護岸整備率」はそれぞれ以下の通りとなっています。
※1 河川の目標整備水準に対応する対策(調節池や護岸整備、河床掘削など)の達成度を表す指標
※2 護岸整備が必要な延長に対する整備済み延長の割合
渋谷川 | 古川 | |
河川の安全度達成率※1 | 79% | 68% |
護岸整備率※2 | 100% | 29% |
※2 護岸整備が必要な延長に対する整備済み延長の割合
河川整備基本方針・河川整備計画
お問い合わせ
東京都 建設局 河川部 計画課 中小河川担当
電話:03-5320-5414
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記事ID:017-001-20240710-001804