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井の頭池だよりR3 12月

2021年12月28日(火) 井の頭池で冬を越すカモたち


井の頭池では2016年に水鳥のモニタリングを開始し、月2回、水鳥の種類と羽数を記録しています。今シーズンはカモ類の越冬数が昨冬よりも多めです。11月の調査ではカモ類の合計数が236羽を記録しました。モニタリングでカモ類が200羽を超えたのは初めてです。
 
井の頭池のカモ類の個体数推移(2016年~2021年)

水面に浮かんでいるカモ類を観察していると、水中に首を伸ばして沈水植物(茎や葉が水中にあるタイプの水草)を食いちぎったり、浮遊している沈水植物(切れ藻)をついばんだりしているものがいます。沈水植物は、濁った水や、コイやソウギョなどの外来魚がいる池では生育できません。井の頭池ではかいぼり後に生育するようになった沈水植物が、カモ類の生息に寄与しているようです。
 
深いところの水草は逆立ちして食べます

カモたちが食べている沈水植物ですが、最近まで優占していた在来種のツツイトモが、今シーズンは外来種のコカナダモに置き換わってしまいました。コカナダモが池底をびっしり覆うと、ツツイトモやヒロハノエビモ、イノカシラフラスコモ、シャジクモといった在来水草が生育できなくなります。多様な水草が多くの生きものを育む土台となるよう、井の頭池の環境を保っていきたいものです。
 
コカナダモを食べるヒドリガモ

今シーズン、井の頭池に渡来しているカモ類は約10種類。滞在頻度が少なくて見つけにくい種類もいますが、丹念に探すとだいたい7種類くらいは見ることができます。
 
主なカモ類を紹介します。
 
カルガモは数羽の小群で池のあちこちに散らばっているので、一見して多いようには感じられませんが、池ではもっとも数が多い種類です。今シーズンは70羽程度が越冬しています。
 
脚の色が鮮やかなカルガモ

ヒドリガモは、従来は年に数回見られる程度でしたが、2019年から滞在頻度と羽数が増加しています。今シーズンの渡来数はカルガモをしのぐほどです。
 
笛のようにピューン!と鳴くヒドリガモ

マガモは井の頭池では数が少なく、7羽前後が越冬しています。これまでは1~3羽程度だったので、今シーズンはよく見られる印象があります。
 
頭部の金属光沢が美しいマガモ
赤い目をしたホシハジロ
くっきりした色彩で覚えやすいキンクロハジロ
オカヨシガモは渋めの配色

このほか、渡来数が少なくて見つけにくい種類に、ハシビロガモ、オナガガモ、ヨシガモなどがいます。双眼鏡を片手に色とりどりのカモを観察すると、散策がいっそう楽しくなるかもしれません。
 
 
水鳥リーフレットの改訂版できました!
2019年に発行したリーフレット「井の頭池の生きもの 秋冬の水鳥」の改訂版ができました。最近よく見られるようになったヒドリガモを収録するなど、紙面が少ーし変わりました。公園案内所と、井の頭池付近のチラシ入れで配布していますのでご利用ください。
 
散策のお供にどうぞ!


 

お問い合わせ

建設局西部公園緑地事務所 工事課 0422-47-0192
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