第4回議事要旨

日時 平成27年2月25日(水)午後12時40分~5時
場所 国土交通省荒川下流河川事務所荒川知水資料館

一、亀島川(係留施設、緑化整備)見学
  • 係留保管施設の供用開始について
  • 亀島川緑化事業について
  • 日本橋川下流の耐震補強事業について
  • 係留船について
二、荒川知水資料館施設見学
三、議事
  • 神田川流域河川整備計画の変更について
  • 都民委員による提案経過報告
四、岩淵水門現場見学
五、閉会
配付資料
  • 施設見学ルート図
  • 日本橋川・亀島川流域連絡会施設見学行程
  • 隅田川水辺テラスのみどころマップ
  • Arakawa Riverside View DATA
  • 「神田川流域河川整備計画」の変更について
  • アンケート用紙
  • 第八期第3回日本橋川・亀島川流域連絡会議事要旨
  • 荒川下流河川事務所資料(荒川知水資料館1Fにて配布)

第八期・第4回日本橋川・亀島川流域連絡会 写真

  • 連絡会状況1/6
  • 連絡会状況2/6
  • 連絡会状況3/6
  • 連絡会状況4/6
  • 連絡会状況5/6
  • 連絡会状況6/6

第八期・第4回日本橋・亀島川流域連絡会
[議事及び議事録要旨]

