井の頭池だよりR6 2月

2024年2月29日(木) 浅場整備と水鳥たち


かいぼりをきっかけに井の頭池の池畔に整備された浅場は、希少な湿生植物が生育し、水鳥の採食や休息、ときには営巣の場にもなります。
冬は、次の春に向けた浅場の整備作業を行っています。
 
お茶の水池の七井橋付近では、かいぼり後に池底から自然にヒメガマが生えてきて、だんだんと生育範囲が拡がりました。伸び放題の群落では枯死した茎葉が目立つようになり、立ち枯れした茎葉が密生して群落内部が混み合ってきたため、1月と2月に刈り取りを行いました。
 
立てる場所は胴長靴で池に入り、
足が届かない深さの場所にはフローターに乗って、                        柄の長い鎌で刈り取りました

弁天池池畔に整備された浅場に生育するガマ群落でも、同様に枯れ草の刈り取りを行いました。
刈り取ることで群落が若返り新しい芽が伸びてきます。また、水鳥が群落内部に入れないほど枯死した茎が密生した状態が解消され、サギやカモなどがエサを探しやすくなりました。群落の若返りによって、カイツブリが巣を造りやすくなる効果もあります。
 
群落内部に隙間の多いヒメガマ群落で繁殖したカイツブリ (2022年)

お茶の水池下流にある葦島や下流浅場では、湿生植物が生育するには水深が深すぎる場所で土を均し地表は凸凹に調整して、ひたひたな浅場を整備しました。
 
土を掘って均してひたひたな浅場に!

作業後の浅場には、早速マガモやヒドリガモ、バン、オオバンやハクセキレイなどが植物を食べに訪れていました。
人が少ない早朝や雨の日は、浅場でのんびり採食するカモや水鳥を見られるのでおすすめです。驚かさないようにそっと観察しましょう。

 
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作業後、お茶の水池親水護岸前の浅場にやってきたカモやオオバン                 キジバトも来ていました
※上記の画像をクリックすると、動画が再生されます。(MP4形式:3.75MB(12秒))
※お使いの機種(端末)によっては、一部動画が再生されないことがあります。

また、2月下旬には弁天池の狛江橋浅場にヒキガエルが産卵に訪れ、お茶の水池の親水護岸前では卵塊も見られました。
 
ヒキガエルの卵塊 [画像提供:井の頭かいぼり隊]

普段は陸上で生活するヒキガエルは、足指に吸盤がなく垂直護岸を移動することが出来ません。そのため、緩やかな傾斜をたどって水辺に行ける浅場は重要な産卵場所です。オタマジャクシになる日が待ち遠しいですね。
これからも適切な管理作業を続け、浅場を利用する生きものにとって居心地がよい湿地環境を整えていきます。


 

お問い合わせ

建設局西部公園緑地事務所 工事課 0422-47-0192
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