道路の維持補修
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道路・橋梁等の各施設について、その機能を常時良好な状態に保持し、一般交通に支障を及ぼさないよう適正な維持補修に努めています。
これらの施設の維持補修は、日常の道路巡回点検により劣化・損傷等の不具合箇所を発見し、迅速に機能の保全をする維持事業と、計画的に修繕する補修事業とに分けて適切に行っています。
(1) 維持事業
ア 道路・緑化維持
道路の機能を常時良好な状態に保持するためには、舗装、立体施設、擁壁、排水施設等及び道路附属物(街路灯、道路標識、防護柵、街路樹等)を日常的に維持・管理する必要があります。
道路の維持事業は、道路巡回点検により発見した道路施設の不具合箇所や都民からの情報を基に応急的な補修を行っています。
道路巡回点検では、立川工区に直営班、東村山工区に巡回委託点検班を配置し、道路施設の不具合箇所の早期発見、緊急措置を行っています。
都民からの要望は、路面や各道路施設の補修、側溝のしゅん渫、高木の夏期及び冬期剪定、路面清掃まで多岐にわたり、その都度適切に対応しています。
以上のような日常の維持管理のほか、大規模事故や不測の事態に対応するため、夜間、休日の連絡態勢をはじめ、大雨、雪害などの異常気象時や震災時における態勢を常時整えています。
なお、令和5年度の道路の巡回点検実績と都民の声から寄せられた項目は下記のとおりです。
項 目 | 計 |
---|---|
工事等、事業執行に関するもの | 21 |
歩道や路面の損傷個所の補修等 | 230 |
街路樹の剪定等 | 277 |
側溝等、排水施設に関するもの | 28 |
街路灯の不点灯等 | 45 |
道路付属物(防護柵・標識・ミラー等) | 133 |
道路施設等の不正使用(投放棄等) | 272 |
その他(他の管理者に起因) | 81 |
計 | 1,087 |
イ 橋梁維持
橋梁(歩道橋等含む)についても、道路と同様、日常点検により常時良好な状態の保持に努めております。経年や通過交通の繰り返しにより各部位の劣化、損傷など機能の低下に対応するため、伸縮装置等の修繕、舗装補修、塗替塗装、排水設備の清掃等の対策を講じています。
主要地方道 | 一般都道 | 計(橋数) | |
一 般 橋 | 54 | 25 | 79 |
横断歩道橋 | 36 | 9 | 45 |
人 道 橋 | 10 | 23 | 33 |
計 | 100 | 57 | 157 |
(2) 補修事業
ア 路面補修
交通振動などの苦情・陳情の多くは、路面性状の悪化・劣化が原因となっています。経常的な維持作業で対応できなくなった箇所については、日常の巡回点検に加えて、定期的な路面性状調査による劣化予測値や過去の補修履歴、路線の特性などを判断材料として、車道の舗装体系に基づき、住民要望や地域特性に配慮して、路面補修を実施しています。
路面補修にあたっては、機能回復に留まらず、可能な限りの改良を加えることとし、特に沿道環境対策として、夜間の交通騒音が環境基準を超える管内幹線道路については、低騒音舗装を敷設するなど舗装構造の質的向上を図っています。
また、路面補修に併せて、現道内において歩道の設置・拡幅や、歩道勾配の改善や段差の解消、電柱の移設を行うほか、側溝の暗渠化といった排水施設改修と合わせて実施するなど、快適な歩行空間の確保及びバリアフリー化を視野に入れて歩道の改善を推進しています。
歩道改善及び排水施設改修事業
イ 道路緑化事業
道路の交通安全の確保に加え、快適な都市環境の保全及び道路景観の向上等を目指し、状況に応じて道路区域内に街路樹または植樹帯を設置して道路緑化の推進に努めています。
また、道路に植栽されている樹木は、自然の状態で生育している樹木と異なり、厳しい環境下で生育しているため、生育不良等による倒木の可能性があります。
このため、活力が著しく衰退したものや地際部にキノコが発生しているものは街路樹診断を行い、不健全と判断されたものについては伐採・撤去し、若木へ植え替えを実施しています。
