井の頭池だよりR7 7月
- 更新日
2025年7月17日(木) イトトンボやチョウトンボが舞う井の頭池
井の頭池にはツツイトモ(東京都レッドリスト(北多摩)、絶滅危惧IB類)が生育しています。5月から8月頃まで見られ、弁天池の狛江橋付近やボート池では特に群生が見事です。
それらツツイトモのすぐ上を、小さく細いイトトンボ、例えばクロイトトンボやムスジイトトンボが飛び交っていることがあります。
ツツイトモの上にとまるムスジイトトンボ
(2019年6月)
イトトンボ類は、かいぼり後にツツイトモが生育するようになって、多く見られるようになりました。水中や水面の水草の茎などの植物の中に産卵するトンボで、ツツイトモにとまって産卵するところがみられます。幼虫期間は短く、1年に何回も発生して羽化します。そのため、ツツイトモやコカナダモ(外来水草)などの水草が多く生育する年に多数見られます。(2019年6月)
七井橋や狛江橋からはヒメガマや浅場の湿地がよく見えます。コフキトンボが連なってガマ類の葉などにとまっている様子が見られるかもしれません。
コフキトンボ
(左がオス、右がオビトンボ型のメス、2021年6月)
今年は、青く輝く羽が美しいチョウトンボが特に多く見られます。弁天池を中心にどの池でも、ひらりひらりとチョウのように優雅に飛んでいます。
美しいチョウトンボ
チョウトンボは、ヒメガマやヨシ等の抽水植物が拡がるにつれて、2021年から増えてきたトンボです。
井の頭池のかいぼりをきっかけに、ヒメガマなどが池底の泥の中に眠っていた種子から芽生えました。チョウトンボのヤゴは、ヒメガマなど水中から生えている植物の根の間に潜り込んだり、柔らかな泥の中で暮らしています。
かいぼり後の取り組みによって、井の頭池で確認されるトンボは種類も個体数も年々増加しています。かいぼりでオオクチバスやブルーギルといった肉食性外来魚を根絶したことでトンボの幼虫の生存率が上がったことに加え、浅場整備により湿地環境を維持してきたことによる成果だと考えられます。
確認種数(2017〜2024年)
春から秋まで、さまざまなトンボが飛び交う井の頭池を楽しめます。池畔や案内所では、トンボリーフレットを配布中です。観察のおともにご活用ください。
お問い合わせ
建設局西部公園緑地事務所 工事課 0422-47-0364
記事ID:017-001-20250801-011019