東京のまちづくり ナンバー129
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イキモノのイキな話78

ジャイアントケルプを海中で支えるからだのつくり

葛西臨海水族園 飼育展示係 八木花乃香

 北アメリカの西海岸などで見られるジャイアントケルプは、長さ60メートル以上に成長する世界最大の海藻です。こんなに大きなからだを、海の中でどのようにして支えているのでしょうか?

 そのためのからだのつくりのひとつが、根元にある「仮根(かこん)」です。細かい網目状をした仮根は、同じ海藻であるコンブやワカメの仮根と同様、岩の表面に放射状に広がり、自らをしっかりと固着することで、波に流されたり倒れたりするのを防いでいます。ただし、陸上の植物の根とはちがって栄養や水分を吸収することはできません。そのかわり、からだ全体で海水中から吸収しています。

 ふたつめは「気胞」です。葉の付け根にひとつずつついていて、中は空洞で気体が入っています。これが浮力となり、大きなからだを水面に向かってまっすぐ立たせることができるのです。また、まっすぐ立つことで、からだ全体が海中に大きく広がり、海水中の栄養や水分を吸収しやすくなるとともに、太陽の光を受ける面積が増えて光合成を行いやすくなります。

 葛西臨海水族園では、このジャイアントケルプを「海藻の林」水槽で展示しています。現在展示しているものは、2020年10月に新たに導入しました。長さはおよそ5mほどですが、これからどこまで成長するのか楽しみです。ご来園の際にはその大きさだけではなく、からだのつくりにも注目しながら観察してみてください。

左:「海藻の林」水槽 右:ジャイアントケルプの気胞



〜動物園の"かお"〜

葛西臨海水族園
オウサマペンギン

オウサマペンギン

春から秋にかけて屋内で避暑をしていたオウサマペンギンを、屋外展示場でご覧いただけます。