神田川上流懇談会議事録 第3回(通算34回)

更新日

開催日時 平成27年11月11日(水)10:00~11:30
開催場所 善福寺川取水施設会議室

 平成27年11月11日(水)の午後2時より、第5期3回目の神田川上流懇談会が開催され、現地視察および意見交換等が行われました。
 今回は、オリーブ橋[1]から鷺宮調節池[2]まで歩いて現地視察を行いました。まず、オリーブ橋右岸上流で工事の説明を受け、その後、完成した鷺宮調節池の内部と調節池上部の防災公園を視察しました。視察後、鷺宮区民活動センター分室で、第3回神田川上流懇談会を開催し、情報提供と意見交換等が行われました。

■各箇所における現地視察の説明要旨は以下の通りです。

[1]妙正寺川整備工事(その201-2)

 下鷺橋からオリーブ橋まで両岸の護岸整備です。整備内容は土留矢板と工事用の桟橋を河川の上に設置して、その中でコンクリート護岸の整備を行います。これによって50㎥/sから75㎥/sに流量断面を拡大します。
 現在は桟橋を設置する工事を行っており、期間は平成27年6月から平成28年12月までの予定です。

[2]鷺宮調節池

 鷺宮調節池は、平成十七年九月の水害を契機に、妙正寺川上流域の浸水被害を早期に軽減するため、都営鷺宮アパートの建て替えに伴い、妙正寺川沿いに創出した約一ヘクタールの用地を活用し、貯留量約三万五千立米の調節池を整備したもので平成二十五年四月から取水を開始しています。
 調節池上部には、都と区の協定工事により、人工地盤が構築され、中野区によって防災機能を持った公園として整備されています。
 

■視察後に鷺宮区民活動センター分室で開催された第3回神田川上流懇談会で情報提供された内容は以下の通りです。

[1]新たな調節池の整備について

 東京都は、平成17年の豪雨とその後の近年の降雨状況、中小河川を取り巻く現状を踏まえ、区部の河川では、1時間当たり75ミリの降雨に対応する方針を平成24年の11月にまとめ、時間50ミリの降雨については、これまで進めてきた河道で対応し、50ミリを超える部分については、新たに調節池を建設し、対応していくこととしております。
 そこで「早期に治水安全度の向上を図る」効果的な対策として、複数の地下調節池をトンネルで連結し、調節池機能の流域間相互融通を図ることで局地的集中豪雨に対して効果を発揮していこうと考えています。
 諸元については、神田川・環状七号線地下調節池がすでに整備済みで貯留量が約54万トン、白子川地下調節池は、貯留量が約21万トンとなっており、それらをトンネルで連結することで、新たに約68万トンが確保でき、合計で約143万トンという、大きな貯留量を確保することができます。
 

[2]神田川現場見学会(案)について

 今回提案させていただく案は、マイクロバスによる移動とし、所要時間は二時間程度を考えています。また、見学箇所は、懇談会の対象範囲のうち、整備済の下流域で神田川の特徴が現れている箇所を選定しました。

■都民委員からのご質問やご意見及び行政委員の説明などを紹介します。(順不同)

[1]新たな調節池の整備について

この三つのトンネルが完成すると、第三建設事務所と第四建設事務所の管内にまたがるが、どちらかで集中的に管理するようになるんですか。

 将来の管理のところまでは検討していませんが、どちらかで集中管理したほうがいいだろうという考えはあります

 

環七地下の調節池のトンネルの下限と東京湾の水位では、どちらが高いでしょうか。

 トンネル自体の一番低い所は、神田川の取水施設の少し先の所ですが、ここの高さのAPは、マイナスになっているので、海面より低いところにトンネルがあるということになります

 

調節池の計画を聞いてしまうと、そこだけしか見えなくなって、治水の全体像が見えてこない。雨水の涵養や土地利用の方向性を含めた治水のあり方を知りたい。

 東京都では総合治水という名の下でいろんな連携をしながらやっておりますので、そういう情報を提供させていただくことを考えていきたいと思います。


[2]神田川現場見学会(案)について

懇談会をする日程というのも決まっていて、その時間を現場見学会に使うのは、時間がもったいないので、通常の予定以外のところで組んでいただきたいと思います。

私は、自分の近くの神田川だけしか目に触れていないので、現場見学会があれば整備がこんなに進んだのかというのが分かるようになる。

普段、個人では見られないような所を見学対象として計画してほしいと思います。

 何かご意見等があれば今月中ぐらいまでにお願いします。意見の中で可能なものは(案)に反映し、また提案したいと思います。


夕やけ橋から下の100メートルまでの区間においては、草刈りは行わないでほしい。ほかの区間に関しては通常の草刈りで、また調整させていただければと思う。

 その区間については、状況を見ながら相談させていただければと思います。その他の区間については、生育状況を見ながら今後実施するかどうかを判断していただければと思います

 

現場見学会案内の地図で江戸川橋と船河原橋の間に陸閘というのがあるんですけど、これは何ですか。

 護岸より橋の高さが低いと水位が上がった時に、橋から水が流れてしまう。これを防ぐために護岸と同じ高さになるように、橋の両側を蓋をする施設です。今でも神田川の下流部は、潮の満ち引きの影響もあり、水位が上がりやすい場合があります。このため新宿区では台風等で水位上昇してきたときに、いつでも閉められる準備をします

懇談会の様子
現地見学会の様子

■都民委員・行政委員からの報告
都立善福寺公園のほたる水路についてのワークショップが始まり今年度、4回ワークショップを行い基本計画をまとめて、平成28年度に設計、平成29年度に工事を行う計画という報告がありました。
また、団体委員で参加している「神田川ネットワーク」の藤原委員から市橋委員への変更の報告があり、承認されました。
■次回は、平成28年3月に開催を予定しています。

記事ID:017-001-20240710-002038