第一回議事録

開催日時  平成13年9月7日(金)14:00~16:30
開催場所  東京都第二本庁舎 会議室(10階)

第1回隅田川流域連絡会 会議風景

議事

各委員の自己紹介の後、事務局より会の運営について、設置要綱等についての提案があり、委員の総意により了承されました。

設置要綱では住民委員が各区2名沿川七区で計14名、団体委員が10名の総勢24名を定数としています。今回中央区から4名の応募がありましたが、応募総数が16名と定数に満たないこと、応募書類から強い熱意が感じられたことから、応募者全員を都民委員とすることとしたという経緯説明が事務局よりありました。
連絡会の開催回数について都民委員から「議論を深めて行くには年4回程度の開催が必要ではないか」との意見が出されました。このため、開催回数については、事務局の事務量等を検討のうえ、次回の連絡会に再度諮ることとなりました。

会の冒頭に、東京都江東治水事務所の水川所長が挨拶しました。

「隅田川流域連絡会は、これまで設置された流域連絡会の中で、最も注目されている会といえます。皆さんの活発な意見交換により、有意義な会となることを期待します。」と述べました。

設置要綱にもとづき、座長及び副座長を委員の互選により選出しました。

座長には東京都江東治水事務所長の水川委員、副座長には隅田川を愛する会の平井委員が選ばれました。平井委員は「これまで隅田川のいろいろな問題に取り組んできました。任期中は、官民が隅田川について共通の認識を持つことが出来るように努めます。」と挨拶しました。

行政委員の若尾委員より隅田川の概況について説明がありました。

始めに、東京の東部低地帯の概要や昭和40年代まで続いた地盤沈下、台風による水害の歴史などについて説明がありました。「現在は、高潮堤防の整備が進んできたため、過去の大きな台風と同程度の台風でも被害は受けない」と述べました。
 また、隅田川において整備を進めているスーパー堤防については、「従来のコンクリートの直立護岸が人を川から遠ざけてきた。スーパー堤防は地震に強い堤防という構造上の側面と、水辺に近づき、親しむという環境面からのメリットがある」と強調しました。
 隅田川の水質については、「下水道の普及によって、昭和50年代から水質が大幅に改善してきている」との報告がありました。
 このほか、東京都が昨年に策定した「東京構想2000」について、「この長期計画なかには、東京の『顔』をつくるという戦略があり、隅田川については、『顔』の活用の例として、「オープンカフェテラス」構想、すなわち隅田川のテラス上にカフェテラスなどを設置することを検討中である」との説明がありました。

質疑応答

(都民委員)オープンカフェテラス構想は、非常に良い案であるが、実施にあたってどのような課題があるのか。

オープンカフェテラス(想像図)

(行政委員)河川は本来、水を流すことが第一の目的であり、治水上、支障になる施設は設置できません。また、無秩序に河川内に施設を設置されるような事態になれば、混乱を招き、また不当な占拠の排除も困難になってしまいます。このため、どのような場合にカフェテラスの設置を許可できるのかという河川利用のルールづくりが不可欠となります。

(都民委員)水質は昔に比べて良くなっているが,最近はあまり改善されていないのではないか。

(行政委員)昭和50年代以降の急激な水質改善は、都内23区の下水道普及率が向上したことによります。
しかし、隅田川には、荒川や新河岸川の水が流入したり、潮の干満により東京湾の海水が遡上したりします。このため、隅田川の水質を更に良くするためには、より広域的に水質を改善しなければならないという難しさがあり、下水道については,「流域別下水道整備総合計画」を定めて、河川や東京湾の水質への負荷を出来る限り小さくするよう努めています。
水質については、今後、東京都の環境局や下水道局の担当部署を臨時委員に招いたり、さらに詳細なデータなどを提供しながら、具体的な議論を深めていきたいと考えています。

(都民委員)路上生活者については、東京都はどのように対応しようとしているのか。

(行政委員)現在隅田川沿いには、約800人の路上生活者がおり、テラスなどにブルーテントが置かれています。東京都では定期的に「清掃」することにより対処していますが、これは河川管理上の問題として捉えると同時に、福祉の面からも考えていかなければならない問題です。
河川をきれいにすることは大切ですが、単に排除するだけでは街なかに移動するだけです。また、路上生活者の生活に配慮することも必要です。このため、東京都では、「自立支援センター」設置などの福祉的施策と合わせて、路上生活者対策を進めています。

この他に、次のようなご意見がありました。

  • 隅田川を環境教育の場としてもっと活用してはどうか。
  • 河川の環境整備は進んできているが、管理が行き届いていない。川をきれいに保つことにもっと労力をかけるべきである。清掃などの活動にボランティア組織を活用できるはずである。
  • 各行政委員の部署の役割を教えてほしい。
  • 連絡会は、単なる行政への陳情の場ではなく、行政と住民がそれぞれの活動や考えを理解しあうために話し合う場としていきたい。
  • 護岸の落書きが気になる。
  • 隅田川の広報誌を出してはどうか。

事務局では、今後も委員の皆様のご要望を伺いながら、説明と意見交換を進めていきたいと考えております。次回は、10月24日(水)の午後に現場見学会を実施する予定です。

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