井の頭池だよりR8 5月
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水辺を舞い始めたトンボたち
●井の頭公園のトンボたち
初夏の気配が感じられるようになった井の頭公園。池のまわりを歩いていると、水辺を飛び交うトンボの姿を見かける機会が増えてきました。
5月に実施したトンボ調査では、7種を確認しました。アメリカザリガニ捕獲用の罠の浮きにちょこんとしているクロイトトンボや頭上を行き交うオオヤマトンボなど、意識してみると園内のさまざまな場所でトンボが観察できます。
一方で、今年の調査では、少し気になる変化も見られました。昨年は1,506頭確認されていたイトトンボが、今年は56頭と大きく減少していたのです。
井の頭池では、2013~2018年に実施した「かいぼり」の効果により、水質が改善され、イノカシラフラスコモやツツイトモなどの水草が見られるようになりました。外来種のコカナダモが大繁殖するなどの課題もありますが、水中には多くの水草が広がる環境が形成され、それがイトトンボ類の産卵場所となっていました。
しかし、植物プランクトンが大量に発生すると池の水が濁り、水中まで十分な光が届かなくなります。今年は湧水が少なく、池の水の濁りが例年より強いため、水草の生育が難しくなり、イトトンボ類の個体数減少につながったと考えられます。
池の中で起きたひとつの変化が、水草や昆虫など様々な生きものに影響を及ぼしています。こうした繋がりを見ると、井の頭池は多くの生きものが関わり合いながら成り立っていることを改めて感じられます。
イトトンボ類が減少しているとはいえ、5月はトンボの活動が活発な時期です。よく晴れた日の日中は、多くのトンボが観察できます。おすすめは、狛江橋付近のガマ類が生育している浅場や、井の頭公園駅側のボート池岸辺です。腹部に白色の帯が見えるコシアキトンボや、オレンジ色の羽に紋のあるコフキトンボのメスなどが見られます(5月時点)。
池の周りをゆっくり歩きながら、水辺を行き交うトンボたちをぜひ探してみてください。