井の頭池だよりR5 8月
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2023年8月9日(水) 井の頭池の湿地帯
井の頭池の池畔には、浅場と呼ばれる湿地帯がいくつかあります。かいぼり以前は垂直護岸しかなかった池畔に、かいぼりをきっかけに整備した場所です。陸と池の間がなだらかな傾斜でつながる移行帯(エコトーン)として、さまざまな生きものに利用されています。
池底の泥を浅場に利用したことにより泥の中で眠っていた埋土種子が芽生え、今では東京都の絶滅危惧種が十数種類も見られます。
市民参加イベントで浅場づくり(2018年3月) 池干し中の池底から泥を運搬しました
春、最初に目につくのは、サジオモダカ(東京都レッドリスト北多摩(以下、都) 絶滅危惧IA類)。お茶の水池の自然情報板付近で多く見ることができます。
サジオモダカ スプーンのような葉っぱがかわいらしい
初夏から夏にかけては、次々にカヤツリグサやスゲの仲間が見られます。
ジョウロウスゲ(都 絶滅危惧IB類) コロコロとした花穂が4~6個付きます
カンエンガヤツリ(都 準絶滅危惧) 花のつき方は花火のよう
これらの湿生植物は、耕作や洪水などによって表土が掘り起こされ泥が露出している環境で発芽します。浅場では井の頭かいぼり隊が、冬に泥を掘り返すなどの手入れを続けています。
浅場の手入れ 夏は増えすぎたヨシやガマを刈り取ります [提供:井の頭かいぼり隊]
夏から秋にかけては、ミソハギの可憐な花が池畔のあちこちで咲いています。ミソハギはお盆に供える花としても知られています。七井橋や狛江橋では、ヒメガマやガマのきりたんぽまたはソーセージのような茶色い穂が多く見られます。この穂は年末頃に熟して弾け、綿毛がフワフワと飛んでいきます。逆光の中、風に綿毛が舞う様子は幻想的です。
草だらけに見えるかもしれない場所ですが、このように見どころはたくさん!池畔の説明板も見ながら貴重な植物観察を楽しんでみてください。
お問い合わせ
建設局西部公園緑地事務所 工事課 0422-47-0192