ニシゴリラ「スモモ」の群れ入り
恩賜上野動物園 東園飼育展示係 小澤詩歩
ニシゴリラのスモモは、2022年5月31日に誕生しました。母親モモコの体調不良により授乳が確認できず、人工哺育へと切り替えましたが、生まれてから毎日、母親のいる群れとのお見合いを柵越しに実施していました。そして、約9か月後の2023年3月13日、スモモは無事に群れに入ることができました。
スモモが群れ入りをするまでのステップとして、まず1週間前の3月6日に母親モモコとの同居を行い、続いて3月11日には父親ハオコとも同居を行いました。モモコ、ハオコともにスモモを問題なく受け入れたことから、13日に群れと合流させました。
群れ入り直後のスモモは、今まで間接的にしか触れ合っていなかった家族を間近にして、少し緊張しているようにも見えました。しかし、数時間もするとモモコのそばで遊び始め、モモコ以外のゴリラに自ら抱きつくなど、「本当に今日初めて群れ入りをしたのか?」と驚くくらいすぐに群れに馴染んでいました。一方、ほかのゴリラたちは、モモコの背中にいるスモモに気づくとモモコの後ろにピッタリと付いて歩き、時には手や口でスモモに優しく触れていました。今では、モモコ以外に抱かれていたり、姉兄と一緒に遊んだりするスモモの姿もよく見られます。
これからスモモと群れがどのように成長していくのかとても楽しみです。スモモが加わり、さらに賑やかになったニシゴリラの群れのようすを観察しに、ぜひ上野動物園へお越しください。