東京のまちづくり ナンバー129
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イキモノのイキな話78

水族園生まれのチューブスナウトを展示しました!

葛西臨海水族園 飼育展示係
石神まゆか

 「カナダ西岸」水槽で、水族園生まれのチューブスナウトを展示しました。展示したのは、カナダのバンクーバー島で採集した個体が2020年7月に産卵したときの子どもたちです。

 チューブスナウトは全長15pほどの、細長い体が特徴的な魚です。クダヤガラ科に属し、アラスカからカリフォルニアまでの北アメリカ西岸に生息しています。繁殖期になると、オスが総排泄孔(肛門)から出す糸状の分泌物で海藻をぐるぐる巻きに束ねて巣をつくり、オレンジ色の腹びれを広げてアピールしてメスを誘います。メスはその巣に数十粒の透明な卵の塊を産みつけるのです。卵は孵化するまでのあいだオスが保護し、2週間ほどで全長約7oの成魚と同じ細長い体をした仔魚が孵化します。孵化から9か月を経て全長10pほどの大きさにまで順調に育ち、2021年の春に晴れて展示デビューとなりました。

 実は、水族園で初めてチューブスナウトの繁殖に成功したのは1998年のことで、それ以降継続して繁殖に取り組んでいます。自然の海からの採集だけに頼らず繁殖させて展示を維持することは、水族園のとても大切な仕事のひとつです。これからもより多くの生物を安定して繁殖、育成できるように挑戦していきます。

左:チューブスナウトの卵 右:チューブスナウト



〜動物園の"かお"〜

多摩動物公園
サーバル

サーバルの「アキ」

2020年11月にスロバキアから多摩動物公園にやって来たサーバルの「アキ」(メス)です。