井の頭池だより30 2月

2019年2月19日(火)-2


水鳥の居場所に注目! 冬のモニタリング結果から

井の頭池では毎月2回、井の頭かいぼり隊による水鳥のモニタリング調査が行われています。この冬は、水鳥の種類や数はあまり変化していませんが、池での過ごし方が少し変わってきたようです。
 
浅場で食べものを探すカルガモとオオバン

カルガモのお食事
カルガモは井の頭池でもっとも多い水鳥です。従来は、水面に浮かんで、あるいは水面に接している枝で休息していることが多かったのですが、この冬は、湿生植物の茂みで食物を探している様子がよく見られます。かいぼり29で整備された浅場がよく利用されています。浅場付近の陸地で休息や羽づくろいをしていることもあり、園路に近いので目に触れる機会が多くなりました。
 
逆立ちして水底の食べものを探ります

オオバン、陸に上がる
オオバンは草が好物で、従来は深い場所で潜水し、池底の水草や藻類を食べていました。この冬は潜水に加えて、浅場でカヤツリグサ科などの湿生植物を食べる様子が見られるようになりました。
草地に上陸して草をついばむ様子も観察されています。池の周囲の環境が整備され、オオバンが食べものを探せる範囲が広くなりました。
 
浅場で食べもの探し
陸に上がって草をもぐもぐ

ゴイサギは弁天池に
ゴイサギは夜行性で、日中は水辺に近い樹林や丈の高い草地で休息します。井の頭池での居場所はおおむね一定しており、お茶の水池の水生物園側にある島がねぐらになっていました。
今年になって、弁天池に新たなねぐらができました。これまでとは異なり地続きの場所で、園路から近い樹林2ヶ所で休んでいます。以前にも園路の真上の木で営巣したことがあり、来園者が通行することには慣れているのかもしれませんが、近寄りすぎるとさすがに警戒します。怖がらせないように観察しましょう。
 
ゴイサギの後ろ姿

2019年2月19日(火)-1


葦島によみがえる湿地帯

お茶の水池下流(左岸側)の島で取り組んできた湿地整備作業が大詰めを迎えています。
 
ここは水生植物が繁茂していたかつての井の頭池を再現する目的で1966(昭和41)年に葦島(あしじま)として造成されました。当時、松杭で囲った内側に杉皮を貼り付け、荒木田土を敷き、善福寺池(下池)からヨシが移植されました。
 
水生植物が茂っていた約100年前の井の頭池[公益財団法人 東京都公園協会 所蔵]

しかし造成されてからは、園路から離れているので手入れできずにいる間に遷移が進み、実生木が生長するなどして、当初意図したものとは違う姿になっていました。
そこで2017(平成30)年度に行われたかいぼり29を期に、当初目的としていた姿へ回復させる作業がスタートしました。壊れていた松杭を打ち直して土壌の流亡を止め、重機を使って池底の泥を充填しました。生長していた実生木を伐採し、日照を回復して湿地環境として再生しました。
 
かいぼり期間中の工事の様子

2018年には、底泥を充填した区域に、泥に含まれていた種子から湿生植物が再生しました。レッドリストに選定されているカンエンガヤツリ、サジオモダカといった希少種も生えてきました。
 
湿生植物が芽生えた初夏の様子

ただ、予想していたよりも地盤が沈下しなかったため、陸生植物も多く生えてきました。そのためかいぼり隊の活動日に少し掘り下げて、よりよい湿地へ近づける作業を進めています。
乾燥した陸地の部分も、土を掘って湿地帯へ戻しました。掘った土をすぐ脇の水面へ投入し、水がひたひたな浅い湿地に再整備しました。参加したかいぼり隊員は、ツルハシをふるい重い泥を運ぶ作業に、重労働だとぼやきながらも、とてもやりがいを感じていました。
 
楽しい力仕事 やりきった感がいっぱい

作業後の葦島は、すでにカルガモやオオバン、カワセミ、ハクセキレイなどに利用されています。あとは春になって植物が芽生えてくるのを待つばかりです。
 

2019年2月1日(金)

かいぼり報告会、開催しました

1月27日(日)に三鷹市公会堂光のホールにて、「第3回井の頭池かいぼり報告会 −よみがえる 池・湧水・湿地−」が行われました。
当日は260名もの方々がご参加くださり、かいぼり後の井の頭池への熱気を感じた一日となりました。

開演とともに、井の頭かいぼり隊が池での作業スタイルで登場。3回のかいぼりにより、外来魚が激減したこと、イノカシラフラスコモが復活したことなど大きな成果が出ていることを改めて振り返りました。
かいぼり後の池の変化を体感しているかいぼり隊だからこその、「池は生きている」という言葉に胸が熱くなりました。

次のかいぼりに向けてがんばるぞ! おー!
司会のひゃっこちゃん、ひゃくさいくんが登場し、青山佾井の頭恩賜公園100年実行委員会委員長および清原慶子三鷹市長による開会挨拶で幕を開けました。
ひゃくさいくんとひゃっこちゃん
中島淳氏(福岡県保健環境研究所)による基調講演「身近な湿地帯生物と共に生きる21世紀を目指して」では、身近に存在する美しい湿地の風景と生きものたちを守るためには、本来の環境を守っていくことが大切なのだというお話が強く印象に残りました。
湿地愛にあふれた基調講演
第2部のモニタリング報告では、水生生物調査、水草調査、水鳥調査の報告がありました。かいぼり後に在来種の魚やエビが増え、水中には水草が揺らめき、カイツブリのヒナがすくすく育っていることが報告されました。また活動報告では、浅場整備や池への泥水流入防止の取組などを協働で進めていることが報告されました。井の頭池が地域の皆さまに愛され、注目されていることを感じました。
大トリは、三鷹市立第五小の児童による学習報告です。井の頭池での活動を見学・体験した髙橋くん、藤井くんの二人が、「次の100年もっとよくなる!」と宣言し、会場は大きな拍手に包まれました。
発表の大役を終え、三鷹市長らと記念撮影
会場ロビーでは関連9団体によるブースが出展されました。開場から閉会まで大勢の方が足を止め、出展団体と話し込むなど、大変賑わいました。
出展ブースの様子(チームあか井の)
今回の報告会では、3回のかいぼり後の井の頭池の変化をお伝えし、これからの水辺再生に向けての課題を共有できたように思います。
 当日の講演や報告を収録した「第3回井の頭池かいぼり報告会資料集」は、ホームページからPDFでダウンロードできます。こちらのページをご覧ください

※本報告会は、井の頭恩賜公園100年実行委員会が、東京吉祥寺ライオンズクラブの支援を受け開催しました。
 

お問い合わせ

建設局西部公園緑地事務所 工事課 0422-47-0192