東京のまちづくり ナンバー129
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イキモノのイキな話78

繁殖期を迎えるオシドリ

井の頭自然文化園 水生物館飼育展示係 村上咲葵

 鮮やかな日本の水鳥として知られるオシドリですが、そのような姿をしているのはオスだけです。しかもその姿は、季節によって大きく変化します。秋から春にかけて、オスは鮮やかな姿になってメスにアピールします。頭の後ろに長く伸びた冠羽や、腰の上に立ち上がった羽(銀杏羽)が特徴的です。しかし、繁殖期が終わって夏になると羽が生え変わり、メスと同じような灰色の姿をした非繁殖羽になります。

 「オシドリ夫婦」という言葉をご存知でしょうか。意味としては仲睦まじい夫婦の事を指します。これは繁殖期にオシドリのオスとメスが仲良く寄り添う様子から生まれた言葉だといわれています。しかし、その言葉とは裏腹に、オシドリをはじめとするカモの仲間は、毎年ペアの相手を変えることが多いのです。少し残念に思えるかもしれませんが、これは毎年多くの子孫を残すカモたちが遺伝的多様性を確保するための戦略なのです。

 現在、井の頭自然文化園では30羽を超えるオシドリの飼育展示を行っており、繁殖にも取り組んでいます。来春、ヒナが誕生した際には当園のウェブサイトでお知らせしますので、楽しみにお待ちいただければと思います。

オシドリのペア



〜動物園の"かお"〜

上野動物園
オカピ

トト

2020年11月に横浜市金沢動物園から上野動物園にやって来たオカピの「トト」(オス)です。