井の頭池だよりR7 5月

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2025年5月19日(月) 水上で活躍!井の頭かいぼり隊の外来水草とアオミドロ除去


この春は井の頭池の透明度が高く、水中の水草がよく見えています。
在来水草のツツイトモやイノカシラフラスコモなどは、2017年度までに実施した3回のかいぼりで復活した水草です。池底の泥の中で種子や胞子が眠っていて、池干しの乾燥や日光などによる刺激で目覚めたと考えられます。2019年にはツツイトモが繁茂した池の様子が「モネの池」のようで美しいと、TVや新聞のニュースなどで話題になりました。
 
ツツイトモが繁茂した美しい井の頭池
(2019年6月)
 
2025年も在来水草のツツイトモが順調に生育し、特にボート池では群生が見事です。
5月中旬には小さいツクシのような花を咲かせました。
 

ツツイトモの花と
日光浴中のニホンスッポン(中央)

ところが弁天池では、外来水草のコカナダモが繁茂しています。コカナダモは2020年頃から大きな群生が目立つようになりました。切れ藻から殖える厄介な外来水草です。繁殖力が旺盛で池底を覆ってしまうため、在来水草の生育環境を奪ってしまいます。毎年、井の頭かいぼり隊はアメリカザリガニ防除の傍ら、除去作業を行っています。長い棒の先にミニ熊手を付けた特製の道具で、コカナダモを根こそぎ掻き取る作戦です。コカナダモの生育範囲が広いため、なかなか勢力を抑えることができず歯がゆい思いをしています。
 
コカナダモ除去の様子(2024年6月)


コカナダモは多年草です。がむしゃらに取り除くだけでなく、どうしたら効率よく除去できるのか策を練りたいところです。

一方、池の透明度が高く、気温が高い時期にはアオミドロなどの糸状藻類が発生します。ミドロ類は水面や、水中の杭や水草にくっついて増殖します。やがてマット状に生長した集合体が水面を漂います。
在来種で生態系の一員ではありますが、緑色のモヤモヤが水面を漂う様子が景観を損なうほか、腐敗すると悪臭が発生するため、かいぼり隊では吹き溜まりで除去作業を行っています。
 

水面を漂うミドロ類を
長い竹で集めます
 
カゴですくいます
 
リヤカーで運び出します


5月には、1回の作業でリヤカー7台分を運び出し、とてもきれいになったと喜んだのも束の間、次の日にはまたアオミドロが吹きだまってしまいました。公園に来た方が快適に過ごせるよう、引き続き除去に貢献できればと思います。
池で作業しているかいぼり隊を見かけたら、温かいエールをお願いします!

 
 

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建設局西部公園緑地事務所 工事課 0422-47-0364
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