井の頭池だより30 11月

2018年11月29日(木)

かいぼり隊、陸でのお仕事

秋雨・台風シーズンが終わりました。井の頭池が泥水で濁らないだろうか・・・と気をもむことも、当面はなさそうです。こうした時期だからこそ、かいぼり隊は次の雨シーズンに備えて陸での活動を進めています。

しがら柵、鋭意整備中 [撮影:井の頭かいぼり隊]
今月の管理作業では、池に流れ込む泥水や落ち葉を止めるために、「しがら柵」を設置しました。設置箇所を毎月少しずつ増やしています。今回は新たにボート池右岸側の、表土が流亡して木の根っこがあらわになっている箇所に設置しました。
しがら柵の材料は、園内のバックヤードに保管されていた風倒木や剪定枝です。用意した大量の枝が、みるみるうちにしがら柵に変身しました。
枝の組み合わせ方や編み方もプロっぽくなったでしょうか?(自画自賛) [撮影:井の頭かいぼり隊]
泥水対策が必要な箇所数からすると、設置箇所はまだまだ足りませんが、来月以降も地道に増やしていきます。散策中に枝を拾ったら、ぜひしがら柵に補充をお願いします。
小さな掲示が目印 [撮影:井の頭かいぼり隊]
もうひとつ、七井橋から見える島では、湿地の整備作業を行いました。
陸地に溝を掘って浅い湿地にしています。今回も少し溝を拡げました。
少~し拡がった溝 [撮影:井の頭かいぼり隊]
作業後のメンバー
来年は水鳥やトンボが棲む素敵な湿地になることを思い描きながら、湿生植物が芽生える春までに地形を整えられるように作業を進めています。
来年はこんな光景が見られるかも!

2018年11月8日(木)

続々飛来、冬の水鳥

井の頭池では毎月2回、かいぼり隊が水鳥のモニタリングを行い、池に生息しているカイツブリ、カモ類、サギ類、カワウなどの生息状況を記録しています。10月以降、冬を彩るカモ類などの水鳥が次々に飛来しています。

冬のカモ軍団 ホシハジロ(中央)とキンクロハジロ
キンクロハジロ(10月9日初認)、オオバン(10月21日初認)、ホシハジロ(10月26日初認)など、徐々に種類も個体数も増えてきました。
ヒドリガモ(左)とオナガガモ(右上)
井の頭池では珍しいミコアイサ
10月24日には、キンクロハジロの群れに混じってミコアイサも確認されました。このときは一晩で姿を消しましたが、その後11月1日から再確認されています。魚食性のミコアイサが長期滞在してくれるほど、井の頭池には魚が豊富になったということでしょうか。

繁殖期を終えたと思われたカイツブリですが、9月中旬に季節はずれの抱卵をしているつがいが確認されました。多数の倒木をもたらした台風24号にも負けず、10月には2羽のヒナが無事に誕生しました。
巣は8月24日の池だより「カイツブリがヒメガマで営巣!」でお伝えしたのと同じヒメガマの茂みにありました。増水や強風が来ても安全な場所がわかっているのでしょうか。
ヒメガマの茂みの巣にいる親子
この巣は園路やベンチの目の前にありました。ヒナが巣から離れて行動できるようになるまでの1ヶ月半の間、ベンチ付近で立入制限をさせていただきました。ご協力いただいた来園者の皆様、どうもありがとうございました。
ふ化から約1ヶ月経った11月5日現在、2羽のヒナたちはすくすく成長中です。
まだ親から給餌を受けていますが、潜水する親を追って、数秒間潜れるようになりました。無事に独り立ちする日が来ることを祈っています。
エビを給餌
かいぼり29以降、外来魚のブルーギルが確認されていない井の頭池、この冬は食物となる小魚やエビ類が豊富なはずです。カイツブリはもちろん、ほかにもさまざまな水鳥が飛来することでしょう。水鳥の動向がとても楽しみです。

2018年11月2日(金)

秋の成果見学会とかいぼり屋

3回のかいぼりが行われた井の頭池。その後の池の変化を現地で体感しながらさらに深く知ってほしいとの思いから、10月27・28日に「井の頭池“深”発見! かいぼり成果見学会」を開催しました。
7月に続いての開催となった今回は、池の透明度もよく、見どころや伝えたい話題も盛り沢山でした。来園者からも注目される中、案内役のかいぼり隊が井の頭池をご案内しました。

かいぼり隊がご案内しました
水中カメラで池底のツツイトモを観察すると、ゆらめく様子に興味津々。望遠鏡で見たカイツブリのヒナはとても間近に見え、親から魚をもらっている様子も観察できました。
ハゼ類を給餌するカイツブリ(画像は別の日)
モニタリングで使っている張網を揚げて、在来のエビや魚が回復していることを解説したり、かいぼりに合わせて整備した浅場の重要性をお伝えすると、「井の頭池にはよく来ているけれど、知らなかったことがたくさんあった」「トンボがこれだけ増えたなんて驚いた」など興味を持っていただけたようです。
張網を回収するかいぼり隊
リピーターの参加者もおり、井の頭池の自然再生に関心を寄せている多くの方々にお伝えする機会をもっと持ちたいと思いました。

成果見学会と同時開催で、かいぼりの時に毎日開店していた案内処「かいぼり屋」を臨時開店しました。
朝、池で採れたばかりの生きものを水槽展示し、かいぼり後の自然の様子やこれからの取組についてパネルなどで解説しました。
在来魚の解説も
特大水槽に泳ぐ在来エビ3種(スジエビ、テナガエビ、ヌカエビ)は壮観でした。モツゴやギンブナ、ウキゴリ、トウヨシノボリなど、地味な在来魚の混泳に夢中なお子さんもいました。
モツゴもウキゴリもいる在来魚水槽
「池の中にはこんなにたくさんの生きものたちが棲んでいるのね」と感心する声や、「次はいつかいぼりをするの?」などさまざまな声を聞き、活動の励みになりました。
たくさんのご来場、ありがとうございました。

お問い合わせ

建設局西部公園緑地事務所 工事課 0422-47-0192
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