綾瀬川水戸橋架替工事

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現在、高潮工事課では、綾瀬川に架かる水戸橋の架替工事を実施しています。

水戸橋は、東京拘置所の南側に位置し、都道308号(平和橋通り)に架かる道路橋で、利根川水系一級河川綾瀬川を横過する橋です。現在の平和橋通りは、旧水戸街道とも呼ばれ、水戸黄門(徳川光圀)が江戸と水戸を行き来するのに使っていたと言われています。また、徳川慶喜も江戸城を引き渡し、水戸への歩を進めた街道です。

現在の水戸橋は橋桁の高さが低いため、橋梁横架部の護岸高が必要な高さを満たしておらず、洪水時には陸閘と呼ばれる両岸の橋の袂に設置したゲートを閉鎖して不足する護岸高の代替えとしています。また、左岸側橋台が河川に突出して川幅を狭めているため、流水の阻害となっています。水戸橋の架替工事は、この陸閘方式と流水の阻害を解消するための工事です。

水戸橋で採用した波形鋼板ウェブPCT桁橋梁は国内では4例目ですが、今回の様に、分割されたプレキャストセグメントを現場で組み立てるポストテンション方式は、日本で初めてとなる工法です。桁の本数は車道用桁3本、歩道用桁2本製作し、架設方法は仮桟橋上から架設桁架設工法による下吊り式横取り架設を採用し、平成22年9月24日に1本目の桁架設を実施し、同年10月5日に最後の桁の架設が完了しました。これで、昭和51年3月19日に行われた第1回目の地元説明会から34年が経過し、ようやく橋の桁架設が完了し、両岸がつながりました。

今回、プレキャストセグメント製作及び桁架設のCGを作成しましたので、紹介します。


○現在の水戸橋(昭和30年1月架替)
橋長:33.6m
幅員:6.14m
単純活荷重合成I桁端(3径間)


○新しい水戸橋の諸元
道路規格:第4種第3級
橋長:39.7m
桁長:39.5m
支間:38.7m
有効幅員
 車道:6.0m
 歩道:3.0m
型式
 上部工:ポストテンション方式単純波型鋼板ウェブT桁(セグメント工法)
 下部工:逆T式橋台
活荷重:A活荷重
設計速度:20km/h

綾瀬川水戸橋架替工事の様子
(画像をクリックすると別ウィンドウで拡大表示します)

架設中の水戸橋(奥)と旧水戸橋(手前)
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旧水戸橋
陸閘閉鎖状況(右岸側)
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陸閘閉鎖状況(左岸側)

綾瀬川水戸橋架替工事の動画(現在工事中)

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