神田川上流懇談会議事録 第5回(通算36回)

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開催日時  平成28年7月13日(水)10:00~11:30
開催場所  善福寺川取水施設会議室


 平成28年7月13日(水)午前10時より、善福寺川取水施設において第5期5回目の神田川上流懇談会が開催されました。当日は、行政委員の異動に伴う変更、神田川上流懇談会ニュース(第35号)の確認依頼、平成28年度の事業予定及び神田川現場見学会の報告があり、都民委員と行政委員による活発な意見交換が行われました。
 

■開会に先だち、高橋座長の異動に伴い新たに座長に就任した宮崎座長の挨拶があり、議事が進行しました。

■「平成28年度の事業予定」について、事務局より以下の説明がありました。

・神田川中流域の柳橋周辺で護岸と左右岸に3メートルの管理用通路を整備します。併せて柳橋の架け替えを行う予定です。また宮前橋の上流の護岸を整備します。
・善福寺川は、済美橋上流の護岸整備を川の景観が変わらないように、石積みの化粧パネルを使って施工していく予定です。その宮下橋の上流では、来年度まで整備を続け、上流に向かって今後も、工事を進めていく予定です。一部、川に階段等を設けて降りられるような整備をしていきます。
・善福寺川調節池工事は、平成24年から工事に着手しており、今年度、調節池の越流堤が完成し、取水が可能となったので、平成28年8月末の取水開始を予定しております。引き続き維持管理を行うための換気設備工事を来年度5月末終了に向けて実施していく予定です。
・妙正寺川は鷺宮調節池が完成し、その上流にむけて整備を進めているところで下鷺橋、丸山橋を架け替え、護岸を仕上げていきます。
 

■「広域調節池」について、事務局より以下の説明がありました。

・広域調節池は、神田川・環状七号線地下調節池と白子川調節池をトンネルで連結する事業で工事はシールドマシンで環状七号線地下調節池と同じような方法で進めていく計画です。延長が約5.4キロ程度と長く、維持管理上トンネルの両端側からしかアクセスできないのは不利になるため、中間立坑を新たに建設し、維持管理用車両が昇降して、トンネル内にアクセスできるようにします。トンネル5.4キロと中間立坑の工事を合わせて一つの工事とし、今年度末に工事に着手する予定になっています。
 

■続いて、「神田川の今後の整備」について、河川部より以下の説明がありました。

・神田川の河川整備計画は3月に変更になり、整備水準を時間最大75ミリに引き上げました。河道は引き続き50ミリ対応で整備し、今後は調節池や透水性舗装、浸透ます等の流域対策を含めて75ミリを目指していきたいと考えています。28年度の取組は、広域地下調節池も併せ、下高井戸公園付近、善福寺川では和田堀公園付近で調節池を計画しており、機材を搬入するための搬入路の整備といった準備工事を着手する予定です。
 

■次に、「神田川現場見学会」について、事務局より以下の説明がありました。

・神田川の現場見学会は、十月二十一日の午前中の実施を考えています。飯田橋駅北側の飯田橋パークタワー附近の広場に集合して、付近の陸閘を見て上流に向かって歩きながら江戸川橋分水路、新江戸川公園付近を通り関口芭蕉庵で休憩をとります。休憩後、また、上流に向かって歩き、高戸橋周辺の魚道や高田馬場分水路の吐口を見ます。最後に高田馬場駅北側の神田川親水テラスを見て、新宿区立戸塚地域センター一階で神田川の魚の展示水槽や三階の神田川ふれあいコーナーを見て、解散したいと思っています。

■都民委員からのご質問やご意見及び行政委員の説明などを紹介します。(順不同)

[1]平成28年度の事業予定、広域調節池、神田川の今後の整備について
神田川の整備計画で時間当たり75ミリ対応を目指すということですが、全域に対してでしょうか。また、75ミリ対応を全域で考えたときに整備率は何パーセントくらいでしょうか。

 神田川流域全体で75ミリを目指すことで、局地的で短時間の豪雨であれば、100ミリ規模の豪雨にも対応可能と考えています。75ミリのうち50ミリは河道で対応することとし、整備率は都内全域で7~8割程度となっています。75ミリ対応はこれからという状況です。
 

