印刷する

東京都市計画道路放射第5号線建設事業 都市計画事業及び環境影響評価書のあらまし

■環境影響評価書
 提出 平成16年4月20日
 公示 平成16年5月6日
 縦覧 平成16年5月6日~平成16年5月20日

計画のあらまし

東京都市計画道路放射第5号線は、区部と多摩地域を結ぶ重要な幹線道路です。
 本事業区間は、放射第5号線のうち唯一未整備区間で、東西方向の交通のボトルネックとなっており、国道20号や東八道路などの交通渋滞を招いているため、早期整備が必要です。
 本事業の計画策定にあたっては、総合環境アセスメント制度の試行の結果を踏まえ、玉川上水の保全など、地域の環境に配慮した道路として、幅員60mで整備します。
 この事業が実施されると、
・東西方向交通の分散が図られることによる交通渋滞の緩和と走行速度の向上
・玉川上水の保全と環境施設帯の設置による水と緑のネットワークの形成
・生活道路への通過交通の減少による歩行者の安全性の向上と居住環境の改善
・消防車や救急車など緊急車両の円滑な通行と災害時の避難路の確保
 などの効果があります。

事業概要

項目 事業の概要
都市計画道路名 東京都市計画道路幹線街路放射第5号線
延長及び区間 延長:約1.3km
起点:東京都杉並区久我山二丁目
終点:東京都杉並区久我山三丁目
車線数 往復4車線
道路幅員 60m
工事期間 平成20年度から平成24年度(予定)
供用開始 平成29年度(予定)
案内図

案内図へのリンク画像

これまでの経緯

 東京都では、都市計画道路放射第5号線の整備にあたり、計画策定の段階から情報を公開し、都民の皆様の意見を聴きながら計画をより環境に配慮したものに調整していくため、総合環境アセスメント制度の試行を行いました。
 この試行の際に出された様々な意見を尊重するとともに、玉川上水などの地域の環境に配慮し、都市計画幅員50mを60mに拡幅するB案を基本計画として決定し、公表しました。
 引き続き、基本計画に対し、都市計画法に基づく都市計画変更手続き及び東京都環境影響評価条例に基づく事業段階環境影響評価手続きを行い、平成16年4月、環境影響評価書の提出、東京都都市計画審議会の議決を経て、同年5月、都市計画の変更が告示されました。

総合環境アセスメント試行からこれまでの主な経緯

総合環境アセスメント
試行手続き
平成12年3月 「環境配慮書」を提出
平成12年7月 「環境配慮書」の公示・縦覧及び説明会の開催
平成12年10月 審査会による「都民の意見を聴く会」開催
平成12年12月 審査会による「実施主体の意見を聴く会」開催
平成13年3月 審査会が「環境配慮書」について審査結果を答申
平成13年4月 環境局長から「審査意見書」の通知及び公表
  審査会:東京都総合環境アセスメント試行審査会
  平成13年9月 「基本計画」及び「都市計画変更素案」についての説明会の開催
都市計画変更手続き
事業段階環境影響評価手続き
平成13年10月 「調査計画書」の提出
平成13年11月 「調査計画書」の公示・縦覧
平成14年4月 「調査計画書に係る見解書」の提出及び公表
平成14年5月 知事から「調査計画書審査意見書」の通知及び公表
平成15年1月 「評価書案」の提出
平成15年3月 「都市計画変更案」の公示・縦覧
「評価書案」の公示・縦覧
「都市計画変更案」及び「評価書案」についての説明会の開催
平成15年7月 「評価書案に係る見解書」の提出及び公示・縦覧
平成15年8月 「都民の意見を聴く会」の開催
平成15年9月 知事から「評価書案審査意見書」の通知
平成16年4月 「評価書」の提出
東京都都市計画審議会が「都市計画変更案」を議決
平成16年5月 「評価書」の公示・縦覧
「都市計画変更」の告示
  平成16年11月 「放射第5号線事業推進のための検討協議会」発足
  平成17年12月 「都市計画事業」の認可

