東京のまちづくり ナンバー129
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イキモノのイキな話78

意外と知らないトラの話

多摩動物公園 南園飼育展示係 川上壮太郎

 私たちの文化には昔からトラが根付いており、中でもいちばん身近なものがおそらく「十二支の寅年」でしょう。もしくは、動物園で見ることができるトラでしょうか。

 さて、今年は寅年。今回お話しするのは知っているようで知らない、トラについての小話です。来園者のみなさまからはさまざまな声を聞きます。中でも「ひとりでさみしそうだね」「ガオーって鳴かないね」などが多いように感じます。

 意外と知られていないようですが、トラは1頭でさみしいのかというと、実はそうではありません。ふだんは、オスもメスも縄張りをもち単独で生活していて、ライオンのように群れではくらしません。

 また、「ガオー」と鳴くこともありますが、これはいわゆる威嚇のときだけです。実は、発情しているとき以外はほとんど鳴きません。発情しているときは、大きな声で「アオォーン」という野太い声で鳴きます。

 そしてもうひとつ、みなさんが知らないであろうトラの「声」があります。それは「鼻鳴らし」といわれる特殊な音声です。口と鼻から息を吐き、声帯を震わせることで「グスグスグス」という何とも不思議な音を出します。トラは鳴くことよりも鼻を鳴らしてコミュニケーションをとることが圧倒的に多いのです。

 他にも、トラの意外なところがたくさんありますが、続きは多摩動物公園に来たときに、観察して見つけてみてください。

アムールトラ「シズカ」



〜動物園の"かお"〜

多摩動物公園
キリン

トナ

2021年9月に市原ぞうの国から多摩動物公園にやって来たキリンの「トナ」(メス)です。