神田川上流懇談会議事録 第1回(通算19回)
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開催日時 平成22年2月18日(木)14:00~16:00
開催場所 善福寺川取水施設会議室
平成22年2月18日(木)の午後2時より、善福寺川取水施設において第三期の神田川上流懇談会が初めて開催されました。
神田川上流懇談会は、公募により選出された都民委員と都区市の行政委員からなり、神田川(江戸川橋から上流)、善福寺川及び妙正寺川を対象に、河川に係わる情報や意見の交換・提案を行うことを目的に設置されたものです。
当日は、懇談会設置要綱等の確認、座長等の選出、情報提供の後、都民委員と行政委員による活発な意見交換が行われました。
開会にあたり、東京都第三建設事務所の鹿又所長が、「新宿、中野、杉並区を管轄している第三建設事務所は水害を防止するため、これまで神田川等において護岸整備や、環状七号線の地下調整池を始めとする調整池の整備を主にしています。都市部を流れる神田川、善福寺川、妙正寺川などは、東京のかけがえのない資産です。この川を何とかいい河川環境にしていきたいと考えています。皆様のお知恵を借りながら、いい川づくりを進めていきたいと思います。」と挨拶しました。
始めに、各委員の自己紹介の後、事務局から当懇談会の設置要綱及び運営要領についての提案があり、了承されました。
次に、座長と副座長を委員の互選により選出しました。座長には東京都第三建設事務所工事第二課長の太田委員、副座長には都民委員から鈴木委員が選ばれました。
続いて、事務局から「神田川水系の概要」について説明がありました。
中小河川改修の歴史、再改修の契機となった洪水、一時間に五十ミリ対応の整備状況などの東京都の河川事業、流域の市街化の変遷、主な水害、川の変遷、治水事業などの神田川流域の概要のほか、河川事業費の推移、河川激甚災害対策特別緊急事業の概要、最近の降雨の傾向などについて説明がありました。
都民委員からのご質問やご意見、行政委員の説明などを紹介します。
行政の中で神田川にまつわる新しい動きがたくさんありますがその辺りの情報を教えてください。
杉並区では、「水鳥の棲む水辺」創出事業を始めているところです。新宿区は神高橋右岸上流に地域センターと一体となった親水施設を整備しました。地域センターには河川情報を集めたコーナーを設けています。第三建設事務所では善福寺川の済美公園で親水公園を整備しており、現在ワンドや川に近づけるスロープを工事しています。
神田川の源流は、七井橋が源流と言われていましたが、先日テレビでは源流はお茶の水と言っていました。お茶の水はポンプからの汲み上げですので本当の源流ではないと思います。本当の源流はどこなのでしょうか。
井の頭公園周辺の開発により湧き出ていた湧水が枯れてしまいました。神田川に流す水を確保するため、水を汲み上げているのが現状です。基本的に河川の上流端が源流といいますので、お茶の水が源流ということになるようです。
我々は神田川の近くに住んでいて神田川に大規模な貯水池があるとは全然知りませんでした。このような施設がどのくらいの頻度、どのくらいの水を貯めているかなどの広報活動を積極的にやっていただきたい。
貯水池ができて25回水を入れています。最近では昨年の十月八日、台風十八号の際に施設の94パーセント貯留しました。想定ですが、貯留しなければ下流に大きな水害を与えたのではなかろうかと思います。広報活動については東京都のホームページなどでも行っていますが、今後も積極的に進めていきたいと考えています。
今の神田川は管理用通路から水面までの距離がありすぎます。昔は土手を下りたらすぐに水面がありました。また親水といって水辺に人が下りていくことは大賛成ですが、大事なのは水辺に水生生物がいて植物があり、それを子供たちが観察できるような形になって初めて本当の親水の意味になると思います。
西武新宿線のアンダーパスはありがたいことに人が通れるようになります。ところが見ていると、大雨のとき冠水しそうですが、あの運用はどういうふうに考えられているでしょうか。
ある程度は水を貯留するようなものを地下につくっています。そうはいってもそれでは賄い切れないようなものもあるので、そこを通るときにこういう危険性があるよというのをあらかじめお知らせしなければならないと思います。例えばですが、大雨注意報や大雨警報が出たときには、警察あるいはほかの人たちが注意喚起をするということをこれから考えていこうと思っています。
中野区の中野新橋から上流の整備計画は、まちづくりと関連して神田川を整備していくことになったと思いますが、現在の計画の進捗状況を教えてください。
中野新橋から下流は河道の拡幅が完了しました。現在拡幅に備えた中野新橋の架け替えを行っています。河川整備計画上、中野新橋から上流は拠点整備の一つとして位置づけられていますので、具体的な整備方法は整備計画を踏まえて決定していくことになると思います。
最後に糸井委員から、神田川ネットワークの活動内容と、単行本『神田川再発見』の紹介がありました。
次回は、六月頃の開催を予定しています。
今後は、平成二十二年神田川水系の主な工事予定箇所について説明していきたいと考えています。また神田川河川整備計画についても、その情報を提供していきたいと考えています。