井の頭池だよりR4 7月

2022年7月19日(火) 浅場の植物と保全作業


井の頭池には、かいぼりで水を抜いた際に整備した「浅場」と呼ばれる環境があります。かいぼり前は垂直護岸に囲まれて岸からすぐに水深が深くなっていた井の頭池の中に、池底の泥を盛り上げてつくった水深の浅い環境です。浅場には、水深の浅い場所や湿地環境を好む植物が生育しています。
 
ジョウロウスゲ(東京都レッドリスト:絶滅危惧IB類)
サジオモダカ(東京都レッドリスト:絶滅危惧IA類) ※東京都レッドリストは北多摩地域の評価ランクを記載

浅場は、手を加えないままでいると生育力の強い種が占有したり、枯れた植物が堆積して陸地化したりしていきます。このような環境の変化により、湿生植物の中には、都内ではあまり見られなくなっている種も少なくありません。
井の頭かいぼり隊では、こうした貴重な湿地環境を維持するために、植物の刈り取りや地面の掘り下げなどの管理作業を行っています。
 
夏の名物・浅場の草刈り
上:作業前 下:作業後 ヨシやヒメガマなどを一部刈り取り、ひたひたの水面が現れました

こうした湿地は、湿生植物以外にも、トンボや鳥、カメやカエルなど様々な生きものが利用する環境となります。お茶の水池の浅場や葦島は園路からも見えやすいので、観察スポットとしてぜひご注目ください。
 
浅場に産卵にやってきたシオカラトンボ


 

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建設局西部公園緑地事務所 工事課 0422-47-0192
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