渋滞緩和効果

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首都圏では放射方向の高速道路に比べ、環状方向の整備が著しく遅れてきたため、都心に向かう交通の分散が図れず、慢性的な渋滞が発生(※1)しています。→環状方向の高速道路が整備されると、それぞれが担う圏域に対し、通過交通の抑制、都心エ向かう交通の分散導入、周辺地域間での直接移動などの機能(※2)が活用され、放射方向への高速道路の渋滞が緩和します。→その結果、高速道路の渋滞を避けて幹線道路や生活道路に流入していた交通(※3)が、それぞれの交通の目的に適した道路に転換することで、道路の適正な機能分担が図られ、渋滞が緩和します。→外環道の関越道から東名高速までの区間については、特に、環状8号線など利用している交通の一部が転換することにより、これらの道路の渋滞緩和が期待されています。

※1 慢性的な渋滞の発生
首都圏では、東京都心部に自動車交通が集中していることから慢性的な渋滞が発生しています。東京都区部の一般道における混雑時の自動車の速度は時速18kmであり、時速20kmで走るマラソンのトップランナーより遅いなど、全国平均を大きく下回っています。

渋滞緩和効果 図2
渋滞状況 写真
出典:国土交通省東京外かく環状国道事務所ホームページ
渋滞損失 渋滞によって損なわれる大きなものの一つに「時間」があります。実際の旅行時間が、渋滞の無い状態の標準的な旅行時間よりも長ければ、その超過分が渋滞によって損なわれた時間です。しかし、「渋滞損失」は損なわれた時間だけでは表せません。たとえば別々の区間において渋滞で損なわれた時間が同じだとしても、その区間を通過する人数が多かった方が「渋滞損失」は大きいことになるからです。したがって、ある区間の「渋滞損失」の量は、「渋滞で損なわれた時間」×「そのときの通過人数」で表す必要があります。通過人数は道路交通センサス※の交通量に平均的な乗車人数を掛けて算出しています。さらに、道路交通センサスの交通量は1日当たりの交通量なので365倍して1年分としています。また、距離が異なる様々な区間で統計するために、どの区間も距離1km当たりで「渋滞損失」を表す必要があるので、算出した「渋滞損失」の量をその区間の距離で割ります。このように、「渋滞損失」は距離1km当たり1年分の「渋滞損失時間×通過人数」で表され、数値が大きいほど損失が大きいことを表します。

※ 道路交通センサス:全国の道路と道路利用の実態を捉え、将来の道路整備の方向を明らかにするため、概ね5年に1回の割合で全国の道路状況、交通量、旅行速度、自動車運行の出発地・目的地、運行目的等を調査するもの。

※2 環状道路の機能(抜粋)

通過交通の抑制 通過交通の都心部流入を抑制します。、分散導入効果 郊外から都心への交通を分散導入します。、地域間移動 周辺地域の移動が直接できます。
出典:国土交通省東京外かく環状国道事務所ホームページ資料に一部加筆

※3 渋滞を回避した交通の幹線道路や生活道路への流入

都心方向交通の幹線道路や生活道路への流入イメージ
出典:国土交通省関東地方整備局ホームページ資料に一部加筆

お問い合わせ

三環状道路整備推進部 整備推進課
電話:03-5320-5172(直通)
E-mail : S1000312@section.metro.tokyo.jp

記事ID:017-001-20240820-006149