東京のまちづくり ナンバー129
トップページ トピックス 特集 特集2 特別特集1 コラム 建設局

イキモノのイキな話78

ユウゼン


葛西臨海水族園におけるユウゼンの保全活動について

葛西臨海水族園 飼育展示係 森田夕貴

 葛西臨海水族園では、伊豆諸島や小笠原諸島を主な生息地とするユウゼンの飼育展示を開園当初から行っています。ユウゼンは日本の固有種で、全身が黒く、尾ビレも含めた体の一部が鮮やかな黄色で縁取られているのが特徴のチョウチョウウオのなかまです。小笠原を代表する生き物を多く展示している「小笠原の海4」水槽内で、凛とした印象を放ち、みなさんの目に留まるのではないでしょうか。

 ユウゼンは、その特徴的な見た目から観賞魚として人気があり、乱獲による生息数の減少が心配されています。しかし、詳しい生態がわかっていないため、保全や繁殖に取り組むための情報が不足しています。そのため、水族園では、2011年から小笠原諸島で潜水観察による生態調査を始めました。調査により、長期間ペアを維持し、同じ場所でくらすことや、日没直前にペアで産卵することがわかってきました。これらの結果を踏まえて、飼育下繁殖に取り組み、照明の点灯時間や、水温を調整することで、2021年に園内で初めて卵のふ化を確認できました。今後も生息地での調査と飼育下繁殖の取組を継続し、ユウゼンの保全活動につなげていきます。

 「東京の海」エリアの一番大きな水槽内で寄り添って泳ぐユウゼンを見に来ていただけたら嬉しいです。



〜動物園の"かお"〜

井の頭自然文化園
アムールヤマネコ

アムールヤマネコの子供たち

2022年5月、井の頭自然文化園では16年ぶりにアムールヤマネコが自然繁殖しました。2022年10月25日から公開しています。子どもたちにぜひ会いに来てください。

写真:アムールヤマネコの子供たち