善福寺川上流地下調節池に関するよくある質問
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事業の概要について
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善福寺川沿川は、平成17年9月の豪雨により、床上、床下あわせて約1,700棟の浸水被害が発生するなど、これまで複数回にわたり水害が発生しています。
さらに近年、1時間に50㎜を超える降雨(台風や雷雨性の局地的集中豪雨)の増加に伴い水害リスクが高まっており、杉並区や地域の皆様からも早期整備の要望を頂いており、対策が急務となっています。
このような水害リスクを軽減するために、東京都は平成24年に「中小河川における都の整備方針」を策定しました。
この方針では、年超過確率20分の1規模の降雨(※1)に対応するため、時間50㎜までの降雨は川を拡げたり、深くすること(※2)で対応し、それ以上の降雨は調節池と流域対策で対応することとしています。
善福寺川上流地下調節池は、年超過確率20分の1規模の降雨(※1)に対応するための施設で、完成すれば、大雨により河川水位が上昇した際に、調節池に一時的に川の水を貯留することで下流の河川の水位を下げて、浸水被害を減らします。また、河川の流せる能力を早期に向上させることにより、内水被害の軽減にも効果が期待できます。
水害が発生している善福寺川上流地域の皆様の命と暮らしを守るため、治水に対する安全性を早期に向上できる本調節池の整備を着実に進めていく必要があります。(※1)年に5%の確率で発生する降雨(区部時間75㎜降雨)
(※2)河道整備本調節池の必要性については、ファクトシート(P.1)もあわせてご覧ください
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本調節池の都市計画手続きでは、令和5年8月下旬に都市計画素案説明会を4回実施し、地域の皆様方からご意見をいただく場を設けました。
その後、計画案を作成し、同年12月に都市計画案の公告縦覧を2週間行い、地域の皆様のご意見をいただいています。
こうした法に基づく手続きを経た上で、令和6年2月に都市計画審議会で審議を行い、同年3月に都市計画決定されています。
また、事業への理解を深めていただくため、都市計画素案説明会とは別に事業説明会を令和5年12月に2回、令和6年1月に1回の計3回実施しました。都市計画手続き等における説明については、ファクトシート(P.11)もあわせてご覧ください
公園の保全について
都立善福寺川緑地
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工事期間中は、公園として利用できる範囲を可能な限り広くできるよう検討し、公園を利用する皆様の不便を最小限にする努力をいたします。
センター広場は、工事期間中も利用できるように施工範囲を検討しています。
ただし、樹木の移植や公園施設の移設先として使用したり、一時的に車両等の通行がある場合があります。
ロケット公園(通称)は、工事期間中もなるべく広く利用できるように施工範囲を検討しています。公園の保全(都立善福寺川緑地)については、ファクトシート(P.13~15)もあわせてご覧ください
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樹木診断結果をもとに移植可能なものについては、移植するなど、公園内の樹木への影響を極力減らすよう検討を進めています。
なお、移植先や移植方法などについては周辺の環境にも十分に配慮して検討を進めていきます。公園の保全(都立善福寺川緑地)については、ファクトシート(P.13~15)もあわせてご覧ください
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工事期間中は、近くに代替の遊具を設けるなど、可能な限り利用する皆様に使って頂きやすいよう工夫していきます。
また、防災施設(防災パーゴラ・かまどベンチ等)についても現況機能を損なわないように、工事方法を検討していきます。公園の保全(都立善福寺川緑地)については、ファクトシート(P.13~15)もあわせてご覧ください
区立関根文化公園
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工事期間中は、河川上に桟橋を設置して、施工ヤードを確保することで、工事期間中もなるべく広く公園を利用できるように工夫していきます。
また、工事期間中の遊具の利用などについては、皆様のご意見を参考にして管理者(杉並区)との協議の上、検討していきます。
工事完了後は、調節池の維持管理用地として東側の範囲を使用しますが、開放できる範囲を極力広くできるように将来の姿を検討していきます。公園の保全(区立関根文化公園)については、ファクトシート(P.16~18)もあわせてご覧ください
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工事により利用できなくなる公園の代替地確保に向けて、杉並区と連携し調整していきます。
公園の保全(区立関根文化公園)については、ファクトシート(P.16~18)もあわせてご覧ください
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工事に支障となる樹木については、樹木診断結果を基に、可能な限り移植または剪定を行いますが、移植ができない樹木については伐採することを予定しています。
当公園の樹木は、敷地内に移植先がないこと、また大木については公園外に運搬ができないことから伐採となる樹木があります。公園の保全(区立関根文化公園)については、ファクトシート(P.16~18)もあわせてご覧ください
区立井荻公園