環境配慮書で提示した3案

 既定都市計画幅員の中で、玉川上水及びその緑地空間の保全を図るとともに、広幅員の歩道に緑の築堤を設け、沿道環境の保全を図ります。

 都市計画幅員を拡幅して計画幅員を60mとし、玉川上水の緑地空間をさらに豊かにするとともに、10mの環境施設帯に緑の築堤を設け、沿道環境の保全を図ります。

 既定都市計画幅員の中で、玉川上水及びその緑地空間の保全を図るとともに、広幅員の歩道に緑の築堤を設け、沿道環境の保全を図ります。

※本路線は幹線道路と地域の生活道路の機能を担うことなどから、3案の提案にあたっては、構造は平面としました。各案は、一般道路としての機能を重視し、円滑な交通の流れを確保するとともに沿道利用や環境に配慮しています。

評価書案審査意見書

 評価書案を提出後、平成15年9月11日に評価書案審査意見書が通知されました。

評価書案審査意見書

 本事業の評価書案における調査、予測及び評価は、おおむね「東京都環境影響評価技術指針」に従って行われたものであると認められる。
 なお、環境影響評価書を作成するに当たっては、次に指摘する事項について留意するとともに、評価書案の内容及び表現を更に明確にするなど、関係住民等が一層理解しやすいものとするよう努めるべきである。

【大気汚染】
 大気拡散式を用いて濃度予測をするにあたって、排出煙源の高さを2.5mとしているが、風速については排出煙源の高さを1mで補正しているので、同一の拡散条件で予測・評価を行うこと。
【騒音・振動】
 道路供用後の道路交通騒音について、沿道建物の背後地の騒音を明らかにすること。
【生物・生態系】
 類似事例として調査した地域は、計画地と比較して何を類似点と考えたかを明らかにするとともに、「類似事例調査」として扱う上での制約条件・留意点を示すこと。
【史跡・文化財】
1 本事業区域の隣地及び周辺は、周知の埋蔵文化財包蔵地が多数確認されているので、事業区域内にも埋蔵文化財のある可能性が高いと考えられる。環境保全のための措置の3番目の内容を、「埋蔵文化財については、工事の施行前に関係機関と協議し、必要に応じた対策を講じる。」旨の記述に改めること。
2 玉川上水は、かけがえのない史跡であることから、橋梁部及び一般部における、建設作業及び自動車走行に伴い発生する振動について、玉川上水法面への影響を明らかにすること。
3 環境保全のための措置に、「文化財保護法に基づく史跡に指定されたことから、文化庁等と協議し、必要に応じて環境保全のための措置を検討する。」旨の記載を加えること。
【廃棄物】
 評価の指標に「東京都における特定建設資材に係る分別解体等及び特定建設資材廃棄物の再資源化等の促進等の実施に関する指針」を追加し、同指針の再資源化等率の目標を用いて評価すること。

評価書案の修正の経課及びその内容

 評価書案の主な修正箇所及び修正内容は次に示すとおりです。

大気汚染

  • 予測結果及び評価について、「東京都自動車排出窒素酸化物及び自動車排出粒子状物質総量削減計画(案)」を用いました。
  • 評価書案審査意見書では、風速について排出煙源高さを1m で補正しているので同一の拡散条件で予測・評価することとされていますが、再確認の結果「排出源高さ(1m)」は、2.5mの誤記であったため、修正しました。
 

騒音・振動

  • 沿道建物の背後地の騒音予測結果について、評価書案審査意見書に基づき、試算結果を追加しました。
 

水循環

  • 地下水の流況について、予測結果及び評価と、牟礼橋付近の詳細地形図及び説明を追加しました。
 

生物生態系

  • 類似事例調査について、評価書案審査意見書に基づき、類似点の考え方等を追加しました。
  • 注目される種の評価基準に、最新版である「杉並区自然環境調査報告書(第4次)」(平成15年3月)を用いました。
 

