東京のまちづくり ナンバー129
トップページ トピックス 特集 特集2 特別特集1 コラム 建設局

イキモノのイキな話78

こどもはどんな色?
クロキツネザルの赤ちゃん誕生

恩賜上野動物園 飼育展示課 西園飼育展示係
宇野 なつみ

  上野動物園の「アイアイのすむ森」で展示しているクロキツネザルは、野生ではアフリカ大陸の南東にあるマダガスカル島の森に生息しています。雌雄で体の色が異なり、オスは黒一色ですが、メスは背中が茶褐色、腹はクリーム色、アゴから耳の房毛が白色、の3色です(写真1)。2016年に来園した「イライ」(オス)と「マム」(メス)は相性がとてもよく、2018年と2019年に1頭ずつ子どもを生み育てました。そして2021年3月23日にも、また赤ちゃんが誕生しました。

 さて、クロキツネザルの子はどんな色をしているのでしょうか? 実は生後しばらくは、雌雄ともに母親と似た茶色っぽい色です。生まれてすぐの赤ちゃんは、母親の腹に腹巻きのように横向きの姿勢でしがみついています。母親の色に似ていることで、赤ちゃんが目立ちにくく、身を守るのに都合がよいと考えられています。そしてオスは生後5〜6週、ちょうど母親の体から離れ始めるころまでに黒く変わります。ただし耳の房毛の色は初めから雌雄で異なり、メスは白色です。2021年生まれの子(写真1)は、2019年生まれのオス(写真2)に比べて耳の房毛が白いので、メスとわかります。

 今年生まれの子は順調に育っており、4月末現在、母親の腹から背中に移動することが増えました。「アイアイのすむ森」は新型コロナウイルス感染症対策のため閉館していますが、みなさまに親子の姿をご覧いただける日を楽しみにしています。

写真1:黒色が父イライ、褐色が母マム、マムにつかまっているのが子ども(生後22日) 写真2:2019年生まれの子(オス、生後22日)とマム



〜動物園の"かお"〜

多摩動物公園
インドサイ

インドサイの「ゴポン」

2020年12月に横浜市金沢動物園から多摩動物公園にやって来たインドサイの「ゴポン」(メス)です。