河川事業

 管内は地形的に大半が低地であり、荒川水系の隅田川、新河岸川、石神井川、神田川と、利根川水系の綾瀬川、毛長川が分・合流しています。このように管内は大小の河川に囲まれ、集中豪雨、台風等に際しては、地形的な面も合わせてその影響の大きいところです。
 そのような状況も踏まえ管内の河川では、急激な都市化の進展に対応し、洪水や高潮に対する安全性を向上させるため護岸の整備等を進めていますが、必ずしも十分な状況になく、近年頻発する局地的な集中豪雨の発生状況も踏まえ、一層、安全性の向上に取り組んでいます。
 また、河川の治水機能に加え、都市に残された貴重な空間として、自然とふれ合える場や、美しい景観の創出などに取り組んでいます。

河川整備事業中箇所図
河川整備事業中箇所一覧
  河川名 事業名
【1】 新河岸川 高潮対策事業
【2】 毛長川 高潮対策事業
【3】 石神井川 高潮対策事業
【4】 神田川 中小河川整備事業
【5】 綾瀬川 耐震対策事業

高潮対策事業

 昭和32年、既往最大(大正6年)の高潮(AP+4.2m)に対処できるよう、江東三角地帯を含む外郭堤防改築工事に着手しました。しかし、昭和34年9月に我が国史上最大規模といわれる伊勢湾台風級の高潮(AP+5.1m)に対処できるよう計画を改定し、防潮堤や護岸等を整備しています。

【1】 新河岸川

 新河岸川は昭和48年度より高潮対策事業として、防潮堤の整備(計画高AP+6.3m)を進めてきており、平成21年度末の整備率は93%である。
 平成15年度から施工していた新河岸橋架替工事は、平成21年度に完成し、管理用通路も含め、供用開始となっている。平成24年度は、防潮堤の未整備区間である新河岸川橋梁部(JR京浜東北線高架下右岸)における護岸整備について、JR東日本に委託して工事に着工する。

新河岸川図面

【2】 毛長川

 東京都と埼玉県の都県境を流れる毛長川については、平成2年度より本格的に護岸整備工事に着工しましたが、都県境界が錯綜するため平成6年1月に埼玉県と工事協定を結び、都・県それぞれの施工区間を決定して、整備を進めています。
 東京都の整備区間は約8.6kmで、平成23年度末までに延長約7.7kmを整備し、整備率は89%です。
 平成21年度から見沼代用水合流部の護岸整備工事及び橋梁架替工事に着手し、引き続き整備を進めていく予定です。
 また、下流側の埼玉県施工区間の河床掘削が完了していることから、平成23年度から、毛長橋上下流部の河床掘削工事に着手し、平成24年度は、さらに上流に向けて施工していきます。

毛長川図面

【3】 石神井川

 当該整備区間となる溝田橋下流の高潮対策事業の施工区間670mのうち、平成10年度から延長176mを首都高速道路(株)(旧 首都高速道路公団)に委託し15年度末に完了しています。
 平成16年度から東京都施工区間に着手し、平成18年度に左岸側旧河川敷(あすか緑地)整備が完了(修正工事は北区施工)しています。また、平成19年度から新柳橋上流右岸の護岸改修に着手し、平成21年度に右岸側が完了し、平成23年度には左岸側が完了しました。
 引き続き、平成24年度以降は、新柳橋下流部の整備を進めていきます。

石神井川図面

中小河川整備事業

 隅田川以西の区部山の手地区には、神田川、石神井川などが流れており、これらは中小河川と呼ばれています。これら中小河川のうち、人口や資産の集積が著しい都市部や、急速に市街化が進行している地域では、保水、遊水機能が減少して降雨時の河川への流出量が増大し、集中豪雨等により多くの水害が発生しています。
 東京都では、洪水に対する流下能力の向上が必要な46の中小河川、324kmについて、1時間あたり50mmの降雨に対応できるよう河川整備を進めています。

【4】 神田川

 管内における整備区間は小石川橋上流から駒塚橋上流までの延長約3,060m区間であり、昭和56年度までに江戸川橋から駒塚橋までの延長約860m、昭和59年度までに小石川橋から船河原橋の延長約460mの整備が完了しています。
 未整備区間である船河原橋から江戸川橋までの延長約1,700m区間は神田川を覆うように首都高速道路が河川上空を占用しています。また、神田川に並行して都道目白通りと護岸背面には江戸川分水路、水道橋分水路が近接しています。このような厳しい現場環境の中、平成3年度より事業に着手し、護岸整備及び橋梁架替えを実施しています。平成21年度には古川橋上・下流の護岸及び古川橋架替え工事がしゅん工し、この区間における新白鳥橋から江戸川橋までの護岸整備と、河川計画上支障がある11橋梁のうち9橋梁の架替えが完了しました。
 平成24年度は、昨年度に引き続き、新隆慶橋上流における護岸整備を実施するとともに、今後、架替え等が必要な橋梁の構造検討などを進めていきます。

神田川図面

耐震対策事業

 東京都では、これまでも河川施設の地震対策に力を入れてきましたが、平成7年1月の阪神淡路大震災の災禍により、低地河川の地震対策の必要性が高まりました。このため、平成7年度に行なった堤防、水門及び排水機場の耐震点検の結果をもとに、東京湾の潮位の影響を直接受ける河川のうち、平成9年度より耐震対策が実施されてきました。
 平成21年度からは、東部低地河川における河川施設の耐震対策(平成21~25年度)に基づき綾瀬川の護岸耐震対策事業に着手しています。

【5】 綾瀬川

 綾瀬川の高潮対策事業としての防潮堤(計画高AP+5.0m)の整備は完了しています。
 平成21年度から東部低地河川における河川施設の耐震対策(平成21~25年度)に基づき綾瀬川の護岸耐震対策事業として、新加平橋下流(左岸)及び綾瀬新橋下流(左岸)の護岸耐震工事に着手しています。
 平成24年度は、引き続き、平成23年度に着手した新加平橋下流(左岸)及び伊藤谷橋下流(左岸)の護岸耐震工事を施工します。また、新たに綾瀬新橋上流(左岸)及び五兵衛新橋上流(左岸)の護岸耐震工事に着手します。

綾瀬川図面

防災船着場の整備

  災害時に寸断された陸上交通網を補完し、国や港湾区域の船着場と合わせ、緊急輸送網のより一層の充実を図るため防災船着場を整備しています。
 現在、整備計画に基づき国や都をはじめ、沿川の区や企業などが協力して都内に76箇所の船着場の
整備を目指していますが、そのうち24箇所が当所管内に予定されており、既に新河岸川の北赤羽や隅田川の千住曙町など、14箇所が整備済みとなっています。 

防災船着場(北赤羽)

お問い合わせ

工事課(河川設計総括担当) 03-3882-1435

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