湧水がどのくらい出ているのか、工事ではどのように対応して川に戻しているかなどを広くアピールする仕組みを検討してほしい。

 現場でも湧水調査をしていますので、対応したいと思います。
 

護岸工事は50ミリ対応をしているとのことですが、津波に対してはどうか。

 神田川下流の護岸高の状況は、高潮の高さになっており、想定する津波の高さよりも高い護岸整備をしていますので安全だと思います。
 

降雨を単に50ミリという表現だけではなく、単位面積に単位時間当たりの降水量を掛けた、降水量で表現すると、もっと分かりやすいと思いますが。

 河川整備計画の中では河川の計画流量を載せてあり何橋から何橋までは、流量何トンというのが出ています。
 

調節池の寿命となかよし広場の調節池の1年間の維持費用を教えてほしい。また、両脇に家が迫っていますが、この護岸の耐震度はどれくらいですか。

 コンクリート構造物の寿命は、一般的に50年と言われますが、調節池は定期的に補修をして、100年以上を目標に考えています。維持費用は、具体的には積み上げていませんが、取水時の清掃費、ポンプの動作費用等になります。また神田川の護岸についてはレベル1の耐震基準(関東大震災程度の規模)で整備しています。
 

75ミリ対応で公園内に調節池を作るというプランがありますが、緑地の保全はどうするのですか?

 一つは、善福寺川調節池のように地下に作って上部に緑を確保する方法。もう一つは、池の底部に緑地を作って普段は緑地の公園として利用し、雨が降ったときだけ水が入るという構造を考えています。
 

75ミリ対応として、透水性舗装を挙げていますが、透水性にする基準は、東京都ではまだないのですか?

 都は、基本的に歩道部分が全て透水性舗装されています。車道は、排水性舗装を使うことがメインになります。 豊島区でも交通量の違いで、車道でも透水性舗装を使っている場所もあります。路床の下が崩れてしまうので、水が出やすい地域では使わないようにしています。
 

神田川広域調節池ですが、目黒川のほうまで延長することはないのですか。

 過去に東京湾までという構想もありましたが、現時点で東京湾までつなぐ構想はありません。
 

透水舗装性の効果はどれくらいか?

 一般の道路の舗装と同様に10年くらいの耐久性があり、目詰まりについては、清掃しながら維持をしていきます。
 

河川の中の生態系に対して配慮されているか聞きたい。また、最近千川から砂が流れてきていて、善福寺川の上流の部分が浅くなってきていると思えますが。

 生態系への配慮として近年の施工は出来る限り土の川底を残すように整備しています。また、善福寺川の上流について最新のデータを見る限り、逆に下がる傾向にあると思えます。引き続き調査を行っていきます。
 

75ミリ対応について民間に協力を求めていかないのですか?

 民間の協力は二つ方法があると思います。一つは75ミリのうち10ミリ分相当を民間の貯留、浸透で対策を進めること。もう一つは、調整池などを民間の土地に作ることなどです。
 

[2]神田川現場見学会について
集合場所は、駅から徒歩何分くらいかかりますか。

 駅から6、7分です。また、三建の公有車を1台、並走して、足が痛くなったり気分が悪くなった方がいれば、車に乗って拠点で合流することも考えています。
 

 

距離があるのでルートの途中から参加することや途中で解散することも考えておいたほうがいいと思う。

 そのように考えます。

懇談会の様子
現地見学会の様子
■都民委員・行政委員から以下の報告がありました。(順不同)
・河川部から河川整備計画について、説明がありました。
・加藤委員から中野区の地域ニュースで、桃園川緑道のことを記事にしたと報告がありました。
・神田川ネットワークの前田委員から井の頭池で湧水調査の報告がありました。
・みどりの善福寺川を愛でる会の重久委員から、次回の懇談会後に同じ場所で、雨水社会の問題について勉強会を行うとの案内がありました。

■次回は、平成2811月に開催を予定しています。

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