井の頭池だよりR2 1月

2021年1月22日(金) 水鳥の観察ポイント


井の頭池では、例年10月頃から冬鳥が飛来し始めます。2020年10月の池だよりでは、ヨシガモやヒドリガモなどの冬のカモの到来をお知らせしました。ひとたび飛来した冬鳥は冬の間ずっと井の頭池にいるわけではなく、ほかの池や川と行き来しているため、見られる種類や個体数は日々変化しています。2020年11月頃には、ハシビロガモのつがいやホシハジロの群れが滞在していましたが、12月頃には見かけなくなりました。
 
ハシビロガモはその名の通り、平べったいくちばしが特徴です。 オス(写真手前)の頭部は光沢のある深緑色をしています。
ホシハジロの群れ オス(写真左奥と右手前)は赤茶色の頭部と灰色の背のコントラストがはっきりしています。

12月になると見られる種数に大きな変化はなくなり、マガモ、キンクロハジロ、オオバンなどが確認されています。キンクロハジロは潜水して水中の小動物などを食べるため、水深のある開けた水面に群れでいることが多いです。最近はキンクロハジロの群れの中にホシハジロが数羽いることがあります。
 
休息中のキンクロハジロとホシハジロ

マガモは1つがいが確認されています。数が少ないので見つけにくいかもしれませんが、葦島などの浅場で採食していることがあるので、探してみてください。
 
浅場で採食するマガモのつがい オス(写真左)は緑色の頭部と黄色のくちばしが特徴です。

オオバンはキンクロハジロのように潜水することもあれば、浅場で採食することもあります。オオバンの水かきは弁足(べんそく)という、木の葉のような特徴的な形をしているため、陸上にいるオオバンを見かけたらぜひ観察してみてください。
 
オオバンは黒い体に白い額とくちばしで、遠くからでも識別しやすいです。

カルガモは通年見られますが冬には数が増え、11月以降は30羽以上を確認する日が多くなりました。水面を泳ぐ姿はもちろん、岸辺に上陸して寝ている様子や浅場で採食する様子、時には園路を歩いている様子なども見られます。思いのほか近い距離で出くわすことも多いので、驚かさないようにして観察してみてください。
 
草地を歩くカルガモ

公園内では、この時期に観察できる水鳥を紹介したリーフレット「井の頭池の生きもの 秋冬の水鳥」を配布しています。また、かいぼり新聞の最新号(27号)では2020年度の水鳥の繁殖状況をまとめています。かいぼり新聞は公園内に掲示されているほか、井の頭公園公式HPでも閲覧できますので、ぜひ併せてご覧ください。

 

2021年1月8日(金) 「ちょこっとかいぼり隊」開催しました


12月13日(日)に「池のために、ひと仕事!ちょこっとかいぼり隊」を開催しました。このイベントは、井の頭かいぼり隊と一緒に水辺再生の取組を行うものです。
今回は、池への泥水流入を防ぐための「しがら柵作り」と「浸透地の泥上げ」を行いました。「しがら柵」は園内の剪定作業で発生した枝を利用し、それらを編み込んで作った柵で、土砂や落ち葉などをせき止めて雨水だけを池に流す役割があります。「浸透地」は地面を掘り下げた場所で、泥水が池に流れないよう、雨水と共に流れてくる泥や落ち葉を沈殿させるためのものです。
 
参加者の皆さん、作業の説明を熱心に聞いています。

この日作業した地点は、以前から「しがら柵」や「浸透地」を整備している場所です。これらの仕組みは一度作ったら終わりではなく、正常なはたらきを維持するために、定期的にメンテナンスを行う必要があります。
 
しがら柵は、編み込んだ枝が崩れてしまった部分に新たに枝を加えて補強していきました。なるべく細かく編み込むことで、崩れにくくなるようしっかりと仕上げていきます。
 
かいぼり隊員と一緒に枝を追加。しっかりした仕上がりになりました![提供:井の頭かいぼり隊]

浸透地は雨水と共に流れ込んだ泥が堆積するため、新たに堆積した分をスコップで取り除いていきます。堆積した泥はやわらかく、ふかふかした土を掘る作業は子どもたちに大人気でした。掘り出した土は、池周辺の斜面林の表土が踏み固められたり流出したりしている場所に運び、補充しました。
 
土を運び出すソリにどんどん溜まっていきます。

参加者からは「池に泥水が流れ込んでしまっていたことを初めて知った。」「実際に作業に参加できて嬉しい。」といった感想をいただいたほか、通りかかった来園者からも作業に関する質問をいただきました。かいぼり隊が行っている水辺再生の取り組みを広く知っていただける良い機会となりました。
 
「ちょこっとかいぼり隊」は1月10日(日)に今年度2回目の実施を予定していましたが、新型コロナウイルスのさらなる感染拡大防止のため、開催中止となりました。今後新たに開催が決定した場合は、公園公式ホームページや園内ポスターにてお知らせいたします。
 

お問い合わせ

建設局西部公園緑地事務所 工事課 0422-47-0192
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