1.亀島川(係留施設、緑化整備)見学
<<係留保管施設の供用開始について>>
■説明【事務局】
  • 係留保管施設の供用を先月から開始しました。
  • 2月13日現在、船舶所有者6名と契約を締結しています。
  • カメラを5台設置しました。
  • 亀島川に残っている不法係留船舶については、中央区による個別折衝強化により、大部分の船舶所有者が具体的是正に向け動いています。
  • 一部船舶所有者とは現在調整中であり、引き続き折衝を行っていきます。
  • 所有者不明の沈廃船については、今後東京都が処分予定です。
■質疑応答
【都民委員】
今来ているのは全部ここの川にいた船ですか。よそからの船も入っていますか。
【オブザーバー】
現在こちら右手(南高橋・高橋間左岸)に泊まっている船舶は、中央区内で、プレジャーボート、不法状態となっている船舶、亀島川、あと中央区の佃堀から1隻入っております。その他、現在泊まっている船舶については全て亀島川です。ですから今6人契約されている内、5人が亀島川、1人が佃堀になっております。
【都民委員】
難航する理由というのはだいたいどういうことがあるのでしょうか。
【オブザーバー】
1つはまず、船舶所有者と連絡が取れないというのがあります。過去どういう経緯だったかを全て調べた上で折衝しなければならないというところで、時間がかかってしまうということもございます。それと、船舶所有者が分からないところもある中で、それぞれ調べながら折衝を進めていくというところで時間がかかっているということはあります。現在、亀島川の船舶所有者に関しては全て調べが終わっていまして、残り1名の方がこの係留施設に入るのか、それとも他のマリーナへ移動するのか、それとも廃船してしまうのかについて、意思決定をまだ出来ない状態でいるので、その方とはまだ折衝をさせてもらっている状況です。
【都民委員】
全部で何隻ぐらいいらっしゃったのですか。
【オブザーバー】
8隻ありました。残り船舶については、所有者不明で使われていない船舶、ただ置かれてしまっている船舶が4隻、それと、沈没してしまっている船が4隻ございました。
【都民委員】
この桟橋なのですけれども、ここはあくまで個人のための桟橋として造ったわけですか。日本橋の船着場というのは多くの会社さんが利用されていますよね。そういう形で、ある区域だけを開放はしないわけですか。
【オブザーバー】
こちらは東京都が、船舶係留対策の1つとして、今回、亀島川にこの係留施設を設け、基本的には現在不法占用となっている船舶を一時的に保管するための施設となっています。現在、旧江戸川等にも、東京都で同様な施設を設置しておりまして、こちらについては、適正化を進める上で、自転車の不法占用でいいますと、駐輪場施設と同じような考え方で整備されております。
【都民委員】
料金は無料ですか。
【オブザーバー】
施設利用料としては、現在この施設自体は公園協会さんが管理しておりまして、公園協会さんとの契約の中で月に3万円プラス消費税で、大きさによって若干変わります。中央区の場合ですと、他の旧江戸川に比べて若干高めになっております。
【都民委員】
契約期間というのは、1年更新ですか。
【オブザーバー】
契約条項ですと、1年の更新になっております。
【都民委員】
この仮設の船着場、これからの乗り降りというのは、どういう制限がされていますか。
【オブザーバー】
利用時間については、夏場と冬場で1時間ほど違いまして、不確定なところもあるのですが、時間制限8時から、冬場は19時、夏場は20時、というような利用制限がかかっていることと、右側(左岸)の公園のところから門扉がありまして、入るときは鍵が必要で出るときは鍵が必要ないような扉が、付いています。利用者が適正に使うよう抑止する上でも、今回地域の方からの要望で、防犯カメラを設置して管理していくと。その他、火気関係、水道関係、電気関係がこちらには整備されておりませんので、それぞれについては、ここでは一切できないということで、例えばガソリンを入れ替える等も出来ない条件となっております。
【都民委員】
この船の所有者が、例えば営業や社会貢献でお客さんをこの中に誘導するということは別に制限はされていないということですか。
【オブザーバー】
第三者といいますか、こちらでの営業とか人を乗り入れすることは、認めておりません。
【都民委員】
乗下船は、所有者以外はできないと。
【オブザーバー】
基本的に、営業目的でなければ利用は可能です。普段利用する中で、2人、3人と乗り降りするのは問題ないと。
【オブザーバー】
ここ(高橋・亀島橋間左岸)にある3隻は、昭和30年代に占用許可を受けていまして、施設に入ることは出来ません。
【都民委員】
そういう船を本来移動できると、すっきりしますね。それは既得権という範疇なのか、契約が継続している範疇なのか、どちらですか。
【オブザーバー】
契約の継続。既得権という概念はないです。
【都民委員】
契約が継続しているということは、向こうに移動しましょうというのは通用するのではないですか。河川管理者の都合によりという。
【オブザーバー】
例えば、護岸整備等の整備計画のもと移動してくださいという話には持っていける可能性はあるのですが、やはり一度占用許可を受けた経緯というのを外すということにはかなりの力が必要となると考えています。
