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井の頭池だよりR2 11月

2020年11月30日(月) 井の頭かいぼり隊、陸上でも活躍中


井の頭かいぼり隊は、井の頭池の水辺再生に継続的に関わっていくボランティアです。池の中でアメリカザリガニ防除や水生生物のモニタリングを行っているイメージが強いかもしれませんが、活動場所は水辺に留まりません。池の周辺環境も保全していくために、陸地でも作業を行っています。
 
陸地でも活動する井の頭かいぼり隊 こちらは池への泥水流入を止める「しがら柵」作りの様子。(令和元年8月撮影)

最近の活動としては、池から少し離れた樹林の手入れを行いました。樹林にも、明るく開けた樹林や薄暗い樹林などさまざまな環境があり、それぞれに異なる動植物が生息・生育しています。井の頭池の周囲の樹林では、タネが鳥によって運ばれたシュロやトウネズミモチといった常緑樹が繁茂し、林内が暗くなっている場所が多くあります。これらの実生苗(タネから芽生えて成長している個体)をそのままにしておくと、樹林が暗い環境へと移り変わり、明るい樹林の生物相が失われてしまうため、実生が小さいうちに抜いたり伐ったりすることも大切です。
木を伐るというと自然を傷つけているようなイメージを持つ方もいるかもしれませんが、目指す環境に適した樹種を残し、木々が密生しすぎないようにするために必要な作業なのです。
 
混み合っていた常緑低木を取り除くと、林内が明るくなっていきます。[提供:井の頭かいぼり隊]

樹林環境を良好に維持する上で大切なのは樹木管理だけではありません。11月に作業した場所では、林床がシラユキゲシという中国南部原産の園芸植物に覆われていました。耐陰性が強く、地下茎を張り巡らせて増えていくため、在来の林床植物に影響を与えないよう、丁寧に抜き取りました。このように、手入れをしないと繁殖力の強い特定の種類が覆い尽くし、林床の生物多様性が失われてしまうのです。
 
抜き取り前 地面を覆う丸い葉がシラユキゲシです。
抜き取り作業中 地中に長い地下茎が潜んでいます。[提供:井の頭かいぼり隊]
抜き取り後 たくさん生えていたシラユキゲシをきれいに抜き取ることができました。

公園を訪れた際には、樹林や草地など、池以外の自然にも注目してみてください。
 

2020年11月10日(火) 「井の頭池ちょこっとウォッチング」再開しました


新型コロナウイルス感染防止のため開催を見合わせていた「井の頭池ちょこっとウォッチング」を10月より再開しました。井の頭かいぼり隊が案内役を務める、井の頭池の自然や、保全の取組について紹介するガイドツアーです。毎回、季節にあったテーマを設定し、池の周辺を歩いて周りながら解説を行います。
 
約半年ぶりの開催に、案内役のかいぼり隊員も気合いが入ります。

10月は「さかな」をテーマに実施しました。3回のかいぼりを経て在来種の魚やエビなどが回復しましたが、これらの水生生物の様子は園路からはなかなか目にすることができません。ちょこっとウォッチングでは、アメリカザリガニ防除用のカゴワナやモニタリング用の定置網を引きあげて、水生生物たちの姿を観察してもらいました。
 
ワナ上げ作業を目の前で見学します。 どんな生きものが入っているのか、参加者の皆さんも興味津々です。
「たくさんの魚がいるんですね!」と驚きの声があがります。

親子連れでの参加が多く、大人も子どもも井の頭池の生物や自然再生の取組について熱心に話を聞いていました。魚の図鑑を持参した方やメモを取っている方もおり、井の頭池という身近な自然への関心の高さが伺えます。

ちょこっとウォッチング(詳細はこちら)には、リピーターの参加者も多くいます。池の自然の状況は季節ごと、年ごとに変化していきます。ぜひ何度も参加して、井の頭池の自然を間近に感じてほしいと思います。
 
11月は「エビ・カニ」をテーマに実施中です。 申込不要でご参加いただけます。

イベント参加時には、新型コロナウイルスの感染防止にご協力をお願いいたします。
 

お問い合わせ

建設局西部公園緑地事務所 工事課 0422-47-0192
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