史跡・文化財

  • 評価書案審査意見書に基づき、埋蔵文化財及び玉川上水の史跡指定に関する環境保全のための措置を追加又は修正しました。
  • 評価書案審査意見書に基づき、建設作業及び自動車の走行に伴い発生する振動の、玉川上水の水路への影響について試算結果を追加しました。
  • 玉川上水が平成15年8月に国の史跡に指定されたため、事業区域及びその周辺における指定文化財として「玉川上水」を追加しました。
 

廃棄物

  • 評価書案審査意見書に基づき、「東京都における特定建設資材に係る分別解体等及び特定建設資材廃棄物の再資源化等の促進等の実施に関する指針」を追加し、同指針の再資源化等率の目標を用いて評価を行いました。

事業の概要(放射第5号線)

平面図
完成予想図(イメージ図)

環境影響の予測・評価

計画交通量

*予測の対象時点
 平成24年度:計画道路の供用開始予定年度
 平成32年度:周辺道路網が概ね完成すると想定される年度

予測評価項目の選定

 環境影響評価の項目は、調査計画書に対する知事の審査意見書や都民等の意見書を勘案して、大気汚染、騒音・振動、水循環、生物・生態系、景観、史跡・文化財、自然との触れ合い活動の場、廃棄物の8項目を選定し、予測・評価しました。

  区分 工事の施行中 工事の完了後
環境影響要因 施設の建設 施設の存在 自動車の走行
環境影響評価の項目 大気汚染 二酸化窒素    
浮遊粒子状物質    
悪臭      
騒音・振動  
水質汚濁      
土壌汚染      
地盤      
地形・地質      
水循環    
生物・生態系
日影      
電波障害      
風環境      
景観    
史跡・文化財    
自然との触れ合い活動の場    
廃棄物    
温室効果ガス      

大気汚染

 二酸化窒素(NO2)の将来濃度は、最大0.044ppmと予測され、評価の指標とした環境基準(0.06ppm)を下回ります。
 浮遊粒子状物質(SPM)の将来濃度は、最大0.078 mg/m3と予測され、評価の指標とした環境基準(0.10mg/m3)を下回ります。

二酸化窒素(NO2)【日平均値の年間98%値】の予測・評価
予測地点 平成24年度 平成32年度
南側 北側 南側 北側
NO.1 0.042 0.042 0.042 0.042
NO.2 0.044 0.042 0.042 0.042
評価の指標 0.06

(単位:ppm)

二酸化窒素に係る環境基準:
1時間値の1日平均値が0.04ppmから0.06ppmのゾーン内又はそれ以下であること

浮遊粒子状物質(SPM)【日平均値の年間2%除外値】の予測・評価
予測地点 平成24年度 平成32年度
南側 北側 南側 北側
NO.1 0.078 0.078 0.078 0.078
NO.2 0.078 0.078 0.078 0.078
評価の指標 0.10

(単位:mg/m3)

※予測可能な物質(一次生成物質)を対象としました。

浮遊粒子状物質に係る環境基準:
1時間値の1日平均値が0.10mg/m3以下であること

 ppm(parts per million)
 容積率を表す単位で、濃度や含有率を示す場合に用い、100万分の1を1ppmといいます。

ppmとは

騒音・振動

騒音

 道路交通の騒音は、敷地境界線上で最大で昼間65dB、夜間62dBと予測され、いずれも評価の指標とした環境基準を下回ります。
 なお、工事の施行中の建設作業騒音は、最大で79dBと予測され、評価の指標とした都条例※1で定める勧告基準「80dB」を下回ります。

※1:「都民の健康と安全を確保する環境に関する条例」です。

道路交通の騒音の予測・評価
測地点 予測高さ 予測値
平成24年度 平成32年度
南側 北側 南側 北側
NO.1 4.0m 64 61 64 61
1.2m 58 55 58 55
NO.2 4.0m 65 62 64 61
1.2m 59 56 58 55
評価の指標 70 65 70 65