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工事では、区立井荻公園の低地部のみを使用するため、高地部(滑り台、野草園含む)はこれまで通り利用可能です。
引き続き、今までどおり、皆様に公園を利用していただけるように検討していきます。公園の保全(区立井荻公園)については、ファクトシート(P.19~21)もあわせてご覧ください
流域対策・グリーンインフラについて
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雨水流出抑制に資するグリーンインフラは、河川や下水道への負荷を軽減できることから、豪雨対策に有効であり、都ではグリーンインフラの導入も推進しています。
一方で、グリーンインフラを含む雨水流出抑制対策のみでは、激甚化、頻発化する豪雨に対し限りがあるため、河道や調節池整備等の河川事業などを推進していくことが重要です。
近隣区市の対策について
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神田川流域の関係区市では、流域対策の目標である時間10㎜の達成に向けて、積極的に治水対策に取り組んでいます。
武蔵野市では、大雨時に下水道管に流入する雨水を減らし、下流域の自治体の方々のご負担を軽減するとともに地下水のかん養や湧水の保全など健全な水循環を確保するため、雨水浸透施設等の設置を推進してきました。
市内の小中学校全18校のうち17校の校庭には、合計8,800㎥の雨水貯留浸透施設を設置しております。
平成24年には「雨水の地下への浸透及び有効利用の推進に関する条例」を制定し、雨水貯留浸透施設等の設置促進にも取り組んでいます。
さらに個人が所有する住宅における設置を促進するための助成金制度を設けるとともに、専属の職員による積極的な雨水流出抑制策のPRなどに取り組んでいます。
令和5年度時点での武蔵野市内の神田川流域における流域対策進捗状況は、目標対策量15.9万㎥に対して、実績対策量10.2万㎥と、約64%の達成率となっております。
そのほかにも、北町保育園園庭地下に4,500㎥の雨水貯留施設や合計10,700㎥の合流改善施設の整備を行い、雨水の流出抑制とともに、雨天時放流水質の改善を図っています。
武蔵野市での取り組み状況については、市のホームページでご覧いただけます。
【武蔵野市ホームページ】
雨水の浸透や貯留を進めています|武蔵野市公式ホームページ
【手続】市内に建築物等を建築等するときは雨水排水計画の届出が義務付けられています|武蔵野市公式ホームページ
下水道(内水氾濫)について
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河道や調節池などの河川整備を実施することで、河川の流せる能力(流下能力)が向上します。
流下能力が向上することで、河川水位の上昇を抑えて、下水道に流れ込んだ雨水をこれまでより多く河川に流すことができるようになります。
このため、善福寺川上流地下調節池の整備により、内水氾濫、外水氾濫両方の被害の軽減効果が期待できます。(※1)調節池の内水被害効果事例
※1 内水氾濫は「大雨で排水が追いつかずに水がたまること」、外水氾濫は「河川の水があふれて浸水すること」
取水箇所について
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本調節池の取水施設の選定における基本的な考え方は、以下の3つの考え方に基づいています。
- 過去の浸水被害箇所や下水道の放流箇所などを総合的に検討して、浸水被害の軽減に効果がある箇所に取水施設を設置
- 可能な限り川沿いの公共用地を使用して整備
- 洪水時には、水面のうねりや局所的な水位上昇が生じます。そのため、特に川がカーブしている箇所では、直線区間に比べて水位が安定しないことから、直線の区間で取水施設を設置
これらの考え方に基づき、取水施設を①都立善福寺川緑地、②区立関根文化公園、③原寺分橋下流右岸部の3箇所に整備することとしました。
取水箇所の選定については、ファクトシート(P.9)もあわせてご覧ください
調節池の管理施設について
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3つの取水箇所には施設を管理するための管理棟を整備します。
公園内の管理棟は、施設の一部を地下化するなど、コンパクト化する予定です。
現在検討している内容をパース図にまとめ公表しています。
管理棟のデザイン等については、引き続き、公園管理者や杉並区と調整して、皆様のご意見も参考にしながら検討していきます。
※イメージのため、今後変更の可能性があります。管理棟の整備については、ファクトシート(P.14,17,20)もあわせてご覧ください
自然環境(湧き水等)の保全について
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都や杉並区では、定期的に善福寺川沿川の環境調査(河川生物調査、水鳥調査など)を実施して、善福寺川に棲む鳥類や植物等の生態状況の把握に努めています。
工事期間中は、生態系などの環境面にも配慮して整備を行っていきます。自然環境の保全については、ファクトシート(P.24)もあわせてご覧ください
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原寺分橋付近の湧水は、東京の湧水マップ(※)にも記載されている善福寺川の貴重な湧水箇所の一つです。湧水の保全に向けて、原寺分橋付近の地下水の状況と湧水量の関係を把握する必要があるため、以下の取り組みを進めます。
①湧水箇所直近に観測井戸を設置し、地下水位の観測
②河川内での水量の調査
なお、地下水の調査は継続的に行い、状況変化などを確認していきます。
調査により得られたデータ等は杉並区とも共有して、善福寺川の湧水保全に向けて取り組んでいきます。※東京都環境局が実施した、区市町村アンケート結果を基に作成したものです。
