印刷する

妙正寺川・善福寺川 河川激甚災害対策特別緊急事業

1.妙正寺川・善福寺川

 妙正寺川は、杉並区の妙正寺池を水源に持ち、途中で江古田川を合わせ、新宿区内で神田川(高田馬場分水路)に注ぐ、延長9.7kmを有する一級河川です。
 善福寺川は、杉並区の善福寺池に源を持ち、和田堀公園内などを経て同区内で神田川に注ぐ、延長約10.5kmを有する一級河川です。
 両河川とも、神田川水系の河川ですが、市街化の進展に伴い、流域の保水能力が低下し水害の危険性が高まっています。こうした状況に対応するため、東京都は、1時間あたり50ミリ規模の降雨に対応する護岸や神田川・環状七号線地下調節池などを整備しています。

神田川流域図

2.集中豪雨による被災と対策

 平成17年9月4日の夕方から5日の未明にかけて大規模な集中豪雨が発生し、妙正寺川の上流域にある杉並区の下井草観測所では、1時間あたり最大で112ミリの降雨を記録しました。この豪雨により、妙正寺川や善福寺川の流域では大規模な浸水被害が発生し、中野区や杉並区などを中心に3,000戸以上が被災しました。
 このように甚大な被害を受けたことから、都は妙正寺川・善福寺川において、緊急かつ重点的な河川の整備を実施して、再度の水害を防止するために、河川激甚災害対策特別緊急事業(以下「激特事業」という)の採択要望書を国土交通省に提出し、平成17年11月18日に採択されました。

平成17年9月4日~5日の大雨の雨量と河川水位の変化のグラフ(下井草雨量観測所/千歳橋推移観測所)。4日18時にマイナス3メートル以下だった河川水位は、21時から22時にかけて護岸高まで上昇した。雨量は、20時から21時に約20mm/h21時から22時は約110mm/h、22時から23時は約80mm/h、23時から0時は約30mm/hで、以降の時間帯は河川水位とともに減少する。22時ごろから0時までが溢水時間帯にあたる。
橋桁に洪水が激しくあたっている状況
(妙正寺川:中野区松が丘二丁目付近)

3.激特事業の概要

 激特事業とは、洪水や高潮などで甚大な被害が発生した際に、緊急かつ重点的な治水対策を実施する事業のことです。
 主な採択要件は、1.浸水家屋が2,000戸以上、2.一定の計画に基づくもの、3.事業期間は概ね5箇年などです。
 都はこれまでにも神田川で2回、目黒川で1回、大規模な浸水被害が発生 した際に激特事業を実施し、大きな成果を上げています。

4.妙正寺川・善福寺川における激特事業について

 今回実施する激特事業では、河川の拡幅や川底の掘り下げなどにより、流下能力の向上を図るほか、両河川から環七地下調節池への取水施設などの整備を5か年で集中的に実施することにより、再度の水害防止を図っていきます。

事業区間

妙正寺川(落合調節池~環七地下調節池取水施設)
善福寺川(環七地下調節池取水施設~和田堀第六調節池)

  • 事業期間平成17~21年度
  • 採択事業費113億円
  • 主な実施事項
    • 妙正寺川河道整備 約3,600m
      • 護岸整備(約1,290m)(橋梁架替部を含む)
      • 河床掘削(約3,600m)(護岸整備と重複箇所を含む)
      • 橋梁の架替え(区道橋:8箇所)
    • 善福寺川河道整備 約390m
      • 護岸整備(約390m)
      • 橋梁の架替え(都道橋:1箇所、区道橋:2箇所)
    • 善福寺川和田堀第六号調節池の整備
      • 既存施設の貯留能力増強(25,700m3→48,000m3)
    • 環七地下調節池の整備
      • 妙正寺川取水施設整備
      • 善福寺川取水施設整備
妙正寺川の浸水被害範囲と事業実施箇所の地図
妙正寺川の浸水被害範囲と事業実施箇所
善福寺川の浸水被害範囲と事業実施箇所の地図
善福寺川の浸水被害範囲と事業実施箇所
妙正寺川の断面拡大イメージ
善福寺川の断面拡大イメージ

お問い合わせ

東京都 建設局 河川部 計画課
〒163-8001
東京都新宿区西新宿二丁目8番1号 都庁第二庁舎6階
電話 03-5320-5414 e-mail s0000384@section.metro.tokyo.jp

降雨時に役立つ情報

事業別に見る