(単位:dB)

(注)騒音の予測計算の条件として、以下の環境保全対策を考慮しています。
・環境施設帯に高さ1.5mの築堤等を設けます。
・低騒音舗装により、騒音の低減をはかります。

環境基準(幹線道路近接空間における特例)※2

昼間(6時~22時) 夜間(22時~6時)
70dB以下 65dB以下

※2:道路に面する地域のうち、幹線交通を担う道路に近接する空間における基準です。

騒音のめやす 単位:dB(デシベル) 80dBは地下鉄の車内、70dBは騒々しい事務所、60dBは普通の会話、50dBは静かな公園、40dBは図書の中がめやすになります。(東京都環境局資料より作成)

振動

 道路交通の振動は、敷地境界線上で最大で昼間52dB、夜間51dBと予測され、いずれも評価の指標とした日常生活等に適用する規制基準を下回ります。
 なお、工事の施行中の建設作業の振動は、最大53dBと予測され、評価の指標とした都条例※3で定める勧告基準「70dB」を下回ります。

※3:「都民の健康と安全を確保する環境に関する条例」です。

道路交通の振動の予測・評価
予測地点 区域の区分 予測値
平成24年度 平成32年度
南側 北側 南側 北側
NO.1 第1種区域 52 51 52 51
NO.2 第1種区域 52 51 52 51
評価の指標 60 55 60 55

(単位:dB)

(注)第1種区域: 第1種低層住居専用地域、第2種低層住居専用地域、第1種中高層住居専用地域、第2種中高層住居専用地域、第1種住居地域、第2種住居地域、準住居地域、無指定地域

都条例※4に基づく日常生活等に適用する規制基準

  昼間(8時~19時) 夜間(19時~8時)
第1種区域 60dB以下 55dB以下

※4: 「都民の健康と安全を確保する環境に関する条例」です。

振動のめやす 単位:dB(デシベル) 70dB 大勢の人に感ずる程度のもので、戸、障子がわずかに動く 60dB 静止している人だけに感じる、50dB 人体に感じないで地震計に記録される程度が目安になります(東京都環境局資料より作成)

水循環

 牟礼橋付近で新たな橋梁の工事を行います。止水性の高い鋼矢板等を十分な深さまで打設します。また、杭基礎工事の掘削孔は、安定剤を用いて地下水の湧出を防止します。
 したがって、地下水位及び流況の変化はほとんどなく、著しい影響を及ぼすことはありません。
 さらに、工事中は、地下水位の計測を行って、状況を把握します。

水循環イラスト

生物・生態系

 事業区域周辺において、現地調査を行いました。調査地域は、陸上植物が事業区域から片側約100mまでの範囲、陸上動物が片側約250mの範囲としました。調査を行った結果、武蔵野の自然の面影を残す玉川上水両岸の樹林を中心に様々な動物・植物の生息・生育が確認されました。
 牟礼橋付近の新たな橋梁設置工事によって、玉川上水両岸に生育するムクノキ・ケヤキ林の一部が改変を受けます。しかし、多様な動物・植物が生息・生育する玉川上水両岸の樹林は、この一部を除き、全て残存します。よって、玉川上水の樹林を利用する動物・植物の生息・生育環境への影響は、ほとんどないと考えられます。  また、遊歩道の外側に新たな緑地及び環境施設帯に築堤等を設け、樹林を創出します。特に、この新たな緑地には、郷土種を中心とした植栽を行うことによって、動物・植物の新たな生息・生育の場としての利用が考えられます。

