イブキとプラム
多摩動物公園 北園飼育展示係 伊藤香緒里
昨年、多摩動物公園では2頭のチンパンジーが生まれました。先に生まれたのがオスのイブキで、4月30日に生まれました。母親のモモコはそれまでに2頭の子どもを育ててきたベテランのお母さんです。イブキが生まれてから約4ヶ月後の8月25日には、メスのプラムが生まれました。母親のピーチにとっては初めての子育てとなりました。生まれたばかりの頃の2頭はいつも母親と行動を共にしていましたが、最近では母親から離れたところで遊ぶ様子なども観察できます。
同じ群れの中で育つイブキとプラムですが、成長に伴い、少しずつ2頭の違いが見えてくるようになりました。イブキはやんちゃで負けず嫌い。5歳年上のお兄ちゃんであるフブキがやることは何でもできると思っているのか、フブキをまねしてロープを登ったり、高い所からジャンプしたり、活発に動き回ります。一方、プラムはおっとりしていて、マイペース。あまり母親のそばを離れず、群れの大人たちに優しく見守られ、時には遊び相手になってもらいながら、すくすくと育っています。
イブキとプラムの2頭の違い。これは月齢の違いが理由なのか、性別の差なのか、兄弟の有無によるものなのか、母親の違いなのか。考えれば考えるほど興味深い違いです。答えが出る日が来るかはわかりませんが、2頭の成長を今後もしっかりと見守っていきたいと思います。