【オブザーバー】
左側(亀島橋・新亀島橋間右岸)にある単管関係も、以前ここに船が泊まっていたのを向こうへ移動した後です。ですから所有者、単管等を撤去して片付けていく予定です。ちなみにこの左側(亀島橋・新亀島橋間右岸)の2隻が所有者不明、堪航性なしです。
【都民委員】
右側(亀島橋・新亀島橋間左岸)のは。
【オブザーバー】
右側(亀島橋・新亀島橋間左岸)のは移動して、係留施設に入っております。
【都民委員】
新規の受付はしているのでしょうか。
【オブザーバー】
今後、公園協会さんの管理下になっていくので、おそらく、適正化している河川の中で、東京都がどう扱うか、新規の受付ということは東京都を経由しないと有り得ないので。今6隻と契約しているので、4隻分空きはあるのですけれども、その4隻分に対して募集をかけるということはしないです。
【都民委員】
これはどういう状態ですか。(新亀島橋下流右岸)
【オブザーバー】
これは左側(新亀島橋下流右岸)が先程の、あと一部。それで、こちらの方は移動する予定です。この船(新亀島橋下右岸)も移動します。右側(新亀島橋上流左岸)にブイがあるのですが、新亀島橋上流左岸には船が2隻沈んでおります。
<<亀島川緑化事業について>>
■説明【行政委員】
  • 亀島川緑化事業は今年度いっぱいの工事を予定しています。
  • 現在、工事で使用する黒土を運搬している最中です。
  • 現在、植栽するエリアはコンクリートのブロックを積み上げた形で出来上がっています。
  • 今後、他のところと同様の構造のものを整備する予定です。
■質疑応答
【都民委員】
緑化事業は、今年度でほぼ完了になるのですか。
【行政委員】
この後、このもう少し上流に亀島橋と、さらにその上流に新亀島橋がありまして、右岸側まだ整備が済んでいない箇所がありまして、平成27年度の工事を予定しております。それから今、この左側(南高橋・高橋間右岸側)の川幅が広くなっているところにつきましては、中央区が散策路を整備するということでその計画を今進めている状況でございます。
【都民委員】
ここは歩けるようになりますか。(南高橋・高橋間左岸)
【行政委員】
今見えている右側(南高橋・高橋間左岸)のところは幅があまりないので、基本的にはここに船を泊めていらっしゃる方だけが入る形になりまして、この左側(南高橋・高橋間右岸側)は広いテラスになっていますので、こちらは中央区が散策路として整備して、一般の方が歩ける施設になる予定です。
【都民委員】
こちらは歩けないわけですね。(南高橋・高橋間左岸)
【行政委員】
今ここでいう右側、左岸側についてはあまり幅がないので、今のところは歩くことは考えておりません。
【都民委員】
先程おっしゃったのはこのテラス?(霊岸橋下流左岸)
【行政委員】
そうですね。右側(新亀島橋・霊岸橋間左岸)も緑化をやっていないのですが、ここについては区が散策路を整備するという計画を持っていまして、ただここに降りるのにちょうど今右前(左岸側)のところにブルーシートが護岸の上にあり、あの位置は実は不法占拠されている土地で、あそこの土地が解決して、そこから降りるような構造にするということを考えておりまして、その辺の処理が済むまで整備は止まっているという状況です。
【都民委員】
あの場所は元々川のところですよね。(霊岸橋下流左岸)
【行政委員】
川の土地だと聞いております。
<<日本橋川下流の耐震補強事業について>>
■説明【行政委員】
  • 日本橋川下流の豊海橋・茅場橋間について、今後、東京都が防潮堤の耐震補強事業を行うということで、今年度、測量と地質調査を完了しました。
  • 引き続き、耐震補強の設計を進め、工事を行う予定です。
<<係留船について>>
■説明【オブザーバー】
  • 日本橋川下流(豊海橋・湊橋間右岸)に係留している船団の排除について、現在、一番多くの船舶を持っている所有者と折衝を始めています。
  • 現時点で、12月の折衝時と船の数は変わっていません。今後、船舶を減らす計画を、中央区と調整の上で履行できればということになっています。
  • 一部、船舶の売買が行われているのではという情報があったが、そのような事実はないとのことです。
  • 船舶所有者とは毎週連絡をとり、確認しています。
■質疑応答
【都民委員】
真ん中(船団中央部)に沈船があるのは確認していますか。
【オブザーバー】
はい。
2.荒川知水資料館施設見学
■説明【荒川知水】
  • 荒川知水資料館の隣には、隅田川の始まりである岩淵水門があります。現在荒川と呼ばれているのは、約80年前に人工的に掘られた放水路です。
  • 「イコノス」では人工衛星から撮影した荒川を見ることができます。下流部に限っては治水地形分類図、浸水想定区域図、荒川放水路が建設される前の明治42年迅速図、地盤高図などを表示することもできます。
  • 旧岩淵水門は、大正13年の完成当時は荒川放水路と元の荒川、今の隅田川との分岐点に設けた水門です。洪水を放水路へ流して隅田川への流量を830m3/sec以下に調整するために造られました。旧岩淵水門は、老朽化や地盤沈下、新しい計画に対する能力不足により、その役割を現在の岩淵水門に引き継ぎました。新しい計画とは昭和48年に改定された工事実施基本計画で、目標とする治水の安全度を引き上げ、岩淵地点で7000m3/secの流量を安全に流すこととされたものです。現在の岩淵水門は、洪水時に閉められても荒川からの洪水を隅田川へ流下させないこととしています。