陸上植物
  確認種数及び
群落数
注目される種及び群落※
植物種 116科423種 カニクサ、オオバノイノモトソウ、クマワラビ、アイアスカイノデ、ハンノキ、ヒメウズ、フタリシズカ、チダケサシ、ヒトツバハギ、ツリバナ、アキノタムラソウ、オカタツナミソウ、ツリガネニンジン、ホタルブクロ、アマナ、キンラン(13科16種)
植物群落 13群落 ムクノキ・ケヤキ林、ソメイヨシノ植栽地、ヒノキ植栽地
(玉川上水両岸の樹林帯の3群落)

陸上動物
確認種数 注目される種※
ほ乳類 3科3種
鳥類 18科25種 オシドリ、カワセミ、ウグイス(3科3種)
※ツグミは参考として掲載
は虫類 5科5種 ヤモリ、トカゲ、アオダイショウ(3科3種)
両生類 2科2種 アズマヒキガエル(1科1種)
昆虫類 159科446種 ハグロトンボ、クロツヤヒラタゴミムシ、ヒラタクワガタ、チビサクラコガネ、キマダラミヤマカミキリ、ヤノシギゾウムシ、タテスジアカヒメゾウムシ、ジャコウアゲハ、テングチョウ、コミスジ、ヒオドシチョウ、サトキマダラヒカゲ
(10科12種)
※コシアキトンボ、アオマツムシ、カネタタキ、アメンボ、アブラゼミ、ミンミンゼミ、ウスバカゲロウ、トウキョウヒメハンミョウ、カナブン、ホソヒラタアブ、ミノウスバ、アオスジアゲハ、ヒカゲチョウは参考として掲載

水生生物
確認種数 注目される種※
大型水生
植物
1科1種
魚類 1科6種 カマツカ(1科1種)
底生動物 17科38種 ハグロトンボ(1科1種)

生物・生態系イラスト

景観

 事業の実施による玉川上水の変化はほとんどなく、新たな緑地が創出されることや環境施設帯に郷土種を考慮した植栽が施されることなどから、景観の連続性や玉川上水の景観と調和したまち並み景観等が確保されます。

久我山区民農園付近

本事業に伴い、玉川上水の遊歩道が整備され、その外側にも新たな緑地の連続した緑が創出されます。

  • 久我山区民農園付近(現況)
  • 久我山区民農園付近(工事の完了後)

岩崎橋付近

 玉川上水の緑地空間の外側に、新たに植栽した緑地及び環境施設帯が加わり、玉川上水と一体化した連続する豊かな緑の軸が創出されます。

  • 岩崎橋付近(現況)
  • 岩崎橋付近(工事の完了後)

兵庫橋公園付近

環境施設帯の築堤によって立体的な緑が形成され、新たに歩道からは玉川上水の樹木とともに緑の景観が創出されます。

  • 兵庫橋公園付近(現況)
  • 兵庫橋公園付近(工事の完了後)

史跡・文化財

事業の実施にあたっては、玉川上水の既設柵の内側は、現状のまま残ります。牟礼橋付近で玉川上水を横断する新たな橋梁を設置しますが、橋台工事等は原則として既設柵の外側で行います。
 また、崩落防止の処置が必要とされている箇所では、大きな振動を伴う建設機械の使用は予定しておりません。
 さらに、玉川上水は文化財保護法に基づく史跡に指定されたことから、今後文化庁等と協議の上、適切に対応します。
 以上のことから、玉川上水に著しい影響を及ぼすことはなく、玉川上水の保存・管理に支障が生じることはないと考えます。

自然との触れ合い活動の場

牟礼橋付近で玉川上水を横断する新たな橋梁を設置するために、一部の樹木に移植等が必要となりますが、その他の部分は現状のまま残ります。玉川上水の既設柵の外側は、現在、遊歩道がない区間も含め、遊歩道と新たな緑地が整備されます。
 また、車道の外側に新たに整備される広幅員の歩道を含む環境施設帯は、築堤等を可能な限り緑化し、玉川上水と一体感のある場を創出することで、自然との触れ合い活動の場を広げます。
 さらに、散歩やジョギングなどは、玉川上水の両側に整備される遊歩道や広幅員の歩道を利用することができます。
 以上のことから、自然との触れ合い活動の場に著しい影響を及ぼさないと考えます。

