井の頭池だより29 10月

2017年11月28日(火)

気になる!? アメリカザリガニ事情2017
かいぼりではあまり捕れない、しかし放っておくと池の水草を切断・採食してしまう外来種のアメリカザリガニ。かいぼり25が終わった2014年6月からお茶の水池で、2016年からお茶の水池、ボート池、弁天池の3つの池で、毎年かいぼり隊がカゴワナを使って防除をしています。一般的にアメリカザリガニは繁殖力が強く、駆除してもすぐに増えてしまうため、大きな池や沼で個体数を減らすことは難しいと言われています。井の頭池の状況はどうなっているのでしょうか。9月までの捕獲数をまとめましたので、簡単にご報告します。
かいぼり隊によるカゴワナの回収
2017年のザリガニ防除は週1-2回実施し、池に計170基のカゴワナを設置しました。下図は、2014年から2017年のカゴワナ1基あたりのザリガニ捕獲数(CPUE)を月ごとに示したものです。これらの図から分かることを以下に解説します。

○駆除しやすい時期
どの池においても、アメリカザリガニの捕獲数は5~7月に多くなり、水温が上がる8~9月に減少、10月以降は微増または同程度で推移しました。5-7月に防除活動を頑張ると、効率的にザリガニを減らせるかもしれません。

○お茶の水池とボート池の状況
お茶の水池の捕獲数は2016年に前年と比べて倍以上に増加しました。しかし、2017年にはまた2015年と同程度まで減少しました。ボート池は6月まで2016年と同程度だったものの、7月以降は2016年に比べて大きく減少しました。
2016年1-3月に実施したかいぼりで、ザリガニの捕食者であるオオクチバスを根絶しました。このため、お茶の水池では一時的にザリガニが増えてしまったかもしれません。2017年の減少については、前年までの防除による効果か、他の環境条件によるものか、原因はまだよくわかりません。

○弁天池の状況
2017年4月~8月の捕獲数は前年よりとても多くなりました。弁天池は他の2つの池よりもザリガニが増えやすい要因があるのかもしれません。弁天池には絶滅危惧種イノカシラフラスコモの群生地もあるので、これ以上ザリガニが増えないよう早めに対策を考えていく必要があります。
各年のカゴワナあたりのアメリカザリガニ捕獲数推移
※弁天池のみ縦軸の目盛が異なります。
1日で捕れるアメリカザリガニの全量(2017年7月)。弁天池では400匹以上のアメリカザリガニが捕れる日もありました。
弁財天の護岸にはたくさんのアメリカザリガニが目視できました(2017年5月)。
2017年のかいぼり隊によるアメリカザリガニ防除活動は、11月いっぱいで終了です。この結果をもとに、来年はより効率的な防除に取り組んでいきたいと思います。

2017年11月7日(火)

台風後に園内で見られた湧水!
10月21日、22日に予定されていた「井の頭100祭」は、2日間ともに台風で中止となりました。このイベントに合わせて開催予定だった「チョコッとかいぼり隊」も、定員オーバーするほどの事前申し込みを頂いていましたが、結局中止となりました。参加を楽しみにしていた皆さん、ごめんなさい。

しかし!台風のあと、公園内にはうれしい異変が起こりました。大雨の影響で近隣の地下水位が上昇し、公園内の複数の地面から水が湧き出しました。また、いつもは電動ポンプで地下水を汲み上げているお茶の水井戸ですが、現在はポンプが休止状態にもかかわらず井戸の中と土手の際から、水が自然に湧き出しています。現在はこの湧水が井の頭池へ流れ込み、その水が神田川へと流れています。
各所で湧き出る湧水に来園者も興味津々
池の最下流部から神田川へ流れる大量の水(10/23撮影)
武蔵野三大湧水池のある都立井の頭恩賜公園(井の頭池)、都立石神井公園(三宝寺池)、都立善福寺公園(善福寺池)においては、すべて台風の後からこうした現象が見られるようになりました。ちなみに、武蔵野三大湧水池は1960年代後半に、近隣の地下水位の低下によって湧水が出なくなりました。現在はどの池も電動ポンプで強制的に地下水を汲み上げて池に流しています。
池の最上流部のお茶の水井戸。ポンプを止めた井戸の中から自然に水が溢れ出しています(11/5撮影)
今回のような一時的な湧水復活は、2004年以来とのこと。台風のお陰で、往時の「井之頭池」を偲ぶ貴重な景色が楽しめるようになりました。せっかく復活したのですから、このままずっと湧いていて欲しいと思います。しかし、台風の日から半月以上が経ち、湧き出す水量も徐々に少なくなってきました。ご覧になりたい方は11月中の早めのご来園をおすすめします。
林内にも湧水が流れ込み大きな水たまりができました(10/23撮影)

お問い合わせ

建設局西部公園緑地事務所 工事課 0422-47-0192
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