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井の頭池だより R3 3月

2022年3月31日(木) 浅場の管理作業【冬編】


井の頭池は、護岸付近でも水深が1m以上あり、湿生植物などが生育できる浅い場所がほとんどありません。そのため、かいぼりの際に池底の土を岸に寄せて段を造り、水深を浅くした場所があります。こうした場所を「浅場」と呼び、これまでに5ヶ所を整備しています。
 
浅場では、土に含まれていた種子からさまざまな湿生植物が芽生えました。絶滅の恐れがあるとしてレッドリストに選定されている植物が16種あり、生物多様性を保全する上で重要な場所となっています。
 
ジョウロウスゲ(東京都 絶滅危惧I類)

浅場のような湿地環境では年月の経過とともに、枯れた植物が堆積して陸地化したり、ヨシのような大型植物が優占していきます。そうなると草丈の低い植物は生育適地がなくなり、その場所から消えていきます。井の頭池は、河川や広い湖沼と違い、洪水や波によって枯れ草が流出しないので、浅場の枯れ草を定期的に刈り取り、浅場から運び出しています。
 
浅場で枯れ草を刈る井の頭かいぼり隊
刈り取り後に飛来したキセキレイ
ヒキガエルのオタマジャクシ(3月17日)

枯れ草を刈った後は、絶滅危惧種カンエンガヤツリやカワヂシャの生育環境を保つため、落ち葉を掻き取って地表を露出させました。
 
裸地に生育するカワヂシャ(2022年3月)

弁天池下流部(狛江橋付近)には、かいぼり29(2017年12月~2018年3月)の際に整備した浅場があります。整備当初は傾斜木がかぶさって日陰を形成し、湿生植物はなかなか広がっていきませんでした。その後、公園管理の中で伐採や枝下ろしを行ってからは、ガマ類の生育範囲が広がりました。さらに、2020年には絶滅危惧種カワヂシャの生育が確認され、生育範囲が急激に広がっています。
 
青々と茂るカワヂシャ(2022年3月)

カワヂシャは田んぼの畔や川辺の湿潤な場所に生育する野草で、井の頭池では今のところ、この浅場が唯一の生育地です。5月頃に白い花を咲かせ、水流によって種子散布します。今後、他の浅場にも生育範囲が広がっていくことを楽しみにしています。
 
カワヂシャの花(2021年5月)


 

お問い合わせ

建設局西部公園緑地事務所 工事課 0422-47-0192