井の頭池だより30 9月
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2018年9月28日(金)
鏡のような水面
かいぼり29以降に井の頭池で変化したことのひとつ、それは「噴水型曝気(ばっき)装置」を停止していることです。このため、風のない日には波ひとつ無い鏡のような水面を見ることができます。
こうしたことから、今春から装置の運転を停止しています。
残雪により装置周囲に堆積した泥の状況が見て取れます。
本来、池底は砂礫ですが、噴水型曝気装置付近や水流の弱い区域に泥が堆積しているのが分かります。
こちらはかいぼり後も運転していましたが、8月の落雷により井戸揚水ポンプの一部が故障したため、やむなく止めています。現在、修理を手配中ですが、特殊な物なので復旧までに数ヶ月を要する見込みです。
2018年9月21日(金)
かいぼり隊、陸ではたらく
今年は精力的に陸上でも活動しているかいぼり隊。
池岸の各所には、雨の日の泥水流入防止のための「しがら柵」が続々とお目見えしています。
狭い斜面で作業しにくい地点でしたが、きれいに組み上げることができました。これからの台風・落ち葉シーズンに間に合ってよかったです。雨上がりのしがら柵にご注目ください。
かいぼり29で泥をいじった場所は、埋土種子から在来植物だけでなく、外来植物も発芽してきます。外来植物には、アメリカセンダングサのように大型化したり、1種だけで場所を独占してしまう種があります。これらを種子散布の前に抜き取りました。
作業後には、コサギとゴイサギが降り立って、なにやら獲物を追っていました。
この湿地に水生植物が生え、バンが営巣する日が来ることを期待しながら作業を続けています。
2018年9月14日(金)
8月の暑い日が続くなか、都庁のインターン生と共に、池や陸地での活動を行いました。
この日の活動メニューは、午前にアメリカザリガニ防除・ヨシ刈り、午後に浅場整備作業となっていました。
フローター初体験のインターン生の方も、かいぼり隊のサポートを受けながらワナを引き上げていきました。スッポンやナマズが取れることも!防除活動の後にはアオミドロの回収も行いました。
ヨシを刈り取ったことで、ベンチ前から池への眺望が良くなり、ヒメガマも鑑賞できるようになりました。
ボート池左岸斜面には、降雨時に泥水が池に流入するのを防ぐための土留め柵が設置されています。
刈り取ったヨシはここの土留めに使用しました。
午後には、七井橋左岸部の島の整備を行いました。
作業前には矢印の示すあたりまで水が入っていました。ひたひたな湿地を目指して池側からの水を引き込むために、この水が入ってきている溝を陸側に掘り進めました。
掘り進める中で現れる根を切ったり、掘った土を水深の深めな場所に運んでならしたり、といった作業もあわせて行いました。
クワやスコップを振るい続けて掘り進めた結果、溝が延長し、島の奥の方まで水が通るようになりました!
2018年9月10日(月)
アオミドロを除去しました
初夏から夏の井の頭池には、緑色の綿あめのような塊が水面を漂うのが見られます。アオミドロです。
アオミドロは水温が高くなると発生します。発生初期は池底にくっついていますが、気泡を発して水面に浮上。日数が経つと褐色~黒色に変化し、腐敗臭を放ちます。
アオコと違って水質を悪化させませんが、見た目が美しくないので評判はよくありません。特に池の上流端には、浮遊しているアオミドロが南風で吹き寄せられるので、池全体が汚いような印象を与えてしまっていました。
清掃業者によるアオミドロ等の回収作業が行われていますが、岸から遠いものは回収できませんでした。
そこでこの夏からかいぼり隊もアオミドロ回収に加わりました! フローターに乗ってアオミドロを岸に寄せる人、陸から網ですくい取る人・・・。毎週のアメリカザリガニ防除活動の後に30分、連携プレーできれいにしました。
吹き寄せられたアオミドロは、ツツイトモの切れ藻とまぜこぜになっています。切れ藻は生きていますし、生きものの隠れ家になるので取る必要はありませんが、アオミドロと分離できないものは併せて水揚げします。岸で水を切っておく間に、切れ藻に隠れているヤゴは池へ戻っていきます。水揚げしたアオミドロは、回収車でバックヤードへ運んでもらいました。
今年は空梅雨から続く猛暑で降水量が少なかったため、緑藻類が繁殖して池が緑色になりました。こうして透明度が下がったことにより、アオミドロも衰退し、水面のかたまりも目立たなくなりました。そのため、かいぼり隊によるアオミドロ除去作業は8月末に一旦中止し、今後の発生状況を見ていきます。