上野恩賜公園に「上野トイレミュージアム」と名付けられたユニークなトイレが誕生しました。大噴水近くにあるトイレを、国立大学法人東京藝術大学の協力の下、これまでの都立公園には無かったようなトイレに改修したものです。

◆ 排泄という身近なことから何かに気づく仕掛け
　このトイレのテーマは‘排泄と健康　わたしと健康’です。建築科の学生が中心となりテーマを整理していくとともに、絵画科、工芸科や声楽科など多くの学生も協力して企画、制作が進められました。我々の身体の中にある「小さな循環」だけでなく、食物連鎖といった地球環境にも繋がる「大きな循環」を感じ取り、利用後には意識に小さな変化が生まれるような仕掛けが随所に施されています。「トイレミュージアム」という名称にも、こうした仕掛けを通し、上野に点在する多様な文化施設の１つとなる様に、という想いが込められています。

◆ トイレミュージアムの特徴
　５つある個室には、野生動物とその生息環境が封じ込められています。個室ごとに、パンダ、ライオン等が棲む環境や、動物の後姿が描かれ、タイルからは消化のかたち、手摺からは動物の食料の感触、音消しの擬音装置からはその息遣いが伝わってきます。モノも音も声も、学生が恩賜上野動物園で動物を観察するなど試行錯誤を重ねて創作したものです。是非「トイレミュージアム」にて、上野恩賜公園の新しい魅力を体感して下さい。