自然環境の保全については、ファクトシート(P.24)もあわせてご覧ください
工事全般について
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工事の施工計画は、現在詳細を検討中です。
検討に際しては、現場条件を考慮し、近隣にお住まいの方々の日常生活に対して、影響が少なくなるよう安全・安心な施工を目指していきます。
詳細は、今後の説明会等で説明していきます。工事期間の環境については、ファクトシート(P.13~21)もあわせてご覧ください
トンネル工事における安全性については、ファクトシート(P.25~26)もあわせてご覧ください
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騒音や振動については、防音壁等を設置して騒音対策を行うとともに、低騒音・低振動の機械を使用し、法律や条例で定められた規制値を遵守していきます。
粉塵対策については、工事範囲内では仮囲いの設置や舗装を行うなど、対策を実施していきます。工事期間の環境については、ファクトシート(P.13~21)もあわせてご覧ください
トンネル工事における安全性については、ファクトシート(P.25~26)もあわせてご覧ください
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今回のシールド工事では、泥水式シールド工法を採用する予定です。
施工にあたっては、現地の地盤調査等を綿密に実施するとともに、トンネル掘進時の土圧や排土管理、地表面のモニタリング等を適切に行い、安全管理を徹底します。
また、事前の地下水調査等の結果をもとに、井戸枯れなどが起こらないよう、モニタリングをしながら工事を進めていきます。工事期間の環境については、ファクトシート(P.13~21)もあわせてご覧ください
トンネル工事における安全性については、ファクトシート(P.25~26)もあわせてご覧ください
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善福寺川沿川は、平成17年9月の豪雨により、床上、床下あわせて約1,700棟の浸水被害が発生するなど、これまで複数回にわたり水害が発生しており、少しでも早く調節池を整備し、水害に対する安全性を高めていく必要があります。
このため、都立善福寺川緑地や区立関根文化公園では、公園管理者と協議・調整のうえ、準備工事などに着手してまいります。
なお、工事着手前には工事説明会を開催して、皆さまへご説明していく予定です。
また、用地取得や地上権設定が必要となる場所では、関係権利者の皆様のご協力を得て必要な手続きを進めていきます。
本事業においては、移転先の情報や税理士等の専門家との相談の機会の提供などを行う、相談窓口を設置する予定です。
引き続き、関係権利者の皆様のご理解・ご協力が得られるよう丁寧に対応してまいります。整備スケジュールについては、ファクトシート(P.22)もあわせてご覧ください
本調節池における取水箇所の選定については、ファクトシート(P.9)もあわせてご覧ください
維持管理について
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洪水に混ざった土砂やごみなどが調節池内に溜まるため、雨の少ない時期(渇水期)に清掃を行います。また、機械設備や電気設備の保守管理を定期的に行います。
今後、より具体的な検討を行っていきます。
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トンネル内に貯留した水は、善福寺川の水位が下がり、河川の安全を確認した後、速やかに善福寺川に排水します。
本調節池のトンネルは、区立関根文化公園から都立善福寺川緑地に向けて下り勾配としているため、トンネル内の水が集まる都立善福寺川緑地に整備する施設から善福寺川に排水する計画としています。
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近隣にお住いの皆様や小中学校の子供たちに向けた見学会など、事業へのご理解を深めていただく機会を設けていきます。
ぜひ積極的にご活用ください。
費用便益比について
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【費用便益比(B/C)の評価】
費用便益比(B/C)は、整備によって得られる利益(便益)とそのためにかかる費用の比率を示します。
河川整備によって得られる利益(便益)が費用を上まわる場合に、費用便益比は1を超えます。
都の河川事業では、国土交通省の治水経済調査マニュアル(案)に沿って算出しています。
流域全体で一律の安全度を確保(年超過確率1/20規模の降雨)する観点から、流域全体を対象に評価することを基本としています。【総便益(B)の算出】
便益は河川整備計画に記載されている河道などの整備を実施しない場合と、実施した場合の被害額の差(被害軽減額)から算出しています。
被害軽減額に確率等を考慮して、年平均被害軽減期待額を算出し、これを評価開始時点の価値に換算して合計した値が総便益(B)になります。【総費用(C)の算出】
費用は河川整備計画に記載されている河道や調節池などの全ての整備費用と維持管理費用を含めます。
各年の費用を評価開始時点の価値に換算し、合計したものが総費用(C)です。【神田川流域における費用便益比(B/C)】(※令和6年度時点での評価値)
総便益(B)は681,488[百万円]、総費用(C)は484,451[百万円]となり、費用便益比(B/C)は1.41となります。※評価期間は、施設整備などの事業期間の約30年と事業完了後の50年間としています。
費用便益比については、ファクトシート(P.12)もあわせてご覧ください