アジアゾウ「アヌーラ」国内最高齢記録更新!
多摩動物公園 南園飼育展示第1係 田口陽介
多摩動物公園のアジアゾウ「アヌーラ」(オス)は、2023年1月1日で推定70歳となりました。これにより、アヌーラは井の頭自然文化園で飼育されていたアジアゾウ「はな子」(メス)が持っていた推定69歳(2016年5月死亡)という国内最高齢記録を更新することとなりました。
そんなアヌーラにこれからも長生きしてもらうため、私たちは日頃からさまざまな取組を行っています。たとえば、アヌーラの足への配慮があります。ゾウは体重が重いため硬い床では足への負担が大きく、また、足をけがすると起立不能になってしまうおそれがあります。起立できなくなると、3t以上の体重が内臓を圧迫し、死につながることもあります。それを防ぐため、アヌーラをなるべく足への負担が少ない砂地ですごさせるようにしています。
また、アヌーラは高齢により歯の嚙み合わせが悪いため、エサの乾草や青草を細かく咀嚼できません。咀嚼できなかった乾草や青草はフンにそのままの状態で排出されてしまいます。そこで、少しでも消化しやすいように乾草や青草を細断して与えています。
これまでのこのような飼育の工夫と、アヌーラ自身が持つ生命力のおかげか、アヌーラは70歳とは思えないほど元気な姿を見せてくれています。アヌーラが少しでも長生きできるように、これからもさまざまなケアを行っていきたいです。