  • 荒川は人工の河川ですが、現在では草木が育ち、様々な生き物が確認されており、汽水性の生き物も確認されています。荒川下流河川事務所では、定期的に動植物の生息や生育状況の調査を実施しています。
  • 荒川の流域面積は約2940km2。荒川流域は、日本の人口の14分の1に当たる約930万人の人が住んでいます。人口の他に、資産や首都圏の中枢機能も集中しています。平地の方が勾配が緩くなっていて、水が溜まりやすく、洪水も流れにくいという特徴があります。
  • 荒川は度々氾濫を繰り返していて、徳川家康が開府後、治水対策として2本の堤防(日本堤、隅田堤)を築造しました。一方、上流では洪水を溢れさせて遊水地帯にして田畑として利用するなど、土地を使い分けていました。
  • 日清戦争、日露戦争後、工場地帯が急激に拡大し、遊水地帯の洪水からの開放が急務となりました。東京府及び東京市から荒川の放水路を掘ってくれという要請が、度々国に対して出されています。
  • 明治43年の洪水をきっかけとして、明治政府は第一次治水計画のもとに大規模河川での河川改修を急ぐこととなりました。このときに流量を調節するための施設として隅田川と荒川放水路の分岐点につくった水門が、旧岩淵水門です。
  • 荒川放水路の工事の最高責任者は、東京帝国大学を卒業後、パナマ運河建設に日本人で唯一携わった技術者である、青山士です。
  • 荒川放水路完成後、洪水の脅威から守られた隅田川や荒川放水路の沿川は発展し始めました。同時に、荒川流域では新たな問題として、人口増加や急激な発展に伴い生活用水や工業用水の需要が急増し井戸や地下水を利用したために、広域的に地盤沈下が発生しました。これにより、洪水氾濫が起きたときの被害が大きくなってしまいました。
3.議事
<<神田川流域河川整備計画の変更について>>
■説明【行政委員】
  • 河川整備計画とは、河川法に基づき、河川整備や維持管理の内容等について、河川管理者が策定する計画です。
  • 東京都は平成22年11月に「神田川流域河川整備計画」を策定しました。
  • 平成24年11月、12月には、治水対策の強化を図るため、大雨に対する強化である「中小河川における都の整備方針」、地震・津波対策である「東部低地帯における河川施設整備計画」を策定しました。
  • これらの方針をふまえ、平成27年度に、「神田川流域河川整備計画」を変更する予定です。
  • 主な変更点は以下の通りです。
  • 目標整備水準を時間50mm降雨から、時間75mm降雨に引き上げ。
  • 目標整備水準引き上げに伴い、新たに調節池を整備。
  • 日本橋川の防潮堤、亀島川の2つの水門について、将来にわたって考えられる最大級の強さをもつ地震に対して、安全性を確保するための耐震・耐水対策を実施。
  • 隅田川の水辺のにぎわい創出に向けた取組を推進。
  • 今後の予定として、5月1日から4週間の間で流域住民へのパブリックコメントを実施。
  • パブリックコメント実施に当たっては東京都広報や各流域区報に告知文を掲載。東京都ホームページや河川部、建設事務所、区役所において原案を縦覧。意見箱や郵送、メールにて意見を募集する予定。
  • 以降、専門家委員会の開催、流域区市等への意見照会を実施し、国土交通省に認可申請を行い、認可次第、策定・公表。
<<都民委員による提案経過報告>>
■説明【都民委員】
  • 亀島川沿いのこども川ミュージアム、展示テラス等の計画について、腐らない木材を実証した2社とともに小学校を訪問しました。
  • 今後5年から10年の間に実現したいため、これから模型を製作する予定です。
  • 前回の内容を、「ミュージアムアルコーブ1」「ミュージアムアルコーブ2」として具体化しました。「ミュージアムアルコーブ1」は川の生き物の水槽として、「ミュージアムアルコーブ2」には小学生の作品棚として設置します。
  • 関連した提案として、日本橋川構想で日本橋川船着場を東京オリンピックに当たって構想をされた体感型屋外博物館整備計画があります。是非、日本橋川と絡んだ形で、亀島川にも和船を取り入れてほしいと提案します。
4.岩淵水門現場見学
■説明【荒川知水】
  • 旧岩淵水門(赤い水門)は、荒川放水路開削の際に建設した水門です。荒川の洪水時に洪水を放水し、隅田川の流量を830m3/sec以下に調節するため設けられた水門です。
  • 旧岩淵水門は、1916年に着工、1924年に完成しました。老朽化や地盤沈下、河川の計画変更に伴い、現在は使われていません。
  • 岩淵水門(青い水門)は、1974年に着工、1982年に完成し、旧岩淵水門の役割を引き継ぎました。
  • 岩淵水門は、通常は隅田川の水質改善と船の通航のため、開けています。大雨や台風で隅田川が氾濫しそうな際に水門を閉め、隅田川への水の流入を止めています。
5.閉会
  • 事務局より閉会の挨拶

降雨時に役立つ情報

事業別に見る