井の頭池だよりR2 6月

2020年6月30日(火) 水辺環境の保全作業


井の頭池では水辺再生の取組として、アメリカザリガニ防除のほかに、池畔の環境保全作業を行っています。内容は、浅場の整備や外来植物の抜き取り、泥水流入防止のための「しがら柵」や空堀の整備など、多岐にわたります。
 
5月の池だよりでもお伝えした通り、かいぼりの際に造成された浅場にたくさんの湿生植物が生育するようになりました。
しかし、放っておくと繁茂しすぎたり、生長が早い植物ばかりになったりしてしまうので、適度に刈り取るなどの手入れを行っています。これにより、園路からの見通しもよくなり、浅場の観察もしやすくなりました。
 
刈り取り前 ヨシが密生し、浅場全体がよく見えません…
刈り取り後 浅場の水面が見えるようになりました
サジオモダカやトチカガミもよく見える!

池の中では、外来水草の抜き取り作業も行っています。
在来種ツツイトモが群生している隙間に、外来種コカナダモの生育が確認されています。
 
水上から見たコカナダモ

コカナダモは増殖して在来種の水草と競合するなど生態系への被害が予想されることから、対応の必要性が高い外来種として、生態系被害防止外来種リストで重点対策外来種に指定されています。
井の頭池でも、コカナダモが拡がっていてツツイトモがほとんど生えていない場所もあります。コカナダモが増殖してしまう前に取り除こうと、抜き取り作業を行っています。箱メガネで水中をのぞき込みながら、爪のついた棒で絡め取ります。切れ藻からも殖えてしまうので、千切れたものをタモ網ですくい取ります。
 
根元を見定めて絡め取り、タモ網で切れ藻をすくう 連係プレーが欠かせません
リヤカーに山盛りのコカナダモ

半日ほどの作業でリヤカー3台分を抜き取りました。これでも、生育量のごく一部です。これからも継続的にコカナダモを取り除く作業を行っていきます。
 

2020年6月13日(土) 水草と生きものたち


井の頭池ではツツイトモの生長が旺盛です。環境省レッドリストで絶滅危惧II類に掲載されている水草で、かいぼりによって復活しました。今では池全体で見られるほどに群生し、昨年はモネの絵画「睡蓮」のような景観だと話題になりました。今年もたくさんの花を水面に咲かせています。
 
水面に顔を出したツツイトモの花
濃淡が美しいツツイトモの群生

ツツイトモが群生したことにより、池の生きものたちにも色々な変化がありました。
 
イトトンボの仲間は、水面にあるツツイトモなどの植物に卵を産み付けます。ツツイトモが増加したためか、昨年度はイトトンボの仲間の確認数も大幅に増加しました。
 
ツツイトモに産卵するクロイトトンボ

水草の茂みは、トンボのヤゴや小魚、エビなどが身を隠すすみかにもなります。それらを食物とするカイツブリが、ツツイトモの茂みの中に潜水して獲物を捕らえる様子がよく見られます。また、ツツイトモを巣材にしたり、ツツイトモの上で休息したりもします。
 
ツツイトモを利用した巣
ツツイトモの上でひと休みするヒナ

弁天池区域では、かいぼりを経て59年ぶりに確認されたイノカシラフラスコモ(環境省レッドリスト 絶滅危惧I類)の群生が今年も確認されています。
草丈が低いので陸上から目視するのは難しいですが、水中を漂う切れ藻が見られることもあります。
 
イノカシラフラスコモの切れ藻(2019年撮影)

現在、井の頭池の水草を紹介したリーフレットを配布中です。公園案内所や、橋の欄干、園路脇に配布ボックスが設置されていますので、ぜひお手にとってご覧ください。
 
水草の種類や観察ポイントが盛りだくさんです

お問い合わせ

建設局西部公園緑地事務所 工事課 0422-47-0192