廃棄物

本事業の主要な工事において発生するコンクリート塊、アスファルト・コンクリート塊については、再資源化等率の目標を100%とします。
 また、本事業の主要な工事において発生する建設発生土も、有効利用率の目標を100%とします。
 なお、再利用が困難なものについては、法律や条例に基づき、適切に処理します。

環境保全のための措置
大気汚染 騒音・振動
● 排出ガスの少ない建設機械を使用します。
● 工事用車両が集中しないよう工程を工夫します。
● 工事用車両は、排出ガス規制に適合し、排出ガス浄化装置(DPF装置)等を装着したものを使用します。
● 工事用車両の荷台は防じんシートで覆います。
● 工事用車両のアイドリングストップを守ります。
大気汚染のイメージイラスト ● 騒音・振動の小さい建設機械を使用します。
● 工事は昼間作業を原則としますが、夜間工事を行う必要がある場合には、事前にお知らせします。
● 環境施設帯に騒音を低減する築堤等を設置します。
● 低騒音舗装により、一層の騒音の低減に努めます。
騒音・振動のイメージイラスト
水循環 生物・生態系
● 新たな橋梁の橋台部の掘削工事は、地下水の湧出を防止するために止水性の高い鋼矢板等を土留壁として用います。
● 工事にあたっては、詳細な地質・地下水調査を行います。工事中も地下水位の計測を行います。
水循環イラストのイメージ(地下水位の計測)
地下水位の計測
● 遊歩道と車道の間の新たな緑地や環境施設帯を整備します。この新たな緑地には郷土種を中心とした植栽を行い、動植物の生息・生育の場をつくります。
● 街路灯は、昆虫が誘引されにくい照明とするなど、適切に配慮します。
生物・生態系のイメージイラスト
景観 史跡・文化財
● 工事中に仮囲い等を設置する場合は、可能な限り周辺の景観と調和をはかるように工夫します。
● 遊歩道と車道の間の新たな緑地及び環境施設帯は、玉川上水と調和のとれた景観となるよう配慮します。
景観のイメージイラスト ● 玉川上水は文化財保護法に基づく史跡に指定されたことから、関係区市の教育委員会及び文化庁等と協議し、必要に応じて環境保全のための措置を検討します。
● 埋蔵文化財については、工事の施行前に関係機関と協議し、必要に応じた対策を講じます。
史跡・文化財のイメージイラスト
自然との触れ合い活動の場 廃棄物
● 工事中に仮囲い等を設置する場合は、周辺の環境と調和を図り、自然との触れ合い活動の支障とならないよう配慮します。
● 遊歩道と車道の間の新たな緑地や環境施設帯を整備し、玉川上水を中心とした自然との触れ合い活動の場を広げます。
自然との触れ合い活動の場のイメージイラスト ● 発生する廃棄物は、他の公共事業と調整を行い、再利用に努めます。
● 再資源化施設などを活用し、再生品化を図るとともに、再生品を率先して使用するなど、再資源化・再利用に努めます。
● 再利用できないものについては、中間処理施設等へ搬出し、適切に処理します。
廃棄物のイメージイラスト

環境影響評価の手続き

 総合環境アセスメントを試行し、基本計画を定め、東京都環境影響評価条例に基づく事業段階環境影響評価手続きを行いました。
 事業段階環境影響評価は、事業の実施に際し、周辺地域の環境に及ぼす影響について事前に調査・予測・評価を行い、公害の防止、地域環境の保全などに適正な配慮を行う制度です。
 また、事後調査は、工事の施行中及び完了後において、周辺地域の環境に及ぼす影響を調査し、審査する制度です。

環境影響評価の手続き(詳細を知りたい方は事務所までお問い合わせください)

事業の進め方

事業の進め方(詳細を知りたい方は事務所までお問い合わせください)

ページトップへ戻る