井の頭池だより31 3月

2020年3月10日(火) 大型水鳥の繁殖 アオサギに続いてカワウも!


昨年、井の頭池で初めて営巣して話題になったアオサギが、この春も営巣を始めています。昨年と同じ個体かどうかは分かりませんが、2年連続の営巣です。
そして、アオサギの巣の近くではカワウも初めての営巣。温かく見守っていただければと思います。
 
アオサギが巣を構えたのは、井の頭自然文化園水生物園にある、昨年の営巣木と同じ木です。2羽で巣の上にたたずんだり、巣材の枝を追加したり、仲むつまじい様子が見られます。
 
巣を整えるアオサギ

3月になってからは1羽が巣の上で長時間伏せるようになりました。どうやら抱卵しているようです。1羽が巣にいる時、もう1羽は七井橋付近の島の奥まった場所で食物を探しています。
 
抱卵中は姿が見えにくい

このつがいとは別のアオサギ2羽が現れることもあり、もしかしたら2つがい目の営巣も!?と期待がふくらみます。
抱卵期間は約1ヶ月。ヒナの誕生を心待ちにしています。
 
カワウは井の頭池では初の営巣です。
顔が白い繁殖羽に換わった成鳥が、小さめの巣に窮屈そうに座っています。七井橋のたもとの木に営巣中です。
 
巣に座るカワウ

ハシブトガラスが卵を狙っているのでしょうか、巣に近付くとカワウが頭の羽毛を逆立てて警戒していました。こちらも抱卵期間は約1ヶ月。いつヒナが誕生するのか楽しみです。
 
接近したハシブトガラスとにらみ合い

2020年3月4日(水) カイツブリの繁殖状況


井の頭池では水鳥の生息状況をモニタリングしています。これはかいぼりやその後の池畔の整備作業などによる生きものや池の環境の変化を把握する調査のひとつです。今回は、かいぼり後に劇的に増加したカイツブリについて紹介します。
 
かいぼり以前、井の頭池には肉食性の外来魚がとても多く生息しており、カイツブリの餌となる小魚やエビなどが乏しく、繁殖は難しい状況でした。かいぼりの際に外来魚を駆除したことにより、小魚やエビなどが回復し、カイツブリの餌環境が好転したことから、繁殖数も増加したと考えられます(図)。
 
図.カイツブリの繁殖数の経年変化 ※2003-2015年は田中利秋氏のデータから作図

図からは、つがい数が増えるのにともない、孵化数や独り立ち数(孵化後1ヶ月生存したヒナの数)も増加していることが分かります。かいぼり直後よりもかいぼりのない年の繁殖数が多いのは、かいぼり直後は春先に水がないので繁殖開始が遅くなることと、かいぼり直後の年に繁殖して増えた水生生物が、その翌年の食物になるためだと考えられます。
2019年度の繁殖シーズンには、カイツブリ7つがいが飛来し、そのうち6つがいが繁殖しました。11月に産卵したつがいもいて、孵化したヒナは計48羽、独り立ちしたヒナは42羽にもなりました。
池全体に拡がったツツイトモを巣材に利用したり、ヒナがツツイトモの茂みの上で休息したりする様子も見られました。
 
ツツイトモ群落上に作られた巣

食物が豊富にあるおかげか、ヒナがまだ自立しないうちに親鳥が次の繁殖を開始したり、満腹なのか親鳥が持ってきた魚に見向きもしないヒナが見られることもありました。
 
小魚に見向きもしないヒナ

かいぼり前の井の頭池にはカイツブリが巣を造るヨシやガマの茂みがほとんどなかったため、カイツブリは水面に倒れ込んでいる木の枝先に巣を造っていました。枝先の巣は、強風や大雨による増水によって崩れたり漂流してしまい、営巣放棄につながることがあります。そこで池岸の一部にガマなどの抽水植物が生育できる浅場が整備されました。浅場に定着したヒメガマには、カイツブリがさっそく営巣しています。
 
ヒメガマ群落内の浮巣で交尾するつがい

2020年の春は、すでにカイツブリの繁殖シーズンが始まり、抽水植物の茂みに巣ができ始めています。今年もたくさんのヒナが見られることを楽しみに、静かに見守りたいと思います。
 

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建設局西部公園緑地事務所 工事課 0422-47-0192