『巨大昆虫 オオコノハギス』
多摩動物公園 渡辺 良平
昆虫園では6月末より、マレーシアから来た昆虫「オオコノハギス」を展示しています。
みなさんはキリギリスやクツワムシといった昆虫をご存知でしょうか。4〜6センチほどの、いわゆる鳴く虫と呼ばれる夏から秋にかけて野外で見られる昆虫たちです。オオコノハギスもこの鳴く虫に含まれるのですが、日本の鳴く虫では到底考えられない2つの特徴があります。
まず、彼らの体長は翅を含めてなんと約14センチ!日本最大級の鳴く虫、タイワンクツワムシ(昆虫園で展示中)の約2倍!子どもはもちろん、大人の手のひらからもはみ出すほどです。
そして鳴き声。1匹が鳴いただけでも耳を塞がなければとても聴いていられない、まさに騒音レベルの音量です。基本的には求愛のために鳴くのですが、ちょっと嫌なこと、例えば世話をしている最中に飼育員の手が触れようものならそれだけで鳴く個体もいるため、毎朝水槽掃除をするときは彼らを怒らせないよう緊張の連続です。
まるで置物のように動かない昆虫ですが、ちゃんと呼吸をしていますので、ご来園の際はぜひ腹部に注目してください。