東京のまちづくり ナンバー129
トップページ トピック 特集 コラム コラム 建設局

イキモノのイキな話78

フェネック

8年ぶりに生まれたコアラ

多摩動物公園 南園飼育展示係 永田典子

 コアラは木の上で一日に20時間くらい寝て過ごす、変わった動物です。主食のユーカリには毒素が含まれているうえ、固くて繊維が多いため消化をするのが大変です。そのわりに栄養素が少ないので、エネルギーを節約するためにあまり動かないようにしているのです。

 カンガルーと同じ有袋類で、約35日という短い妊娠期間で未熟な子を産みます。子は生まれてすぐに自力で母親のおなかの袋によじ登り、中にある乳首に吸い付き袋の中で育ちます。約6ヵ月を過ぎると顔だけ出して袋の外に興味を持つようになり、やがて袋から出たり入ったりを繰り返すようになります。このころ、母親が出す「パップ」という特別なウンチを食べます。これはコアラの離乳食で、腸内でユーカリを分解するために必要な微生物をもらうためです。

 今回生まれた子はオスで、2019年2月7日に生まれました。最初に袋から顔を出しているのを見たのは8月に入ったころでした。はじめは毛が短く大きな鼻が目立つ赤ちゃんでしたが、10月なかばになると袋に戻れない大きさに成長し、母親の背中につかまって移動をするようになりました。1歳を過ぎると親離れが始まります。元気に大きなオスに成長するのを期待しています。



〜動物園の"かお"〜

多摩動物公園
レッサーパンダ

カイとカケル

2019年6月に生まれたレッサーパンダの「シンファ」「メイファ」(ともにメス)です。ぜひ会いに来てください。