東京のまちづくり ナンバー129
トップページ トピックス 特集 特集2 特別特集1 コラム 建設局

イキモノのイキな話78

左:卵を守るウィーディシードラゴンのオス、右:成長した仔魚(撮影日:2020年2月24日)

井の頭自然文化園生まれのトウキョウサンショウウオ

井の頭自然文化園 水生物館飼育展示係 高濱由美子

 東京都には、3種のサンショウウオの仲間の生息が知られています。そのうちトウキョウサンショウウオは、東京都西多摩郡多西村(現在のあきる野市)で採集された標本をもとに、1931年に新種として報告されました。福島県から群馬県を除く関東地方に生息していますが、その分布は標高300m程度までの丘陵地の狭い範囲に集中しており、近年では生息環境の悪化などによる個体数の減少が心配されています。大きさは10p程度で、多くは褐色から黒っぽい体色をしています。

 当園では、都内に生息するトウキョウサンショウウオの繁殖に取り組んでいます。現在、2020年3月11日にふ化したトウキョウサンショウウオの幼生を3個体育成中です。サンショウウオ類の幼生は、頭の後ろにふさふさと飛び出たエラ(外鰓)があります。この頃には水中で水生昆虫などを食べてくらしますが、成長とともに外鰓が体内に吸収されると、主に水辺周辺の森林など陸上で生活するようになります。育成中の幼生は、生まれた時は1.5p程度でしたが、5月1日現在、約5pに成長しました。本号が発行される頃には、おとなの姿に変わっているかも知れません。今後の成長が楽しみです。

 当園では、現在2019年に生まれた個体を展示しています。大きさはまだ成体より小さく7p前後です。これからも展示を続けながら、多くの方にトウキョウサンショウウオについて知ってもらえるよう、情報を発信していきたいと思います。



〜動物園の"かお"〜

上野動物園
キリン

カイとカケル

2020年2月に上野動物園で37年ぶりに生まれたキリンの子ども「ヒカリ」(メス)です。