井の頭池だよりR3 2月

2022年2月28日(月) アメリカザリガニ 2021年の防除結果


外来種のアメリカザリガニは、水草を食べたり切ったりして水生生物のすみかをなくしてしまうことから、各地で防除活動が行われています。井の頭池でも、生物多様性を保全する目的でアメリカザリガニを防除しています。井の頭かいぼり隊では4月から11月の間、池の中にワナを設置し、週1回引き揚げて外来種を回収しています。
今回は2021年のアメリカザリガニの防除結果を報告します。
 
カゴワナでアメリカザリガニを捕るかいぼり隊

2021年は3種類のワナを計171個使い、計7367匹のアメリカザリガニを捕獲しました。前年の計5396匹よりも多くなっていますが、2021年はワナを18個増やしており、さらに、捕獲効率の高いワナへの転換も進めました。総捕獲数からは生息しているアメリカザリガニの増減を知ることができないため、ワナの種類ごとに「ワナ1個あたりの捕獲数」に換算しました。
 
2020年と2021年のワナ1個あたりの捕獲数は、カゴワナでは1.3匹→0.9匹とわずかに減少(図1)、新捕獲装置では3.5匹→3.4匹と横ばいでした(図2)。全体的な傾向として、両年の生息密度はあまり変化していないようです。

 
図1.アメリカザリガニのカゴワナ1個あたりの捕獲数の推移(お茶の水池)
図2.アメリカザリガニの新捕獲装置1個あたりの捕獲数の推移(井の頭池全体)

2014年からのワナ1個あたりの捕獲数の推移を図に示しました(新捕獲装置は2019年から)。急増や急減している年もありますが、一定の傾向は見られません。防除活動によってアメリカザリガニの増殖を抑制している可能性がありますが、池の状態の変化などの環境要因も関係していると考えられます。

 
新捕獲装置はカゴワナよりもコンパクト!(緑色の箱)

アメリカザリガニ防除では、カゴワナがよく使われていますが、近年は新たに開発された捕獲装置を導入する場所も増えてきました。井の頭池でも新しい捕獲装置を導入したところ好成績だったので、かいぼり隊がさらに改良を加えたものを使用しています。製作や補修作業は、アメリカザリガニの動きがにぶってワナで捕獲しにくくなる冬に行います。製作工程が細かくて時間がかかりますが、新しい捕獲装置の数を少しずつ増やしています。
 
青空の下で捕獲装置づくり

アメリカザリガニは水草のうち、水中に葉や茎のある沈水植物や、水面に葉を浮かせる浮葉植物といった草体がやわらかいものに特に被害をおよぼします。アメリカザリガニの生息密度が高い池ではこれらの水草が全滅してしまうこともあります。井の頭池には、かいぼり後に数種類の沈水植物が生育するようになりました。こうした水草や、そこにすむ水生生物を失うことのないように、今シーズンもアメリカザリガニ防除に取り組みたいと思います。
 
井の頭池で発見、命名されたイノカシラフラスコモ
シャジクモ。どちらも絶滅危惧種に選定されています。

なお、アメリカザリガニによる生態系への被害が各地で問題になっていることから、外来生物法によってアメリカザリガニの野外放逐や販売を規制する検討がなされています。飼っているザリガニや捕まえたアメリカザリガニを別の場所に放すことはつつしんでください。

 

お問い合わせ

建設局西部公園緑地事務所 工事課 0422-47-0192