東京のまちづくり ナンバー129
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イキモノのイキな話78

ミーアキャット


ミーアキャットのくらし

井の頭自然文化園 飼育展示係 松井由希子

 ミーアキャットはアフリカ南部の乾燥した平原に生息する動物で、1組のペアとその子どもたちからなる家族で群れを作り、地面にトンネル状の巣穴を堀って生活しています。社会性がとても豊かで、時に複数の家族が共同で暮らす大きなコロニーになることもあるようです。名前の「キャット」から英語の「cat」を連想しネコの仲間と間違われる事がありますが、実際はマングースの仲間です。

 当園では1組のペアとその2頭の子供、合わせて4頭のミーアキャットを飼育しています。天気の良い朝には、真っ先に太陽にお腹を向けて起立しています。これは日光を浴びて夜間に下がった体温を上げたり、必要なビタミンの生成に役立てたりしていると言われています。その後、砂場では旺盛に穴を掘り、毎日せっせと巣穴を作っています。一方、見晴らしの利く高い所に直立し、群れに危険がないよう見張りをする個体もいます。当園では、上空にヘリコプターや飛行機の飛行音が響いたり、カラスなどが飛び回る姿がよぎったりすると、「キッキッ」という警告の鳴き声を発し、群れに危険を知らせます。すると、皆一斉に身を隠せる避難場所に逃げ込み、身を守る行動をとります。見張りや日光浴など、時にユーモラスにも見える行動の数々ですが、そこには必ず何か意味があるのです。

 動物園では危険がないように人間が注意を払い、餌も不自由なく与えて飼育していますが、そのような飼育環境にあっても、動物が本来持つ習性から見せる行動は、生息地での生活を垣間見させてくれます。

 皆さん、そんなミーアキャットの生態を、じっくり観察してみませんか?



〜動物園の"かお"〜

葛西臨海水族園
トビハゼ

トビハゼ

 魚ですが、泥の上で暮らすトビハゼ。
 東京湾にも生息しています。
 泥の上をはうように移動したり、ジャンプしたり、ユニークな行動をぜひ見に来てください!