樹 種 | 場 所 | 数 量 |
---|---|---|
高木(48種類) | 街路樹 | 12,894 本 |
緑地内 | 1,379 本 | |
計 | 14.273 本 | |
中木(59種類) | 街路樹・緑地内 | 7,582 本 |
株物(9種類) | 植樹帯・中央分離帯 | 201,920 m2 |
ウ 橋梁整備
橋梁整備事業では、日常点検のほか健全度調査を定期的に実施しており、その結果、補修が必要とされた橋梁については、損傷・老朽化の状況を把握し、総合的な判断により適切な工法を選定して補修、補強、改良を実施しています。
さらに、今後予想される橋梁の更新費用の増大への対応として、既に実施した耐震・耐荷補強に加え、耐疲労性・耐腐食性を含めた橋梁の長寿命化対策を計画的に実施しています。
エ 道路施設整備
道路施設は多岐にわたっており、トンネル、立体交差、地下歩道等に加え、多摩地域では唯一の共同溝があります。
これらには、それぞれ排水設備や照明設備等とともに警報監視装置が設置され、事故や故障時の異常時には必要な情報を知らせることで、常に安全な機能確保に努めています。
これら道路施設の維持保全や機能向上を図るため、定期的に健全度調査を実施し、この結果に基づいて施設や設備の補修、改修を実施しています。
また、既設の街路灯については、より一層消費電力の少ないLEDへの転換を進めています。
名称 | 路線名 | 設置個所 | 延長(m) | 備考 |
---|---|---|---|---|
昭島つつじが丘立体 | (一162)三ツ木八王子線 | 昭島市つつじが丘三 | 35.0 | 排水場、警報装置 |
芝山立体 | (主40)さいたま東村山線 | 清瀬市元町二 | 50.0 | 排水場、警報装置 |
玉川上水立体 | (主43)立川東大和線 | 立川市幸町六 | 225.0 | 排水場、警報装置 |
立川立体 | (主16)立川所沢線 | 立川市曙町一 | 44.0 | 排水場、警報装置 |
松原立体 | (一220)昭島停車場熊川線 | 昭島市松原町一 | 44.0 | 排水場、警報装置 |
立川共同溝 | (主43)立川東大和線 | 立川市高松町一 | 2,576.0 | 排水場、警報装置 |
美住歩行者トンネル | (主5)新宿青梅線 | 東村山市美住町二 | 11.0 | |
美住陸橋下地下歩道 | (一253)保谷狭山自動車道 | 東村山市美住町一 | 34.2 | |
武蔵大和トンネル | (一253)保谷狭山自動車道 | 東大和市清水二 | 35.0 | |
小平グリーンロード立体 | (一248)府中小平線 | 小平市天神町二 | 56.5 | 警報装置 |
中神立体 | (主59)八王子武蔵村山線 | 昭島市玉川町二 | 29.5 | 警報装置 |
殿ヶ谷戸立体 | (一133)小川山府中線 | 国分寺市南町一 | 17.3 | 警報装置 |
清瀬立体 | (主40)さいたま東村山線 | 清瀬市松山一 | 64.0 | 排水場、警報装置 |
谷保地下歩道 | (一256)八王子国立線 | 国立市谷保 | 20.0 |
オ 現道部における無電柱化事業
都市防災機能の強化、安全で快適な歩行空間の確保及び良好な都市景観の創出を目的として、既存の電線類を電線共同溝(CCBOX)へ収容する道路の無電柱化事業を実施しています。電線類を地中化することで視線を遮る電柱や電線をなくし、歩行者や車いす利用者も移動しやすい歩行空間を確保することに加え、災害時の電柱倒壊を防止するとともに電線類の被災の軽減に寄与します。
整備路線については、都市計画道路等の整備に合わせて実施するほか、現道部においても緊急輸送道路や利用者の多い主要駅周辺の路線を選定し、計画的に整備を進めています。
なお、現道部における現在事業中の路線は下記のとおりです。
路 線 名 | 場 所 | 路線延長 | |
府中清瀬線(主15号) | 小平市大沼町四丁目~東久留米市滝山四丁目 | 550m | |
立川所沢線(主16号) | 立川市曙町二丁目~高松町二丁目 | 900m | |
