東京のまちづくり ナンバー129
トップページ トピック 特集 コラム コラム 建設局

イキモノのイキな話78

フェネック

そろそろ目覚めるアブラコウモリ

上野動物園 教育普及係 井内岳志

 夏の夕空を飛ぶコウモリを見た経験のある方も多いでしょう。そんなコウモリ、実は東京都内でもっとも簡単に観察できる野生の哺乳類でもあります。夜空をひらひらと飛ぶアブラコウモリは、人家の屋根裏や戸袋などをねぐらとして使い、新宿など都心部でも見ることができます。胴体の大きさは大人の親指大、羽を広げると手のひらくらいの大きさです。

 このアブラコウモリ、11月から3月頃にはほとんど見ることができません。寒くてエサとなる昆虫が少なくなる冬の間は、体温を下げて冬眠しているからです。冬眠場所はねぐらと同じ屋根裏などで、近年ではビルの建材の隙間なども利用します。1cmちょっとの隙間があれば入り込めるので、建物が密集する東京都内はアブラコウモリにとっても快適な住環境になっています。上野動物園では、西園・小獣館でケースの隙間に入って休眠するアブラコウモリをご覧いただけます。

 冬眠から目覚めたコウモリは、日没後にエサとなる小さな昆虫がたくさんいる川や池、ときには街灯にもやって来ます。春の夕方、ぜひ探してみてください。



〜動物園の"かお"〜

多摩動物公園
アムールトラ

カイとカケル

2019年12月に周南市徳山動物園から多摩動物公園にやって来たアムールトラの「イチ」(メス)です。ぜひ会いに来てください。