立川青梅線(主29号) | 立川市柴崎町六丁目~富士見町六丁目 | 1,800m | |
立川青梅線(主29号) | 昭島市郷地町三丁目~福島町二丁目 | 1,230m | |
新宿青梅線(主5号) | 東大和市狭山五丁目~立野二丁目 | 2,200m | |
新宿青梅線(主5号) | 東久留米市南町二丁目~東村山市恩多町二丁目 | 4,000m | |
さいたま東村山線(主40号) | 清瀬市下清戸二丁目~中清戸一丁目 | 1,420m | |
立川青梅線(主29号) | 昭島市大神町三丁目~田中町一丁目 | 1,250m | |
府中小平線(一248号) | 小平市大沼町三丁目~大沼町五丁目 | 450m | |
府中小平線(一248号) | 小平市回田町~天神町四丁目 | 1,900m | |
計 | 15,700m |
カ 自転車走行空間の整備
一方で、自転車関連事故の割合は増加しており、歩行者、自転車、自動車それぞれの安全と安心が確保された道路空間の創出が求められています。
こうした背景を踏まえ、道路管理者として、区市町村、交通管理者等と連携し、自転車走行空間の整備を進めています。
キ 多摩都市モノレール
管内には多摩都市モノレールが主要地方道43号(芋窪街道)に沿って敷設され、全線のうち東大和市の上北台駅と立川市の多摩川左岸まで延長約7kmを営業しています。
多摩都市モノレールは、東京都が軌道桁・支柱・停留場の骨格を形成する屋根や柱のインフラ部を所有し、多摩都市モノレール(株)(以下多摩モノ(株))が営業にかかわる車両や電気・通信設備・運転保安施設などのインフラ外部を所有しています。
これらの施設の維持管理については、多摩都市モノレールが定期点検及び維持修繕を行っています。また、平成10年の開業から20年以上経過しており、平成24年度から桁の塗装や分岐の補修など修繕サイクルに達した施設の計画的な修理を大規模修繕として東京都が多摩モノ(株)に委託し施工しています。
(3) 異常気象時及び震災時における態勢
ア 水防態勢
所は管内各市に大雨警報が発表された場合、警戒配備態勢をとり道路に被害が発生する恐れのある箇所については、速やかに情報の収集を行い現場に即した適切な処理を行っています。
管内にはアンダーパスが9箇所あり、未だ雨水幹線が未整備な地域もあるため、近年の局地的集中豪雨により冠水が発生する恐れがあります。
このため、休日・夜間を問わず補修課及び各工区は、被害の拡大を最少限にとどめるため、常時、監視に努めるとともに冠水が発生した際には、地元警察署や単価契約業者と連携し通行止めの処置などを行っています。
また、台風時など強風が吹いた場合には倒木の処理や枝折れによる第三者事故の防止のため巡回点検を行っています。
イ 雪害態勢
管内に大雪注意報が発表された場合、補修課及び各工区職員は参集し雪害対策計画書に基づき除雪作業の連絡態勢を整えます。除雪対象箇所は路線の重要度の高い区間、カーブや坂路などの危険箇所、歩行者の多い駅周辺部などを重点的・優先的に作業を行っています。
管内は38路線と多くの管理路線を抱えているため、地元の雪害対策協力業者と連携し、休日・夜間を問わず除雪作業等に備えています。
ウ 地震時の態勢(緊急道路障害物除去(啓開)作業)
都内のいずれかで震度6弱以上の地震が発生した場合、管内協力業者はあらかじめ決められた区間の緊急巡回を自主的に行うとともに、二次災害の危険が想定される箇所については必要に応じて応急措置を行うよう協力態勢を整えています。
緊急道路障害物除去(啓開)作業は、道路損壊、道路上への落下倒壊物、放置された車両などの交通障害物により通行不能になった道路において障害物を除去し原則上下各1車線を確保し、避難・救護・救急対策のため初期の緊急輸送機能の回復を図る重要な作業であります。
このため北多摩建設業協会をはじめ管内地元業者の協力を得て、地震発生時に迅速に対応できるよう初動態勢を整えています。
お問い合わせ
東京都北多摩北部建設事務所 補修課 工務担当
〒190-0023
東京都立川市柴崎町二丁目15番19号
電話 042-540-9525